2020年の1~6月期の清涼飲料市場は、コロナ禍による外出自粛などの影響を受け、前年比10%程度のマイナスとなった。6月以降は回復の兆しがみられ、とくに8月は東京都心の猛暑日が1875年の統計開始以来最多を記録するなど、マスク着用とあいまって例年以上に熱中症への注意喚起が行われている。
今回は、当社が任意に選んだスポーツドリンク・熱中症対策飲料30ブランドについて、「知っている(認知率)」、「買って飲んだことがある(経験率)」、最近3ヶ月以内における「広告・記事を見たことがある(広告接触)」「店頭などで見たことがある(店頭接触)」、「3ヶ月以内に買って飲んだ(3ヶ月内購入)」、さらに「今後(も)買って飲みたい(今後意向)」と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」という7項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回の調査でも、前回(2019年8月版)と同様、再購入意向以外の6項目では、「アクエリアス(日本コカ・コーラ)」と「ポカリスエット(大塚製薬)」が他ブランドを大きく引き離して1位、2位を独占した。3位以降は「GREEN DA・KA・RA(サントリー)」や「アクエリアス ゼロ(日本コカ・コーラ)」などがランクインしているが、「アクエリアス」「ポカリスエット」と3位との差は大きく、飲用経験では33.9ポイント差、今後の購入意向では21.1ポイント差と大きく水をあけられている。
ユーザーのロイヤリティの指標である再購入意向をみると、1位から順に「サントリー天然水 うめソルティ(サントリー)」「アクエリアス 経口補水液(日本コカ・コーラ)」「GREEN DA・KA・RA 塩ライチ&ヨーグルト(サントリー)」「キリン ソルティライチ(キリン)」と熱中症対策を打ち出した飲料が続く。「キリン ソルティライチ」以外は母数は小さいが、前回も上位を獲得したブランドが多く、確実にファンをつかんでいるといえる。
今年は「マスクと過ごす初めての夏」となり、メーカー各社も例年以上に熱中症対策の周知に注力した。9月に入っても厳しい残暑や、新型コロナ感染拡大防止のためのマスク着用、在宅時間の増加による運動不足など熱中症リスクは続いている。上期の立ち上がりが厳しかった分、需要のピークはもうしばらく続くかもしれない。
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ- アクエリアス(日本コカ・コーラ)
- アクエリアス ゼロ(日本コカ・コーラ)
- アクエリアス ピーチ(日本コカ・コーラ)
- アクエリアス 経口補水液(日本コカ・コーラ)
- ポカリスエット(大塚製薬)
- ポカリスエット イオンウォーター(大塚製薬)
- 経口補水液オーエスワン(大塚製薬)
- アミノバリュー(大塚製薬)
- DAKARA フレッシュスタート(サントリー)
- GREEN DA・KA・RA 塩ライチ&ヨーグルト(サントリー)
- GREEN DA・KA・RA(サントリー)
- ビタミンウォーター(サントリー)
- 塩のはちみつレモン(サントリー)
- サントリー天然水 うめソルティ(サントリー)
- キリン ラブズスポーツ(キリン)
- アミノバイタル(キリン)
- キリン からだ想い とまと甘酒(キリン)
- キリン ソルティライチ(キリン)
- アサヒスーパーH2O (アサヒ飲料)
- 三ツ矢 アセロラ ボトル缶(アサヒ飲料)
- 塩JOY (エンジョイ)サポート(ポッカサッポロ)
- スポーツウォーター(ポッカサッポロ)
- ヴァームウォーター(明治)
- miu プラススポーツ(ダイドードリンコ)
- 梅Cool(伊藤園)
- ライフガード(チェリオ)
- 熱中対策水(赤城化成)
- セブンプレミアムスポーツドリンク
- トップバリュ スッキリ飲みやすいスポーツドリンク(イオン)
- みなさまのお墨付きスポーツドリンク(西友)
調査期間:2020年08月03日(月)~08月06日(木)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,006サンプル
サンプル構成(%)
参照コンテンツ
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第120号
ウィズ・コロナ時代の新たな食生活 増える女性の調理負担 - 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第119号
"自粛"で変わる購買行動とライフスタイル - 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第96号
試し飲みされるストロングビール 味訴求でロイヤリティ獲得が今後の鍵
おすすめ新着記事
消費者調査データ サブスクリプションサービス 広く利用される「プライムビデオ」、音楽サブスクには固定ファンも
調査結果を見ると、「Amazon プライムビデオ」が全項目で首位となった。「プライムビデオ」は認知率で認知率は8割強、利用経験では唯一4割強、今後の利用意向でも3割を超えている。
成長市場を探せ コロナ禍の壊滅的状況からV字回復、売上過去最高のテーマパーク
コロナ下では長期休業や入場制限などを強いられ、壊滅的ともいえる打撃を被ったテーマパーク市場、しかし、コロナが5類移行となった2023年には、売上高は8,000億円の大台を突破、過去最高を記録した。
消費者調査データ シャンプー(2024年11月版) 「ラックス」と「パンテーン」、激しい首位争い
調査結果を見ると、「ラックス(ユニリーバ)」と「パンテーン(P&G)」が複数の項目で僅差で首位を競り合う結果となった。コロナ禍以降のセルフケアに対する意識の高まりもあって、シャンプー市場では多様化、高付加価値化が進んでいる。ボタニカルやオーガニック、ハニーやアミノ酸などをキーワードに多様なブランドが競うシャンプー市場の今後が注目される。