2022年の紅茶飲料の販売金額は2,167億円で前年比107.1%、生産量は同95.9%で、金額は2年連続で前年を上回ったが、生産量は3年連続で前年割れとなった(全国清涼飲料連合会)。
今回は、当社が任意に選んだ紅茶飲料24ブランドについて、「知っている(認知)」「3ヶ月以内に店頭などで見た(店頭接触)」「買って飲んだことがある(購入経験)」「最近3ヶ月以内に買って飲んだ(3ヶ月以内購入)」、さらに「今後(も)飲みたい(今後意向)」と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」という6項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回の調査では、前回(2022年9月版)と同様、「午後の紅茶(キリン)」が再購入意向以外の5項目で首位を獲得した。「午後の紅茶」は、認知では2位の「午後の紅茶 おいしい無糖(キリン)」に20ポイント以上の、店頭接触、購入経験、3ヶ月内購入、今後の購入意向ではそれぞれ2位に10ポイント前後の差をつけての首位で、相変わらずの強さを示している。
2位グループは、「午後の紅茶 おいしい無糖」と「紅茶花伝 ロイヤルミルクティー」が熾烈な競争を繰り広げている。順位的には「午後の紅茶 おいしい無糖」が店頭接触、購入経験、3ヶ月内購入で2位、「紅茶花伝 ロイヤルミルクティー」は今後の購入意向で2位だが、購入経験、3ヶ月内購入、今後の購入意向での両社の差は1ポイント未満でほぼ横並びといっていい。また、2位グループと4位以下との差も大きく、上位ブランドの壁は厚い。
再購入意向をみると、ポッカサッポロ フード&ビバレッジの「カフェ・ド・クリエ」が首位、ローソンの「ローソンオリジナルの紅茶飲料」が2位だが、ともに母数は少ない。上位3ブランドはそろって60%台前半で6位までに収まっている。認知から再購入意向まで定番ブランドの強さが目立つ結果となった。
紅茶飲料市場では、紅茶のもつ「癒し」のイメージを取り込んだ、フルーツティーなどのバラエティーラインと、メガトレンドである健康志向を背景に成長を続ける「無糖」「微糖」などのラインが近年の市場をけん引してきた。22年は「無糖」ジャンルは2桁成長を遂げ、注目を集めている。この「無糖」市場では「午後の紅茶 おいしい無糖」が圧倒的な優位を占め、バラエティ市場では「紅茶花伝」や「クラフトボスTEA」が強さをみせる。アレンジの幅が広く、新しいトレンドを生み出しやすいという紅茶の特性を生かしてメーカー各社がしのぎを削る紅茶市場の行方が注目される。
- 注目ランキング
-
- 3ヶ月内購入
- 午後の紅茶(キリン) 20.5%
- 午後の紅茶 おいしい無糖(キリン) 10.6%
- 紅茶花伝 ロイヤルミルクティー(コカ・コーラシステム) 10.2%
- 再購入意向
- カフェ・ド・クリエ(ポッカサッポロ フード&ビバレッジ) 68.9%
- ローソンオリジナルの紅茶飲料(ローソン) 65.5%
- 午後の紅茶 おいしい無糖(キリン) 62.6%
- 3ヶ月内購入
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ調査概要
提示24ブランド
- 午後の紅茶(キリン)
- 午後の紅茶 おいしい無糖(キリン)
- 午後の紅茶 リフレッシュオレンジティー(キリン)
- 午後の紅茶 エスプレッソティー(キリン)
- 紅茶花伝 ロイヤルミルクティー(コカ・コーラシステム)
- 紅茶花伝 デザート(コカ・コーラシステム)
- 紅茶花伝 クラフティー(コカ・コーラシステム)
- リプトン 白の贅沢(サントリー)
- クラフトボスTEA(サントリー)
- アサヒ ロイヤルミルクティー(アサヒ飲料)
- 和紅茶 無糖ストレート(アサヒ飲料)
- かごしま知覧紅茶 無糖(ポッカサッポロ フード&ビバレッジ)
- カフェ・ド・クリエ(ポッカサッポロ フード&ビバレッジ)
- TULLY'S &TEA (タリーズ&ティー)(伊藤園)
- TEAs' TEA(ティーズティー)(伊藤園)
- 紅茶の時間(UCC 上島珈琲)
- パラダイスティー(UCC 上島珈琲)
- シンビーノ ジャワティストレー ト(大塚食品)
- リプトンのチルド紅茶飲料(森永乳業)
- トップバリュ すっきりテイストティ(イオン)
- セブンプレミアムの紅茶飲料(セブン&アイ)
- ローソンオリジナルの紅茶飲料(ローソン)
- みなさまのお墨付きの紅茶飲料(西友)
- ファミリーマート アールグレイティ(ファミリーマート)
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間日:2023年09月13日(水)~09月14日(木)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,105サンプル
サンプル構成(%)
参照コンテンツ
おすすめ新着記事
消費者調査データ レトルトカレー(2024年11月版) 首位「咖喱屋カレー」、3ヶ月内購入はダブルスコア
調査結果を見ると、「咖喱屋カレー」が、再購入意向を除く5項目で首位を獲得した。店頭接触、購入経験で2位に10ポイント以上の差をつけ、3ヶ月内購入では2位の「ボンカレーゴールド」のほぼ2倍の購入率となった。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 伸長するパン市場 背景にある簡便化志向や節約志向
どんな人がパンを食べているのか調べてみた。主食として1年内に食べた頻度をみると、食事パンは週5回以上食べた人が2割で、特に女性50・60代は3割前後と高かった。パン類全体でみると、朝食で食事パンを食べた人は女性を中心に高く、特に女性50代は6割以上であった。
成長市場を探せ コロナ禍の落ち込みから再成長する惣菜食市場
コロナ禍で打撃を受けた市場のひとつに惣菜市場がある。特に外出自粛の影響を受けた百貨店の惣菜などが落ち込んだ。しかし、翌21年には早くも持ち直し、22年、23年と2年連続で過去最高を更新した。