2002年を風靡したもの | ||
-北朝鮮拉致問題、ノーベル賞・田中さん、大きな古時計、カメラ付き携帯電話 | ||
依然として出口が見えない長期不況や暗い話題など、停滞・低迷感が充満していたように思う2002年。そんな2002年に世間にインパクトを残した「トピックス」「有名人」「歌」「商品」について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けします。 なお、当ランキングは2002年12月に当社のインターネットモニターを対象に実施したインターネット調査における自由記述の回答をテキストマイニングソフトによってキーワード分析した結果です。 |
印象に残ったトピックス印象に残ったイベントや事件では、9月の小泉首相の突然の訪朝から急展開を見せた「北朝鮮拉致問題」が40%でトップであった。続いて上半期、特に6月の1ヶ月間、日本列島を異様な程熱く盛り上げた日韓共催の「サッカー・ワールドカップ」が2位で28%。また北朝鮮拉致問題の緊張感が高まる一方で、ほぼ同時期に明るい話題を提供した「ノーベル賞・日本人2名受賞」が3位、4位には8月に突如多摩川に出現したアゴヒゲアザラシの「タマちゃん」がランクインした。2位のワールドカップを含めた4位までは、不況や暗い事件による先行きへの不安や脅威を一時でも忘れさせてくれる「熱狂と興奮」と「癒し」が占める結果となった。 北朝鮮拉致問題、アメリカのイラク攻撃、長期不況など2003年に入っても暗い話題が報じられている中、1年後は明るい話題が上位を占めていて欲しいものである。 印象に残った有名人2002年のMVPとも言えるこの項目でダントツの1位となったのは、ノーベル化学賞を受賞した「田中耕一さん」。4割近い支持を集めた田中さんは、同時にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊氏が東京大名誉教授という「いかにも」な経歴に対し、「島津製作所の主任、43才」という身近なサラリーマンが世界的権威であるノーベル賞を受賞したというギャップ、そして「計算されていない癒し」を感じさせる素朴なキャラクターがワイドショーの格好のネタとなった。これは「人」ではないが、4位の「タマちゃん」についても言える。2、3位はスポーツ界において上半期(ベッカム)と下半期(松井)の話題を独占した両雄が入った。下半期にインパクトを残した人物が上位を占める中、優勝国の選手でもなければ、MVPでもないベッカムが2位というのは、何とも微妙なところである。是非次のW杯では日本代表選手がランクインして欲しいものである。 印象に残った歌「歌は世につれ、世は歌につれ」という名文句があるように、歌と世相は鏡合わせと言われているが、2002年は世間の停滞感を反映するように「ヒット曲不作」の1年であったと言えよう。それを反映し、「思い浮かばない」、「特になし」や無回答が多く回答率は65%と今回の4項目の中で最も低かった。1位は平井堅の「大きな古時計」で、3割の支持を集めたが、オリコン社発表の年間セールスでは7位に留まっている。ミリオンセラーと呼ばれる100万枚を超えたシングルは浜崎あゆみの「H(independent、July 1st、HANABI)」のみであるが、この「H」も3曲A面で、それぞれがテレビ番組やCMの大型タイアップであるため厳密には「ヒット曲」とは言えない。 「第53回NHK紅白歌合戦」は、第1部(9時25分まで)は37.1%、第2部(9時30分から)は47.3%だった。審査員での起用を狙った田中さんには辞退され、裏番組ではボブ・サップが登場した「イノキ・ボンバイエ」(TBS系)に民放歴代2位の視聴率を記録された。強力なヒット曲を持たない紅白が3年連続の50%割れで、1989年に次ぐ史上ワースト2位の低視聴率に沈んだのは至極当然のことといえる。 話題になった商品誰もが知っているヒット商品が少なくなった昨今であるが、その中でカメラ付き携帯電話が23%でトップであった。Jフォンの「写メール」が火を付けたこのカメラ付き携帯電話は、当初は次世代携帯電話での動画サービスを目論んでいたNTTドコモの戦略転換を促すなど、市場飽和の携帯電話市場に大きなインパクトを及ぼした。2位のバウリンガルは、14,800円という手軽な価格で「愛犬の気持ちがわかる」という画期的なコンセプトによって、ペットに癒しを求める多くの人々に受容され、話題を呼んだ。 3位には2002年の急速なブロードバンド化に貢献したADSLが入り、4位DVD、5位プラズマテレビ、9位にデジタルカメラと情報家電関連の商品とサービスがランクインした。トップのカメラ付き携帯電話を含め、今後のブロードバント・デジタル社会への転換点を思わせるような結果となった。 |
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