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2008年、印象に残ったもの | ||
-「北京五輪と景気後退」「エドはるみ・オバマ」「崖の上のポニョ」「Nintendo Wii」...... 2008年はどんな年だったのか? | ||
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はじめに全体的な傾向をみると、2008年は景気後退が色濃くなった下期における「政治・経済」に関連するものが上位を占めることとなりました。特に「日米トップの交代劇」が強いインパクトとして残っているようですが、2009年1月に新大統領に就任するバラク・オバマ氏に対し、支持率ジリ貧で風前の灯の麻生太郎首相と対照的です。2009年は日米の政局における「Change」が注目されそうです。 当社では、2008年に人々にインパクトを残した「トピックス」「有名人」「歌」「商品」について、インターネットモニターを対象にインターネット調査を実施しました。回答方式は自由記述で、各項目それぞれについて、最も印象に残ったものひとつを挙げてもらい、回答を集計した結果をランキング形式にまとめました。 印象に残ったトピックストップは「北京オリンピック」だが、僅差で「金融危機・景気交代」が続いた。2007年の同ランキングで6位にあげられたサブプライムローン問題に端を発する米国の景気後退は世界的な金融危機を誘発し、景気後退へと導いた。これに追い打ちをかけるように3位の秋葉原無差別殺人事件(8月)、7位の元厚生労働省次官殺人事件(11月)は、不安定で不確実な世相を象徴するものといえる。4、5位には日米のトップ交代劇があがった。約5年半の長期に渡った小泉政権(2001年4月-06年9月)から一転、安倍政権(06年9月-07年9月)、福田政権(07年9月-08年9月)はともに1年という短命に終わった。麻生新総理もリーダーシップを発揮できないどころか自ら失点を重ねるなど短命に終わりそうな気配で、このままだと自由民主党の政権担当能力が問われることとなりそうである。一方、米国では初のアフリカ系の大統領として、バラク・オバマ氏が選挙戦を制した。「Change」を掲げる40代の若き大統領による世界最大国家の舵取りは、世界の行方に大きな影響をもたらすもので、その手腕が注目される。 印象に残った有名人トップはお笑い芸人の「エド・はるみ」。07年「小島よしお」、05年「レーザーラモンHG」など同ランキングではその年ブレークしたお笑い芸人がトップにあげられるが、『24時間テレビ 』ではチャリティーマラソンランナーを務め、また連続ドラマに出演するなど、年初からのブレークを1年間維持したという点で前2者とは異なる。今回のランキングの大きな特徴は、上位5人までに3人の政治家(2位・オバマ次期米国大統領、3位・麻生太郎現総理、5位・福田康夫前総理)が名を連ねたことである。しかし、世の評価は期待感に溢れるオバマ氏に対し、麻生・福田氏は失望と対照的なものとなっている。 五輪イヤーでは、金メダル獲得など活躍した選手が上位に入るが、今回は水泳平泳ぎで2冠を達成した「北島康介」選手が4位に、その熱投によって国民を感動させた女子ソフトボールの「上野由岐子」投手が7位となった。また6位にはゴルフの「石川遼」選手が入った。07年の同ランキングでも6位に入った石川選手だが、流行語大賞にも選ばれたニックネーム「ハニカミ王子」という記入も多かった。しかし11月にはプロ転向後ツアー初優勝を飾り、獲得賞金も1億円を超えて賞金ランキングでもトップ10に入るなど、"本物"であることを自ら証明した。 印象に残った歌トップは「崖の上のポニョ」。夏に公開されたスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画の主題歌である。フォークバンドの藤岡藤巻と9歳の大橋のぞみが歌うこの曲は久石譲作曲の単純なメロディーと大橋のぞみの歌声が子供だけでなく、大人の耳にも残るものとして、オリコンチャートでは最高3位だがロングヒットとなった。また年末のNHK紅白歌合戦への出場も決まり、大橋のぞみは史上最年少記録というおまけもついた。2位は羞恥心が歌う「羞恥心」。フジテレビ系列のクイズ番組『クイズ!ヘキサゴン』の司会である島田紳助(=プロデューサー名:カシアス島田)の機転から生まれた「おバカタレント」3人(つるの剛士:羞、野久保直樹:恥、上地雄輔:心)による企画ユニットだが、現在では番組の枠を超えた人気ユニットとなっている。 3位は、米国ペンシルバニア州ピッツバーグ出身の「史上初の黒人演歌歌手」として話題となったジェロのデビューシングル「海雪」である。演歌としては異例のヒットを達成したジェロは缶コーヒーのCMに出演するなど露出も多く、有名人ランキングでも10位に入っている。 4位は、青山テルマ feat.SoulJaの「そばにいるね」。これは07年9月に発売されてロングヒットとなった「ここにいるよ feat.青山テルマ」(本ランキング10位)へのアンサーソングである。上位4曲は年末のNHK紅白歌合戦でも歌われることが予想され、年をまたいだロングヒットになる可能性がある。 話題になった商品トップは07年に続き「Wii(と関連商品)」がトップとなった。前年は有効回答者ベースで3割とダントツのトップであったことを踏まえると、勢いこそなくなったが、「Wii Fit」に代表される「ゲーム」単機能にとどまらない展開がユーザー層の拡大に寄与したと推測される。2位は僅差で「iPhone」。飽和状態にある携帯電話の販売が低迷する中で、発売時の行列が話題となるなど、市場の活性化に寄与した。また9位に「iPod(touch、nano含む)」が入るなど、アップル社の商品力の強さを見せつけた。4~6位には情報家電機器が並んだ。「5万円ノートPC」は、パソコン需要が低迷する中で低価格シフトが刺激となった。ブルーレイはこれからの成長が期待される商品だが、北京五輪という大きな需要期が一息ついた薄型テレビと共に、今後の苦戦が予想される。 また日経トレンディなどのヒット商品番付でも上位にあげられている「PB商品」も10位となった。PBはバブル崩壊後の1993~95年でもヒット商品となったこともあり、"不況期"と強く結びつけられる。しかし食への信頼性が失われている現在、「品質」への要求も厳しくなっていることから、当時のような「低価格」偏向とは異なる展開が予想される。 日米の政局や世界的な株価急落に端を発する金融危機もあって「政治・経済」への関心の高さが確認された今回のランキングである。その背景にあるのは、生活の揺らぎと不安であると考えられる。今年の漢字は「変」であった。政治や経済の停滞感が日常の生活や家計に影を落とし始めている。こうした環境下において、米国では「オバマ」という救世主候補が現れたが、日本では解散総選挙など混迷が続きそうである。 | ||||
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