2022年のシャンプー市場は国内の出販売数量が前年比100.9%、出荷金額が同100.2%となった(経済産業省「生産動態統計調査」)。
今回は、当社が任意に選んだシャンプー24ブランドについて、「知っている(認知率)」、最近3ヶ月以内に「店頭などで見たことがある(店頭接触)」、「買って使ったことがある(経験率)」、「3ヶ月以内に買って使った(3ヶ月以内購入)」、さらに「今後(も)買って使いたい(今後意向)」と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」という6項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回の調査では、前回(2022年10月版)同様、「パンテーン(P&G)」が複数の項目で首位を獲得した。「パンテーン」が首位を獲得したのは、店頭接触、購入経験、3ヶ月内購入、今後の購入意向の4項目だが、いずれも2位との差は僅かで、3ヶ月内購入では1.2ポイント差、、今後の購入意向ではその差は1ポイント未満とほぼ横並びだ。
競っているのは「ラックス(ユニリーバ)」だ。「ラックス」は、店頭接触や購入経験では3位だが、3ヶ月内購入と今後の購入意向では2位と、「パンテーン」を猛追している。外資系2ブランドを追うのは花王の「メリット」だ。認知は首位、店頭接触と購入経験では2位とロングセラーらしい位置取りといえる。
しかし、再購入意向では顔ぶれは大きく変わる。「パンテーン」は11位、「ラックス」は7位、「メリット」は18位にとどまり、代わりに「ダイアン(ネイチャーラボ)」(3位)、「ボタニスト(I-ne)」(同率「3位)、「& ハニー モイストシャンプー(ヴィークレア)」(6位)などの国内専業メーカーのブランドがランクインしている。これらは、保水、植物由来、はちみつ原料などをブランド名として分かりやすく打ち出し、若い女性を中心に支持を得ている。
シャンプー市場は多機能化、高付加価値化の動きを強めてきた。ノンシリコン、植物性、オイルなどさまざまなトレンドでヒット商品を生み出してきたシャンプー市場だが、ここ最近、新たなキーワードの商品が発売され、注目を集め始めている。それは「夜間美容」だ。再購入意向で上位にランクインした「ダイアン」や「& ハニー」ではラインエクステンションで、「ボタニスト」を発売するI-neでは別ブランドで夜間の補修、保水などを訴求するアイテムが発売されている。コロナによるインバウンド需要の消失などによる落ち込みから、ゆっくりと回復しているシャンプー市場が、新たなトレンドでさらなる成長軌道に乗れるのかが注目される。
- 注目ランキング
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- 3ヶ月内購入
- パンテーン(P&G) 9.9%
- ラックス(ユニリーバ) 8.7%
- メリット(花王) 7.5%
- 再購入意向
- ハーバルエッセンス(P&G) 69.6%
- キュレル(花王) 64.3%
- モイストダイアン(ネイチャーラボ) 60.0%
- ボタニスト(I-ne) 60.0%
- 3ヶ月内購入
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ調査概要
提示24ブランド
- h&s (P&G)
- ハーバルエッセンス(P&G)
- パンテーン(P&G)
- ダヴ(ユニリーバ)
- モッズヘア(ユニリーバ)
- ティモテ(ユニリーバ)
- ラックス(ユニリーバ)
- アジエンス(花王)
- エッセンシャルダメージケア(花王)
- セグレタ(花王)
- メリット(花王)
- サクセス薬用シャンプー(花王)
- キュレル(花王)
- TSUBAKI (ファイントゥデイ)
- シーブリーズ(ファイントゥデイ)
- サラ(カネボウ化粧品)
- いち髪(クラシエ)
- 海のうるおい藻(クラシエ)
- サンスタートニックシャンプー(サンスター)
- スカルプD (アンファー)
- モイストダイアン(ストーリアネイチャーラボ)
- ボタニスト(I-ne)
- レヴール(ジャパンゲートウェイ)
- & ハニー モイストシャンプー(ヴィークレア)
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間日:2023年10月23日(水)~10月25日(金)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,046サンプル
サンプル構成(%)
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調査結果を見ると、「ラックス(ユニリーバ)」と「パンテーン(P&G)」が複数の項目で僅差で首位を競り合う結果となった。コロナ禍以降のセルフケアに対する意識の高まりもあって、シャンプー市場では多様化、高付加価値化が進んでいる。ボタニカルやオーガニック、ハニーやアミノ酸などをキーワードに多様なブランドが競うシャンプー市場の今後が注目される。