半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

(2014.09)
消費者調査 No.201 発泡酒・第三のビール(2014年9月版)
健康志向とプレミアム志向で横並び。
新ジャンルの仁義なき競争



 ビール類(ビール、発泡酒、新ジャンル)は、景気回復もあってプレミアムビールが好調な一方、新ジャンルの拡大に陰りがでてきており減少トレンドに歯止めがかかっていません。

 今回は、当社が任意に選んだ発泡酒と新ジャンル28ブランドについて、「知っている(認知)」「買ったことがある(購入経験)」、最近3ヶ月以内における「広告・記事(をみたことがある)」「店頭(で見たことがある)」での接触状況、過去と3ヶ月以内における「買って飲んだことがある」(購入経験)、さらに「今後(も)買いたいと思う」(今後購入意向)と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」の7項目についてインターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けします(※調査は2014年4月)。

 まず今回測定した7項目中、「認知」「再購入意向」以外の5項目で「サントリー金麦(以下金麦)」(新ジャンル/2007年発売)がトップであった。また「認知」「店頭接触」「購入経験」「今後購入意向」の4項目では、「金麦」、「麒麟淡麗<生>(以下麒麟淡麗)」(発泡酒/1998年発売)、「のどごし<生>(以下のどごし)」(キリンビール/新ジャンル/2005年発売)がトップ3を占めている。

 個別項目をみると、「認知」では、「麒麟淡麗」71%、「金麦」68%、「のどごし」65%がトップ3で、4位「淡麗グリーンラベル」(キリンビール/発泡酒/2002年発売)63%までが6割を超えている。

 「3ヶ月内広告・記事接触」では、トップが「金麦」31%で、2位には「クリアアサヒ」(新ジャンル/2008年発売)20%が入った。

 「3ヶ月内店頭接触」では、「金麦」37%、「麒麟淡麗」33%、「のどごし」33%の上位3ブランドが3割を超えた。

 「購入経験」では、「金麦」29%、「のどごし」25%、「麒麟淡麗」24%、「クリアアサヒ」21%の上位4ブランドが2割を超えている。

 「3ヶ月内購入経験」は、「金麦」14%、「のどごし」10%の2ブランドが1割を超えている。また3位「クリアアサヒ」、4位「麦とホップ」(サッポロビール/新ジャンル/2008年)と、ビール類主要4社の新ジャンルのブランドが上位を占めた。

 「今後購入意向」は、「金麦」17%、「のどごし」14%、「麒麟淡麗」13%、「クリアアサヒ」13%、「麦とホップ」12%の上位5ブランドが1割を超えている。

 最後に「再購入意向」をみると、トップが「新ザ・ブリュー」(セブン&アイ/新ジャンル/2009年)65%である。同商品はセブン&アイグループとサントリーとの共同開発によるPB「セブンプレミアム」のラインである。認知や購入率はまだ低いが全国16,000店超のセブン-イレブンの店頭に並んでいるだけに、今後NBメーカーに迫るだけのポテンシャルを秘めている。

 2位は「サントリー金麦<糖質70%オフ>」(新ジャンル/2012年発売)63%で、3位「サッポロ 北海道PREMIUM」(新ジャンル/2012年)57%、4位「クリアアサヒ プライムリッチ」(新ジャンル/2013年発売)57%と、ここ2-3年内に発売された商品がランクインしている。「金麦」は健康志向、「クリアアサヒ」はプレミアム商品と既存ブランドのサブブランド展開で、「サッポロ 北海道PREMIUM」もサッポロビールのブランド資産を活用した展開である。

 全体を通して、価格がより低い「新ジャンル」の各社の主力ブランドが上位を占め、発泡酒ではロングセラー「麒麟淡麗」が辛うじて食い込んでいるという状況になっている。さらに新ジャンルの新商品も主力ブランドなど、リスクを抑えるために既存の資産を活かす展開になっており、大型の新規ブランドが出ていない。

 最近(※執筆は9月初旬)では、サッポロ「極ZERO」(新ジャンル)のヒットを契機に糖質やプリン体が「0(ゼロ)」の「機能系新ジャンル」の横並び競争が激化している。「健康志向」や「プレミアム」など付加価値をつけながらも寡占市場における横並び競争は今後も続きそうである。

