世界各国で発行されている世界的情報誌「Time Out」が2019年9月に発表した「世界で最もクールな街50」というランキングで堂々の2位に輝き、今世界中から注目を集めている街、それが「下北沢」です。この発表と同時期に長年にわたり続けられてきた再開発工事もほぼ終了。ものすごいグッドタイミングで、新たな「シモキタ」が完成しました。ただひとつ、残念なのは新型コロナウイルスによるパンデミックの真っただ中でのお披露目になってしまったこと。それさえなければ、シモキタは、間違いなく日本一インバウンドで賑わう街になっていたはずです。
下北沢という街は、閑静な住宅街の世田谷区にありながら小田急線と京王井の頭線を使えば、新宿や渋谷へ乗り換えなしで10分程度で行けるアクセス便利な街。と、同時に大小10を超える劇場を抱える「演劇の街」であり、「下北沢SHELTER」など伝説のライブハウスが点在する「音楽の街」であり、そして戦後の闇市でのボロ着販売を由来とする古着屋文化をもつ「古着屋の街」でもあるのです。そう、下北沢は、「シモキタ」と称するサブカルな若者文化の発信地。そういった個性的な文化を独自に形成してきた街という点も、世界から評価された理由なのかもしれません。
そこで今回は、満を持して新しく生まれ変わったシモキタの今をご案内します。
下北沢の再開発のきっかけは、以前このコラムでも紹介した渋谷のそれとはちょっと異なります。渋谷が大人化計画をテーマに、未来に向けて広範囲での街づくりを実行したのに対し、下北沢は狭い路地が複雑に入り組み、線路で四つのエリアに分断されていた駅周辺の防犯防災上の問題を改善することが第一の目的でした。移動しにくい、使いにくい、そして開かずの踏切。その改善こそが、今回の再開発の重要課題だったのです。
そこで、小田急電鉄は「東北沢駅」から「和泉多摩川駅」間における複々線化事業をスタート。小田急線を狛江地区、世田谷地区、下北沢地区の3区にわけて進められました。「東北沢駅」から「世田谷代田駅」間の下北沢地区は、2013年に在来線が地下化され、2018年3月に複々線事業が完成。それを最後に、複々線事業化計画は着工からなんと約30年もの歳月をかけて、ようやく終焉を迎えたのです。その成果は絶大でした。踏切の廃止により道路渋滞は緩和され、ラッシュ時の混雑や遅延も改善。沿線の利便性を大きく向上させることになったのです。
しかも、その複々線化の完成に伴い、2016年からは地下駅となった下北沢駅舎の整備も開始。2019年3月16日に、新たな下北沢駅が誕生しました。
生まれかわった下北沢駅舎は、北側の壁面を透過性のある素材にするなど、デザインも開放感のあるものに一新。構内には小田急線の「南西口」「東口」「小田急中央口」、京王井の頭線の「西口」「京王中央口」の五つの改札口を新設し、それまで共有していた小田急線と京王線の改札を分けることで混雑回避することが出来たのです。
さらに、小田急電鉄は駅舎に先駆けて「下北線路街」の整備にも着手。駅舎の地下化によって生まれた「東北沢駅」から「世田谷代田駅」間の約1.7キロメートルの地上線路跡地の活用化にも乗り出しました。2020年度までに商業施設や宿泊施設、保育園など13の施設の整備を計画。「BE YOU. シモキタらしく。ジブンらしく。」を開発コンセプトに、サーバント・デベロップメント(支援型開発)として取り組み、現在はそのほとんどが完成しています。
それでは、ここからはシモキタに新たに誕生した施設を完成順にご紹介いたします。
まず、2019年9月に開設されたのが「下北線路街 空き地」。下北沢駅東口から徒歩4分、下北沢駅と東北沢駅の間に誕生したイベントオープンスペースです。コンセプトは、「みんなでつくる自由な遊び場」。空き地には、定期的にオーナーが入れ替わるキッチンカーや、カフェなどが出店。芝生エリアに設けられたステージでは、ライブなども開催しています。また、定期的に古着や雑貨などのウィークエンドマーケットもあったりと、空き地ならではのイベントも目白押し。早くもシモキタの新たな憩いの場になっています。
そして、2019年11月には、小田急線下北沢機構内に「シモキタエキウエ」という複合商業施設がオープン。「駅を上がると気持ちがアガる。暮らしがアガる。住む人、訪れる人、みんなの毎日がアガる場所へ。」という「UP!シモキタアガル」をコンセプトに、生活に寄り添う16店舗が集結。ベーカリーカフェやフラワーショップなどが建ち並びます。必見は、敷地内のあちらこちらに描かれた人物イラスト。エスカレーターの壁やコンコース、エレベーター前など、ふと目を止めるといろんな場所にいろんな人たちの日常を描いたイラストが現れます。手掛けたのは、イラストレーターの馬場雄氏。自由で遊び心溢れるイラストに出会うと、思わずテンションもアガります。この「シモキタエキウエ」の誕生は、オシャレなだけでなく、長期間の工事で往来しにくかった下北沢駅の移動や通勤通学のスムーズな動線も確保。まさに、毎日、アガる場所になったのです。
