2016年の電子マネーの決済金額は、前年比10.8ポイント増の5兆1,436億円と、初めて5兆円の大台を突破した(日本銀行発表)。
今回は、当社が任意に選んだ電子マネー、プリペイドカード35ブランドについて、「知っている(認知率)」、「利用したことがある(利用経験率)」、最近3ヶ月以内における「広告・記事(を見たことがある)」「店頭など(で見たことがある)での接触状況(3ヶ月内店頭接触)」、半年以内に利用した(半年内利用)」、さらに「今後(も)利用したいと思う」(今後利用意向)と「利用経験者における今後の利用意向(再利用意向)」という7項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けします。
今回の調査結果では、認知でJR東日本の発行する「Suica(スイカ)」が、利用経験で2位の「QUOカード(クオカード)」を10ポイント以上引き離しての首位となったものの、その他の項目では、「Suica」や「QUOカード」に、イオンの「WAON(ワオン)」、セブン&アイの「nanaco(ナナコ)」などの流通系電子マネーが加わり、激しい接戦となった。なかでも、半年以内利用の項目では、首位の「QIOカード」が25.0%で、2位の「WAON」、3位の「nanaco」、4位の「Suica」までが3ポイント以内にひしめいている。
また、今後の利用意向をみると、首位は「Suica」の29.2%、「QUOカード」「WAON」「nanaco」の上位4ブランドに続いて「Amazonギフトカード」、「PASMO」と6ブランドが10%を超えており、交通系、流通系で上位を分け合っている。しかし利用者ベースでの今後の利用意向をみると、首位は近畿・東海地方を中心とする交通系カードの「PiTaPa(ピタパ)」、2位が「Suica」、3位が「WAON」、4位には名古屋を中心とする交通系の「manaca(マナカ)」で、ここまでの4ブランドは再利用意向が80%以上と、きわめて高い。交通系カードは利用地域が限られるため、全国でみれば利用意向はさほど高くないが、利用者のロイヤリティは高いといえる。
2016年末時点での電子マネー発行枚数は3億2,862万枚で、決算回数は前年比で11ポイント増加して51億9,200万件と、初めて50億件を超えた。1人が約2.5枚の電子マネーを持ち、年間40回程度の決済を行っていることになる(日本銀行 決済のカウントに、交通系電子マネーでの乗車券購入や乗車決済は含まない)。電子マネー市場は電子マネーが使える店舗の増加や、iPhoneを使ったアップルペイの開始を背景にさらなる伸びが予想されている。流通や外食では、顧客の囲い込みの狙いもあり、自社専用の電子マネーを発行する企業も増えており、少額決済を中心に今後も伸びが期待される。上位のカードに集約されていくのか、それとも多種の電子マネーやカードが増え続けるのか。今後のゆくえが注目される。
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【提示35ブランド】
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- 【調査設計】
- 調査手法:インターネットリサーチ
- 調査期間:2017年1月13日~17日
- 調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
- 有効回収サンプル数:1,045サンプル
サンプル構成(%)
- 調査期間:2017年1月13日~17日