2022年のビール系飲料国内販売数量は、前年比2%増の3億4,000万ケースで、18年ぶりに前年を上回った(ビール4社発表)。
今回は、当社が任意に選んだビール系飲料24ブランドについて、「知っている(認知)」「3ヶ月以内に店頭などで見た(店頭接触)」「買って飲んだことがある(購入経験)」「最近3ヶ月以内に買って飲んだ(3ヶ月以内購入)」、さらに「今後(も)飲みたい(今後意向)」と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」という6項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回の調査では、前回(2022年6月版)も強さをみせた「アサヒ スーパードライ(以降スーパードライ)(アサヒビール)」が、全項目で首位と、今回も抜群の強さをみせた。
「スーパードライ」を追うのはキリンの「キリン 一番搾り(以下一番搾り)」だ。再購入意向以外の5項目で2位を獲得、首位の「スーパードライ」とは差があるものの、「サントリー ザ・プレミアムモルツ(以下ザ・プレミアムモルツ)(サントリー)」や「ヱビスビール(サッポロビール)」などで構成される三番手グループからは一歩抜きんでた二番手である。
再購入意向を見ると、首位は「スーパードライ」に3ポイント差で「ザ・プレミアムモルツ」が、そこから5.1ポイント差で「一番搾り」が続いている。各社の主力商品が手堅くリピートを獲得している。発泡酒や新ジャンルでは、6位にサントリーの「サントリー 金麦」が、8位にアサヒビールの「アサヒスタイルフリー<生>」が入っており、上位はビールが目立つ構図になっている。
ビール系飲料市場は、長期的に縮小傾向にあった上、コロナ禍で飲食店需要が激減、打撃を受けた。2022年は行動制限の緩和などから飲食店需要が回復、前述したように18年ぶりのプラスとなったが、コロナ前の2019年と比較すると約1割減少している。メーカー各社は、今年10月の酒税法改正により減税となるビールに注力、クラフト系の新商品や季節限定アイテムなどを発売する。行動制限が撤廃され、飲食店需要ももどりつつある今夏、一段の盛り上がりが期待される。
- 注目ランキング
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- 3ヶ月内購入
- アサヒ スーパードライ(アサヒビール) 22.6%
- キリン 一番搾り(キリンビール) 15.0%
- サントリー 金麦(サントリー) 10.6%
- 再購入意向
- アサヒ スーパードライ(アサヒビール) 65.6%
- サントリー ザ・プレミアム・モルツ(サントリー) 62.6%
- キリン 一番搾り(キリンビール) 57.5%
- 3ヶ月内購入
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ調査概要
提示24ブランド
- アサヒ スーパードライ(アサヒビール)
- アサヒ スーパードライ 生ジョッキ缶(アサヒビール)
- アサヒ生ビール(マルエフ)(アサヒビール)
- キリン 一番搾り(キリンビール)
- キリン 一番搾り 糖質ゼロ(キリンビール)
- SPRING VALLEY 豊潤<496>(キリンビール)
- キリン ラガービール(キリンビール)
- サントリー ザ・プレミアム・モルツ(サントリー)
- パーフェクトサントリービール(サントリー)
- サントリー ザ・モルツ(サントリー)
- サッポロ 生ビール黒ラベル(サッポロビール)
- サッポロ ヱビスビール(サッポロビール)
- ヤッホーブルーイング よなよなエール(ヤッホーブルーイング)
- アサヒ スタイルフリー<生>(アサヒビール)
- キリン 淡麗グリーンラベル(キリンビール)
- アサヒ ザ・リッチ(アサヒビール)
- クリアアサヒ(アサヒビール)
- アサヒ オフ(アサヒビール)
- キリン のどごし<生>(キリンビール)
- キリン 本麒麟(キリンビール)
- サントリー 金麦(サントリー)
- サントリー 金麦ザ・ラガー(サントリー)
- ジョッキ生(サントリー)
- サッポロ 麦とホップ(サッポロビール)
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2023年05月12日(金)~05月16日(火)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:972サンプル
サンプル構成(%)
参照コンテンツ
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第133号 コロナ禍で存在感放つプレミアム系ビール
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