2020年度のシリアル出荷実績は、数量ベースで前年度比110.5%と、2016年度以来のプラスとなった(日本スナック・シリアルフーズ協会)。
今回は、当社が任意に選んだシリアル30ブランドについて、「知っている(認知)」「3ヶ月以内に広告などを見た(広告接触)」「3ヶ月以内に店頭などで見た(店頭接触)」「買って食べたことがある(購入経験)」「最近3ヶ月以内に買って食べた(3ヶ月以内購入)」、さらに「今後(も)食べたい(今後意向)」と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」という7項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回の調査では、7項目中再購入意向を除く6項目でカルビーの「フルグラ」が首位となった。認知では2位の「ケロッグ コーンフレーク(日本ケロッグ)」との差は5.7ポイントだが、広告接触や購入経験では約10ポイントの差をつけている。3ヶ月以内購入や今後の意向でも2位に15ポイント以上の差をつけており、No.1ブランドらしい強さをみせた。
シリアルの草分けである1963年発売の「ケロッグ コーンフレーク」は、7項目中5項目で2位、日清シスコの「ごろっとグラノーラ」が3ヶ月以内購入で2位、そのほか3項目で3位に入っている。3ヶ月以内購入や今後の意向などでは、「フルグラ」との差は大きい一方、4位以下との差はごくわずかだ。
再購入意向をみると、首位が「プレミアムピュアオートミール(日本食品製造)」、2位が「ケロッグ 糖質オフグラノラ(日本ケロッグ)」、3位が「ケロッグ 朝摘みいちごグラノラ(日本ケロッグ)」で、いずれも再購入意向は70%以上だが、母数は100に満たない。また、今後の購入意向では、オートミール商品は10位以内に入っていないが、再購入意向ではトップの「プレミアムピュアオートミール(日本食品製造)」をはじめ、日清シスコの「おいしいオートミール」など4ブランドがトップ10以内に入っている。規模は小さいものの、オートミールの確実なリピーターが存在していることがうかがえる。
シリアル類は新型コロナの影響で大きく伸びたといわれているジャンルのひとつである。健康イメージがあり、手軽に食べられることなどが巣ごもり需要にフィットしたと考えられる。2020年度に市場は大幅に拡大、2021年もオートミールがダイエットや"腸活"によいといわれ、注目を集めた。特に話題となったのが「米化」と呼ばれる新しい食べ方だ。水と混ぜて電子レンジで加熱するだけの手軽な調理法で、お米のような食感が楽しめる。アレンジもしやすいことからブームとなり、グラノーラに代わる市場のけん引役として期待されている。健康志向を味方につけたシリアル市場のゆくえが注目される。
- 注目ランキング
-
- 3ヶ月以内購入
- フルグラ(カルビー) 20.8%
- ごろっとグラノーラ(日清シスコ) 4.7%
- ケロッグ コーンフレーク(日本ケロッグ) 4.3%
- 再購入意向
- プレミアムピュアオートミール(日本食品製造) 78.9%
- ケロッグ 糖質オフグラノラ(日本ケロッグ) 71.7%
- ケロッグ 朝摘みいちごグラノラ(日本ケロッグ) 70.4%
- 3ヶ月以内購入
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ調査概要
提示30ブランド
- フルグラ(カルビー)
- マイグラ(カルビー)
- グラノーラプラス(カルビー)
- 香ばしグラノーラ(カルビー)
- ケロッグ コーンフレーク(日本ケロッグ)
- ケロッグ 玄米フレーク(日本ケロッグ)
- ケロッグ 朝摘みいちごグラノラ(日本ケロッグ)
- ケロッグ 糖質オフグラノラ(日本ケロッグ)
- ケロッグ ポップコーングラノラ(日本ケロッグ)
- ケロッグ オートミール(日本ケロッグ)
- ケロッグ オールブラン(日本ケロッグ)
- フロスティ(日本ケロッグ)
- チョコクリスピー(日本ケロッグ)
- チョコワ(日本ケロッグ)
- シスコーン(日清シスコ)
- ごろっとグラノーラ(日清シスコ)
- おいしいオートミール(日清シスコ)
- 素材のご褒美(日清シスコ)
- ライスアイランド オートミール(ライスアイランド)
- プレミアムピュアオートミール(日本食品製造)
- 日食自然の良さグラノーラ(日本食品製造)
- オートミールDELI(エスビー食品)
- 旭松食品 カップ入りオートミール(旭松食品)
- クエーカーオートミール(クエーカーオーツ)
- スイスミューズリー(ファミリア)
- アリサン 有機オートミール(アリサン)
- トップバリュのオートミール(イオン)
- トップバリュのフルーツグラノーラ(イオン)
- セブンプレミアム コーンフレーク(セブン&アイ)
- みなさまのお墨付きフルーツグラノーラ(西友)
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2022年2月17日(木)~2月24日(木)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,043サンプル
サンプル構成(%)
参照コンテンツ
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 裾野広がるシリアル コロナ禍自粛の反動に成長機会(2021年)
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター カルビー フルグラが牽引する成長市場:グラノーラの食実態(2014年)
おすすめ新着記事
消費者調査データ サブスクリプションサービス 広く利用される「プライムビデオ」、音楽サブスクには固定ファンも
調査結果を見ると、「Amazon プライムビデオ」が全項目で首位となった。「プライムビデオ」は認知率で認知率は8割強、利用経験では唯一4割強、今後の利用意向でも3割を超えている。
成長市場を探せ コロナ禍の壊滅的状況からV字回復、売上過去最高のテーマパーク
コロナ下では長期休業や入場制限などを強いられ、壊滅的ともいえる打撃を被ったテーマパーク市場、しかし、コロナが5類移行となった2023年には、売上高は8,000億円の大台を突破、過去最高を記録した。
消費者調査データ シャンプー(2024年11月版) 「ラックス」と「パンテーン」、激しい首位争い
調査結果を見ると、「ラックス(ユニリーバ)」と「パンテーン(P&G)」が複数の項目で僅差で首位を競り合う結果となった。コロナ禍以降のセルフケアに対する意識の高まりもあって、シャンプー市場では多様化、高付加価値化が進んでいる。ボタニカルやオーガニック、ハニーやアミノ酸などをキーワードに多様なブランドが競うシャンプー市場の今後が注目される。