同じく11月には、下北沢駅東口前に複合商業施設「シモキタフロント」も誕生。地下1階から地上5階までの建物の中に、飲食店やライブハウスなど12店舗が入居。この東口には、バスロータリーやタクシープールの整備計画も進行中なので、東口側は今後ますます発展することが予想されます。
さらに、2020年4月、「下北沢線路街」のエリア内、世田谷代田駅へと続く歩道にオープンしたのが、複合施設「BONUS TRACK(ボーナストラック)」。飲食店などの商業施設や住居併設の店舗をメインに、コワーキングスペースやシェアキッチンなどを展開。広場やギャラリーで開かれるイベントのお客さんとして楽しむのはもちろん、自らも定期利用できるメンバーになったり、イベントを開催したりすることもできる参加型の空間として誕生しました。ここは、昔ながらの商店街スタイルを継承しながら、若者の新たなチャレンジの拠点にすることを目指し、運営を開始。10月にすべての店舗が揃い、グランドオープンを果たしました。
そして、2020年9月28日、「下北線路街」開発のラストを飾るにふさわしい超目玉施設として開業したのが、都心から最も近い温泉「温泉旅館 由縁別邸 代田」。都心から電車で10分、下北沢駅から徒歩8分という完全なる都心に、里山の温泉地のような宿が突如出現しました。
世田谷代田駅に隣接しているので、電車でのアクセスも抜群。下北沢駅からもボーナストラックを通れば、あれこれ見ているうちにあっという間に到着します。地上3階建ての風格ある建物の中には、約19平米から32平米の様々なタイプの部屋が35室。中には、露天風呂付きや庭付きの客室もあるというから、かなり本格的です。
部屋の設えもベッドの快適さも高級旅館並み。さらに、大浴場のお湯は、箱根芦ノ湖温泉から運ばれる源泉を使用した肌にいいアルカリ性単純温泉。サウナやボディトリートメントも充実しているので、温泉地に足を運ばずともリフレッシュできます。ちなみに、女性はアロマ付きのミストサウナ、男性は熱めのドライサウナを併設。サウナーが気にする水風呂の水温は20度前後だそうです。
また、館内には日本料理店「割烹 月かげ」や、かつては茶畑が広がっていたという代田の文化を今に伝える茶寮などもあり、10月12日からは飲食とセットになった日帰り入浴もスタートしました。ゆっくりお湯に浸かり、充分に疲れをとったら、最後は美味しい食事をしてサクッと帰宅なんていうコンパクトなのにとてもリア充な一日も楽しめちゃうのです。風呂上りの休憩スペースでは、「しろくまバー」などのアイスを無料で好きなだけ食べられるし、夜は無料でお茶漬けのサービスもあるそうなので、甘党と飲兵衛の両方を満足させるサービスも充実。素泊まりプランにして、シモキタで美味しい食事を堪能するのもアリですね。
さて、ここからは下北沢という街をもう少し深堀してみたいと思います。
下北沢を「演劇の街」にした立役者といえば、ご存じ本多一夫氏。「本多劇場」の創設者であることは言うまでもありませんが、「ザ・スズナリ」も本多氏が創業者であることは意外に知られていません。「ザ・スズナリ」は、茶沢通りを東北沢方面へ向かった場所にある「鈴なり横丁」の中にあります。約30年前、若者にもっと気軽に芝居ができる場を提供したいという思いから、本多氏は2階建てアパートを改装。2階部分に劇場を作ったのがはじまりです。その後、1階は舞台帰りの役者たちが語らう飲食店やバーが集まる横丁に。今も「ザ・スズナリ」を巣立った大勢の役者や劇団員が「鈴なり横丁」を訪れては、芝居談議に花を咲かせています。
また、「下北沢SHELTER」や「屋根裏」(現在は「ろくでもない夜」に改名)に代表される魅力的なライブハウスの多さも下北沢を「音楽の街」と言わしめる理由です。「下北沢SHELTER」は、Hi-STANDARDやKEYTALKなどの有名ミュージシャンを、「屋根裏」は浜田省吾、THE BLUE HEARTS、BARBEE BOYSなど多くのレジェンドを輩出しています。
もしかすると、毎日のように舞台やライブにやってくる役者やミュージシャンが下北沢をアーティスティックな街へと牽引していったのかもしれません。
そんな彼らが夜な夜な通っていた場所が北口の「下北沢駅前食品市場」。戦後にできた闇市の名残です。かつては、ここでボロ着の販売を行っていたことから、下北沢には古着屋が多く定着したとも言われています。昼は、生鮮食品を売る青果店や鮮魚店が営業する食品市場ですが、夜になると様相は一変。いくつもの屋台が店を開け、ひとつ、またひとつと提灯の灯りを燈し始めていたのです。
