新ジャンルの仁義なき競争
ビール類(ビール、発泡酒、新ジャンル)は、景気回復もあってプレミアムビールが好調な一方、新ジャンルの拡大に陰りがでてきており減少トレンドに歯止めがかかっていません。
今回は、当社が任意に選んだ発泡酒と新ジャンル28ブランドについて、「知っている(認知)」「買ったことがある(購入経験)」、最近3ヶ月以内における「広告・記事(をみたことがある)」「店頭(で見たことがある)」での接触状況、過去と3ヶ月以内における「買って飲んだことがある」(購入経験)、さらに「今後(も)買いたいと思う」(今後購入意向)と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」の7項目についてインターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けします(※調査は2014年4月)。
まず今回測定した7項目中、「認知」「再購入意向」以外の5項目で「サントリー金麦(以下金麦)」(新ジャンル/2007年発売)がトップであった。また「認知」「店頭接触」「購入経験」「今後購入意向」の4項目では、「金麦」、「麒麟淡麗<生>(以下麒麟淡麗)」(発泡酒/1998年発売)、「のどごし<生>(以下のどごし)」(キリンビール/新ジャンル/2005年発売)がトップ3を占めている。
個別項目をみると、「認知」では、「麒麟淡麗」71%、「金麦」68%、「のどごし」65%がトップ3で、4位「淡麗グリーンラベル」(キリンビール/発泡酒/2002年発売)63%までが6割を超えている。
「3ヶ月内広告・記事接触」では、トップが「金麦」31%で、2位には「クリアアサヒ」(新ジャンル/2008年発売)20%が入った。
「3ヶ月内店頭接触」では、「金麦」37%、「麒麟淡麗」33%、「のどごし」33%の上位3ブランドが3割を超えた。
「購入経験」では、「金麦」29%、「のどごし」25%、「麒麟淡麗」24%、「クリアアサヒ」21%の上位4ブランドが2割を超えている。
「3ヶ月内購入経験」は、「金麦」14%、「のどごし」10%の2ブランドが1割を超えている。また3位「クリアアサヒ」、4位「麦とホップ」(サッポロビール/新ジャンル/2008年)と、ビール類主要4社の新ジャンルのブランドが上位を占めた。
「今後購入意向」は、「金麦」17%、「のどごし」14%、「麒麟淡麗」13%、「クリアアサヒ」13%、「麦とホップ」12%の上位5ブランドが1割を超えている。
最後に「再購入意向」をみると、トップが「新ザ・ブリュー」(セブン&アイ/新ジャンル/2009年)65%である。同商品はセブン&アイグループとサントリーとの共同開発によるPB「セブンプレミアム」のラインである。認知や購入率はまだ低いが全国16,000店超のセブン-イレブンの店頭に並んでいるだけに、今後NBメーカーに迫るだけのポテンシャルを秘めている。
2位は「サントリー金麦<糖質70%オフ>」(新ジャンル/2012年発売)63%で、3位「サッポロ 北海道PREMIUM」(新ジャンル/2012年)57%、4位「クリアアサヒ プライムリッチ」(新ジャンル/2013年発売)57%と、ここ2-3年内に発売された商品がランクインしている。「金麦」は健康志向、「クリアアサヒ」はプレミアム商品と既存ブランドのサブブランド展開で、「サッポロ 北海道PREMIUM」もサッポロビールのブランド資産を活用した展開である。
全体を通して、価格がより低い「新ジャンル」の各社の主力ブランドが上位を占め、発泡酒ではロングセラー「麒麟淡麗」が辛うじて食い込んでいるという状況になっている。さらに新ジャンルの新商品も主力ブランドなど、リスクを抑えるために既存の資産を活かす展開になっており、大型の新規ブランドが出ていない。
最近(※執筆は9月初旬)では、サッポロ「極ZERO」(新ジャンル)のヒットを契機に糖質やプリン体が「0(ゼロ)」の「機能系新ジャンル」の横並び競争が激化している。「健康志向」や「プレミアム」など付加価値をつけながらも寡占市場における横並び競争は今後も続きそうである。
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【提示28ブランド】
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- 【調査設計】
- 調査手法:インターネットリサーチ
- 調査期間:調査期間:2014年4月17日~21日
- 調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
- 有効回収サンプル数:1,035サンプル
サンプル構成(%)
- 調査期間:調査期間:2014年4月17日~21日