携帯電話(2008年版) | ||
ドコモの新シリーズ人気は本物か? | ||
詳細データ(単純集計表・クロス集計表)(LZH形式・有料会員サービス) |
2008年7月のiPhone 3G(以下iPhone)発売から約半年、この間ソフトバンクは純増数で携帯電話首位を保ち、同じく2位は3ヶ月連続でイー・モバイルが獲得、ナンバーポータビリティ(MNP)開始直後は「ひとり勝ち」といわれたauは低迷した。携帯電話の勢力地図は着実に変化しつつある。そのなかで、最大手のNTTドコモ(以下ドコモ)は2008年11月に端末シリーズのラインを大幅変更、2008年12月はMNP開始以来、初めて転出者数よりも転入者数の方が多い「転入超過」を記録した。 今回は、2008年12月段階で発売中の携帯電話を中心に、32機種・シリーズについて、当社のインターネットモニターに行った調査結果をランキング形式でお届けします。 前回のランキング(2007年度版「苦しむ巨人、ドコモの反撃はあるか?」)では、契約者数トップのドコモのハイエンド機種、FOMA90Xシリーズが「知っている(認知)」や「今後(も)利用したい(利用意向)」などの項目では首位を獲得していたが、話題性やインパクトの点では弱さをみせていた。 今回のランキングでは、ソフトバンクのiPhoneが4項目で首位を勝ちとった。ソフトバンクのiPhoneは、「現在持っている」では6位とドコモの機種の後塵を拝しているものの、「知っている(認知)」「三ヶ月以内に話題にした」「今後(も)利用したい(利用意向)」「三ヶ月以内に話題にした人ベースの今後の利用意向」の4項目で首位となった。特に「三ヶ月以内に話題にした」では、2位のdocomo PRIME シリーズに2倍以上の差をつけており、話題性の高さがうかがえる。iPhone以外のソフトバンクの機種でベスト10上位に食い込んでくるものはなく、ソフトバンクというキャリアのなかで、iPhoneの人気は突出している。 一方、ライン構成を大幅に変更したドコモだが、調査時点がリリースから1ヶ月弱だったこともあり、新シリーズの認知は、旧シリーズよりも低い。しかし、「話題にした」でみると、新シリーズは4ラインともベスト10に入っており、ハイエンドにあたるPRIMEシリーズは2位、デザイン性を訴求したSTYLEシリーズが3位と健闘、さらに、「三ヶ月以内に話題にした人ベースの今後の利用意向」では、ベスト10のうちドコモが8シリーズランクイン、新ラインの4シリーズも全てベスト10に入っている。前回は、この項目のベスト10のうち、ドコモは4シリーズにすぎず、ドコモのライン構成の変更は現時点では一定の成果をあげているといえるだろう。 携帯電話端末の市場は、料金プラン体系の変更による買い換えサイクルの長期化や景気の悪化などにより、5ヶ月連続で前年割れ(2009年1月現在)となるなど、不透明感を強めている。シュリンクする市場には、好調を続けるソフトバンクモバイルや、データ通信やスマートフォンを強みに伸びてきたイー・モバイルなどが、シェアを奪おうと攻勢をかけており、ドコモの巻き返しは容易ではない。 ドコモの新シリーズの真の実力はこれから試されるといえるだろう。
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