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クラフトビール(2019年版)



 2018年のビール類市場は14年連続で下落、1992年以降の過去最低を更新するなど、ビール類全体がシュリンクするなか、クラフトビールがひとり気を吐いている。




 国税庁の「地ビール等製造業の概要」によれば、クラフトビールは伸長を続け、ここ5年間で製造量は1.6倍に拡大、2015年、2016年は2桁の伸び、2017年も前年比109%となった。昨年4月のビールの定義変更や、世界的なクラフトビールブームも追い風だ。製造業者も3年で25%も増加、クラフトビールのブームは、90年代後半の規制緩和をきっかけとした第1次のブーム、2000年代後半の第2次ブームに続く、第3次クラフトビールブームとでもいうべき状況だ。

 クラフトビールには大手メーカーも注力している。キリンは2014年に国内最大のクラフトブルワリー「ヤッホーブルーイング」を買収、2015年にはクラフトビールの醸造所とレストランを併設した「スプリングバレーブルワリー」をオープン。2018年にはクラフトビール専用サーバーの「タップマルシェ」を開発、全国の飲食店に設置した。アサヒビールは、2016年に一度事業を大幅に縮小したものの、翌2017年には茨城工場内にマイクロブルワリーを新設し、再び展開を拡大した。サントリーも2015年に「クラフトセレクト」ブランドを立ち上げ、2018年には「東京クラフト」を発売。サッポロビールも2015年「クラフトレーベル」を立ち上げた。飲料メーカー以外では、DHCが2016年にクラフトビール事業に参入した。

 一方、各地の小規模ブルワリーでは、さつまいもを原料にした川越の「コエドビール」や、流氷をイメージした網走の青いビールなど地域の特色を生かしたクラフトビールなども販売されている。今年も、クラフトビールのイベントや、クラフトビールを売り物にしたビアガーデンなどが目白押しだ。ビール市場に占めるクラフトビールの割合は、いまだ1%程度と小さいが、今後のさらなる拡大が期待される。


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