
2021年の冷凍食品(家庭用)の国内生産量は前年比3.5%増の79万8,667トンで7年連続増加し、数量ベースでは初めてわずかながら家庭用が業務用を上回った。輸入冷凍食品を含む国民一人当たりの消費量も拡大した。(一般社団法人日本冷凍食品協会)。

家庭用冷凍食品は、コロナ前から拡大傾向にはあったが、2020年の緊急事態宣言や小中学校などの全国一斉休校で大きく伸びた。2020年の生産量は2桁増、2021年も反動減はみられず、コロナ前の2019年と比べると、15%も拡大している。コロナ禍で巣ごもり需要による内食回帰がみられたものの、その長期化により"自炊疲れ"や簡便化志向が強まり、冷凍食品の需要拡大につながったとみられる。また、冷凍ケーキやおせち、鍋料理やワンプレートディッシュなど、種類の幅が 広がったことや、2021年の東京オリンピック選手村で「おいしい」と話題になった餃子が冷凍食品だったことなども追い風になった。
手軽さとおいしさで市場拡大を続けてきた冷凍食品だが、2022年に入ってからは、原材料価格や燃料価格の高騰などによる値上げが相次ぎ、8月以降にはもう一段の値上げが予定されている。ますます家庭の食卓で存在感を増す冷凍食品。逆風をどこまではねのけられるかが注目だ。
参照コンテンツ
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