プリペイド方式の電子マネー(以下、電子マネー)の右肩上がりの伸びが続いている。2018年は、金額ベースで前年比5%増、利用件数ベースでは同8%増。2013年からの6年間で金額は1.7倍、利用件数は1.8倍に拡大した(「決済動向」日本銀行 決済機構局)。
電子マネーは楽天Edyなどの事業系、JR各社など鉄道会社が発行する交通系、「nanaco」、「WAON」などの流通系に分けられる。このうち発行枚数では「楽天Edy」が他を引き離しているが、利用件数では交通系の「Suica」が年間で1億3,214万件、流通系の「nanaco」が2億150万件と多い。
利用者の特徴をみると、電子マネーの保有率は40代がピークだが、利用額は60代がもっとも多く、また、70歳代以上での利用金額が急速に拡大している(「家計消費状況調査」 総務省統計局)。高齢者に浸透している理由は、交通機関、スーパーやコンビニで利用でき、プリペイドのため、ATMで現金をおろして持ち歩くよりも安全性が高い、上限額が決められていて使いすぎない、などの理由とみられている。
電子マネーが使えるチャネルは今後も増加が見込まれる。従来、比較的弱いとみられていた高齢者や地方を取り込みながら、市場成長を続けていくと予測される。
参照コンテンツ
- JMRからの提案 キャッシュレス競争の勝者は?―プラットフォーム視点で分析(2019年)
- 消費者調査データ キャッシュレス決済(2019年4月版) Suica、WAON、nanaco、上位に満足度で食い込むQRコード決済
- 消費者調査データ 電子マネー・プリペイドカード(2017年4月版) 乱戦市場で高いロイヤリティを誇る交通系電子マネー
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 消費増税ついに「10%」も―駆け込み購入、盛り上がり欠く
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第106号 QRコード決済、一過性のブームに終わるのか?
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