2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大による飲食店の休業や時短などで、外食全体の売上高は2桁のマイナスとなった。そんななかで、ファーストフード業態は前年比96.3%と減少幅は小さく、特に洋風のファーストフードは105.5%と拡大している(一般社団法人 日本フードサービス協会)。
今回は、当社が任意に選んだファーストフード29チェーンについて、「知っている(認知率)」「自宅や会社・学校の近くにある(近隣立地)」「利用したことがある(利用経験)」「昨年に比べ利用が増えた(利用増加)」「最近3ヶ月内に利用した(3ヶ月以内利用)」「今後(も)利用したい(利用意向)」と「利用経験者における今後の利用意向(再購入意向)」という7項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回の調査でも、前回(2020年4月版)と同様、「マクドナルド」が全項目1位となった。「マクドナルド」は、利用経験が87.3%、3ヶ月以内利用が42.0%、今後の利用意向が58.9%で、2位以下には15~20ポイント程度の大差をつけての独走だ。さらに、昨年に比べて利用が増えたという人は13.1%、再購入意向も67.3%と高い。幅広くユーザーを獲得しているだけでなく、一度獲得したユーザーを手放さないという盤石の強さである。
マクドナルドを追うのは、「ケンタッキーフライドチキン」だ。しかし、近隣立地で「マクドナルド(61.5%)」に21.1ポイントの差をつけられ、3ヶ月以内利用でも22.0ポイント差となっている。さらに「モスバーガー」や「丸亀製麺」にも追い上げられている。
また、再利用意向について前回と比較すると、一時脚光を浴びたファーストカジュアル系のチェーンで、順位を落としているものが目立つ。「クア・アイナ」は前回65.6%の3位だったが、今回は47.6%で16位。「タコベル」は同じく56.3%の5位から50.0%の12位へ。「シェイクシャック」も14位から18位へと順位を落としている。これらのチェーンは繁華街などの立地が多く、外出自粛の影響を受けやすかったとも考えられる。
コロナ禍で、外食産業は観光業と並んで大きな打撃を受けた業種だ。しかし、テイクアウトやデリバリーなど、"新常態"下の需要を獲得した一部ファーストフードチェーンは好調だ。マクドナルドの2020年12月期は創業以来の最高売上高を記録。「バーガーキング」はテイクアウト限定のキャンペーンを行ったり、「丸亀製麺」も一部メニューに限られていたテイクアウトを、うどんにも対応した。在宅時間の増加や簡便志向を追い風にしたファーストフード業界の今後が注目される。
- 注目ランキング
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- 3ヶ月以内購入
- マクドナルド 42.0%
- ケンタッキーフライドチキン 20.0%
- ミスタードーナツ 18.3%
- 今後の意向
- マクドナルド 58.9%
- ケンタッキーフライドチキン 43.4%
- モスバーガー 42.1%
- 3ヶ月以内購入
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ調査概要
提示29チェーン
- マクドナルド
- モスバーガー
- ケンタッキーフライドチキン
- ロッテリア
- ベッカーズ
- フレッシュネスバーガー
- ファーストキッチン
- バーガーキング
- クア・アイナ
- シェイクシャック
- カールスジュニア
- UMAMIバーガー
- サブウェイ
- カレーハウスCoCo壱番屋
- すき家
- 吉野家
- 松屋
- くら寿司
- スシロー
- はま寿司
- なか卯
- てんや
- 名代富士そば
- はなまるうどん
- 丸亀製麺
- ゆで太郎
- タコベル
- 築地銀だこ
- ミスタードーナツ
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2021年3月5日(金)~3月10日(水)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,030サンプル
サンプル構成(%)
参照コンテンツ
- アフターコロナの営業戦略 激変市場に対応した小商圏型営業活動のすすめ(2021年)
- 消費反発の現場を探る 帝国ホテルのブッフェから(2021年)
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 働き方の多様化が後押しするデリバリーサービス利用(2021年)
- 戦略ケース ロカボブームでも「超特盛」で復活の吉野家
「牛肉・牛丼」を基軸としたメニュー展開で短期での業績回復に成功(2019年) - 戦略ケース シェイクシャックは日本で第二のスタバになれるのか(2016年)
- 戦略ケース 2016年ハンバーガー戦争(2016年)
- 企画に使えるデータ・事実 ファーストフード売上高
- マーケティング用語集 顧客満足(CS)
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