化粧品市場全体が上昇トレンドにあるが、なかでも日焼け止めを含むサンケア関連は拡大が続く。日焼け止め・日焼け用化粧品市場は10年連続で拡大、2018年は前年比108.9%と2桁に迫る伸びとなった(経済産業省「生産動態統計年報」日焼け止め及び日焼け用化粧品 出荷金額)。
日焼け止めの成長の要因は、三つある。ひとつめは、日焼け止めの進化だ。紫外線カットだけでなく、スマートフォンやPCのディスプレイから出るブルーライトをカットする、大気汚染の肌へのダメージを防ぐ、肌のうるおいを保つなど、多機能化、高機能化により、夏だけの季節商品から通年商品となったことで市場が拡大した。
ふたつめは、地球温暖化などを背景に、紫外線が肌に与えるダメージについての周知が進み、これまで使用率の低かった10代などの若い女性や、男性にも利用が広がり、ユーザー層が拡大した。
三つ目は、国内メーカーの日焼け止めの人気が、海外にまで及び、インバウンド消費の対象になったことだ。インバウンド消費の中心が、高額品から日用品し、購入チャネルも家電量販やドラッグストアに移行しているが、中でも日焼け止めは人気で、資生堂の「アネッサ」ブランドや花王の「ビオレUV」などが買われているという。
日焼け止め市場は、男性や若年層などを取り込みながら成長を続け、メーカー各社も毎年機能強化に注力している。今年は、落ちない機能に加えて、肌をきれいに見せる機能を強化する商品や、「絶対焼かない」をコンセプトにした商品が登場した。高機能に裏打ちされた日焼け止めの成長は、今後も期待ができそうだ。
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