 本コンテンツのグラフは無料会員サービス、詳細データは有料会員サービスでのご提供となっております。
 以降の閲覧には会員サービスへのご登録が必要です。

会員サービスのご案内についてはこちらをご覧ください。
会員の方は、下記をクリックしてグラフ・詳細データをご利用ください。







【提示28ブランド】
  • 麒麟淡麗<生>
  • 淡麗グリーンラベル
  • 淡麗ダブル
  • のどごし<生>
  • キリン 澄みきり
  • キリン濃い味糖質ゼロ
  • キリン濃い味デラックス
  • アサヒスタイルフリー
  • アサヒ本生ドラフト
  • アサヒ本生アクアブルー
  • クリア アサヒ
  • クリアアサヒ プライムリッチ
  • アサヒ オフ
  • アサヒ ブルーラベル
  • アサヒ ストロングオフ
  • サントリー金麦
  • サントリー金麦<糖質70%オフ>
  • サントリージョッキ<生>
  • グランドライ(サントリー)
  • サッポロ 北海道生搾り
  • サッポロ ドラフトワン
  • サッポロ 麦とホップ
  • サッポロ 北海道PREMIUM
  • サッポロ みがき麦
  • 新ザ・ブリュー(セブン&アイ)
  • トップバリュ バーリアル
  • トップバリュ バーリアル 糖質50%OFF
  • 泡麦(日本酒類販売)

【調査設計】
調査手法:インターネットリサーチ
調査期間:調査期間:2014年4月17日~21日
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
        全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,035サンプル
サンプル構成(%)



お知らせ

2024.12.19

JMR生活総合研究所 年末年始の営業のお知らせ

新着記事

2024.12.20

消費者調査データ No.418 サブスクリプションサービス 広く利用される「プライムビデオ」、音楽サブスクには固定ファンも

2024.12.19

24年10月の「商業動態統計調査」は7ヶ月連続のプラス

2024.12.19

24年10月の「広告売上高」は、6ヶ月連続のプラス

2024.12.19

24年10月の「旅行業者取扱高」は19年比で83%に

2024.12.18

提言論文 「価値スタイル」で選ばれるブランド・チャネル・メディア

2024.12.18

24年11月の「景気の先行き判断」は3ヶ月連続の50ポイント割れに

2024.12.18

24年11月の「景気の現状判断」は9ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.12.17

24年10月の「現金給与総額」は34ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2024.12.16

企業活動分析 SGHDの24年3月期はロジスティクス事業不振で2期連続の減収減益

2024.12.16

企業活動分析 ヤマトHDの24年3月期はコスト削減追いつかず3期連続減益

2024.12.13

成長市場を探せ コロナ禍の壊滅的状況からV字回復、売上過去最高のテーマパーク(2024年)

2024.12.12

24年10月の「家計収入」は再びプラスに

2024.12.12

24年10月の「消費支出」は6ヶ月連続のマイナスに

2024.12.11

提言論文 価値スタイルによる生活の再編と収斂

2024.12.10

24年10月は「有効求人倍率」は改善、「完全失業率」は悪化

2024.12.09

企業活動分析 江崎グリコ株式会社 23年12月期は国内外での売上増などで増収増益達成

2024.12.09

企業活動分析 日清食品ホールディングス株式会社 24年3月期は価格改定浸透で増収、過去最高益達成

 

2024.12.06

消費者調査 2024年 印象に残ったもの 「大谷選手」「50-50」、選挙も五輪も超えてホームラン!

2024.12.05

24年11月の「乗用車販売台数」は3ヶ月ぶりのマイナス

週間アクセスランキング

1位 2024.05.10

消費者調査データ エナジードリンク(2024年5月版)首位は「モンエナ」、2位争いは三つ巴、再購入意向上位にPBがランクイン

2位 2024.04.05

消費者調査データ ノンアルコール飲料(2024年4月版) 首位は「ドライゼロ」、追う「オールフリー」「のんある気分」

3位 2024.12.04

提言論文 本格消費回復への転換-価値集団の影響力拡大

4位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

5位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area