消費者調査 No.183 コーヒーチェーン(2013年9月版) | ||
強者スターバックスと老舗ドトールを追うコメダ珈琲店 | ||
詳細データ(単純集計表・クロス集計表)(ZIP形式・会員サービス) |
国内のコーヒーチェーンは、1980年に「ドトールコーヒー(以下ドトール)」が東京・原宿にセルフ式の1号店を出店したのを皮切りに、1990年代には、「スターバックスコーヒー(以下スターバックス)」(1996年出店)、「タリーズコーヒー(以下タリーズ)」(1997年出店)、「セガフレードザネッティ」(1998年出店)、「シアトルズベストコーヒー」(1999年出店)など外資系のセルフチェーン上陸が相次ぎ、ブームを巻き起こしましたが、最近では再びフルサービス型の喫茶店が注目されています。 今回は、当社が任意に選んだコーヒーチェーン21チェーンについて、「知っている(認知率)」「自宅や会社・学校の近くにある(近隣立地)」「利用したことがある(利用経験)」「今後(も)利用したい(利用意向)」などの項目についてインターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けします。 今回のランキングでは、前回(2012年2月版)と同様、全ての項目で「スターバックス」が首位、それを「ドトール」が追う展開となった。また、前回は「タリーズ」と「サンマルクカフェ」が3位グループを形成していたが、今回はそこに「コメダ珈琲店」が加わり、上位2チェーンに迫る勢いをみせている。 「スターバックス」は、認知、3ヶ月内利用、今後の利用意向などの項目で、2位の「ドトール」に10ポイントの差をつけた。これらの項目では、前回よりも2位以下との差は広がっており、ブランド力はさらに強化されたといえるだろう。 しかし、ユーザーの満足度の指標である利用者ベースの今後の利用意向(再利用意向)では、「スターバックス」67.5%に対し、「ドトール」64.4%、「コメダ珈琲店」61.3%と、上位3チェーンが60%を超えており、「スターバックス」以外の上位チェーンにも厚い固定ファン層が存在していることがうかがえる。 今回、再利用意向で3位の「コメダ珈琲店」は、愛知県を中心に497店舗(2013年5月末現在)を展開するフルサービス型喫茶チェーンだ。郊外のロードサイドなどへの積極出店で、今年度中に「タリーズ」の店舗数を抜いて業界3位に躍り出る見通しである。居心地の良さと、フードメニューの充実を武器に団塊の世代のリタイヤメントや専業主婦などを取り込み、2012年には日本版顧客満足度指数のカフェ部門第1位を獲得している。 既存のコーヒーチェーンも、「ルノアール」を展開する銀座ルノアールが「ミヤマ珈琲店」を、「ドトール」の関連企業が「星乃屋珈琲店」を展開するなど、フルサービス型業態に積極的に進出している。 フルサービス型の喫茶チェーンが、コンビニエンスストア(参照:戦略ケース コンビニコーヒーはCVS競争の新ステージの幕開け)やファーストフードのコーヒーとの競争など、厳しさを増すカフェ業界(参照:戦略ケース 勝者なきセルフ式コーヒーチェーン店の競争)の成長の牽引車となれるかが注目される。
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