あれから、かれこれ30年ほどは経つでしょうか。時代はバブル真っ只中。私は放送作家として毎日多忙を極めていましたが、下北沢の市場の屋台で飲むのが大好きでした。六本木や西麻布なんかにも出没しましたが、そういった煌びやかな街は、仕事の延長線上に行く街、下北沢は完全にプライベートで行く街、という風に棲み分けていたような気がします。今思えば、私は下北沢に集まってくる人種が好きだったのでしょう。お芝居が好き、音楽が好き、ファッションが好き。そんな魅力的な人たちと飲みながら話すのが、とにかく刺激的でたまらなかったんですよね。
シモキタの屋台で楽しく飲んでいるうちに、自然といろんな知識や人との会話術などを学んでいたのかもしれません。それに、個性的な人に魅かれるタイプなので、そういう意味でも下北沢という街が好きだったんだと思います。まあ、要するに、一人で黙々と作業をする"もの書き"なんてのは、所詮、根が陰キャラだということですね。
当時、よく通っていたのは「おでん屋 節子」という屋台。お客さんは親しみを込めて「せっちゃん」と呼んでいました。私が通っていた時の店主は、2代目だったか3代目だったか、うろ覚えですが男性の方でした。無口で穏やかで、いつもニコニコしている方だということは鮮明に覚えています。わずか5~6席の椅子は、いつも争奪戦。たしか、深い時間の方が混んでいたので、「今日はせっちゃんで飲んだくれる!」と決めた日は、割と早めの時間から下北沢へ向かい、店主の前に陣取り、美味しいおでんをつまみに、朝まで腰を据えて飲み明かしていたものです。
ただし、長時間飲み続けると、当然トイレにも頻繁にいくわけで・・・そのトイレが唯一の難点でした。トイレはもちろん市場の共同。薄暗い電球を頼りに、穴に落ちないよう恐る恐るすり足で探りながら位置確認をするという超原始的なトイレだったんです。なので、トイレに行くたびに覚悟を決め、酔った頭を全集中でクリアにし、緊張感をもって望むわけです。結果、長時間飲んでも泥酔することなくシャキッと帰宅できていたのは、あの暗くて怖かったトイレのおかげだったのだと思います。
「せっちゃん」には、演劇や音楽関係者がよく来ていましたが、中には大女優や人気ミュージシャンの姿もありました。当時、フェアチャイルドというバンドのボーカルだったYOUさんや近藤房之助さん、吹越満さんや大谷直子さんといった錚々たる方々も、ごく普通に屋台の椅子に座り、楽しい時間を過ごしていました。
SNS漬けの今では考えられませんが、当時は携帯電話もごく一部の人しか持っていなかったし、持っていてもカメラやSNS機能がついていなかったので、皆さん、気兼ねなく飲めたんですね。
「下北沢駅前食品市場」は、老朽化と駅前整備のため、2017年秋に完全に取り壊されてしまいました。直前の6月には、「さよならマーケット ありがとうマーケット」というイベントが開催。近藤房之助さんらゆかりのあるミュージシャンのライブや元店主たちによるトーク、駅前食品市場の写真や映像などの展示が行われ、最後は、「駅前食品市場」を愛する多くの人々に見送ってもらったのです。
かつては、下北沢のランドマークとして、演劇や音楽に携わる人が集まり、朝まで仲間と飲み明かした情報交換の場「駅前食品市場」。そこは、まさに昭和の遺産そのものだったのです。
市場の取り壊しに伴い、「おでん屋 節子」も惜しまれつつ閉店しましたが、すぐに下北沢一番街に店舗を構え、今は4代目がお好み焼きともんじゃ焼きのお店として営業しています。店名は「せっちゃん」。生地におでん出汁と牛すじの脂を使っているので、業態替えした今も屋台の味はちゃんと継承しています。しかも、お好み焼き屋さんにはなりましたが、屋台時代から受け継がれてきた美味しいおでんも堪能できるので、是非一度味わってみてください。
昭和から多くの人たちに愛されてきた優しいおでんの味に癒され、疲れた体にスーッと染み渡るはずです。
今回訪ねた街はコチラ!
著者プロフィール
赤沢奈穂子
放送作家。
日本脚本家連盟、日本放送作家協会会員。
コピーライターから放送作家に転身後、日本テレビ「11PM」でデビュー。番組における最初で最後の女性作家に。テレビ、ラジオ、イベントなど数々の番組等に関わり、1993年渡米。NY、イスラエル、ロンドンでの約7年の居住を経て帰国。その後は、番組構成をはじめ、雑誌ライター、書籍の執筆、イベント運営など、幅広く活動している。既婚。2児の母。東郷奈穂子名義でも活躍中。
コピーライター作品「フルムーン旅行」
放送作家作品「テレビ東京/出没!アド街ック天国」ほか
近著に、萩谷慧悟ダイビングフォトブック「HORIZON」(2021)、「Azure Blue」(2022)、小西成弥フォトブック「treasure」(2022)など
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参照コンテンツ
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シリーズ「移動」のマーケティング
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