ヒット商品で時代が見えてくる!J-marketing的、過去の年間ランキング
2017年はどんな1年だったのか。「トピックス」「人物」「歌」「商品」の四つの切り口から、J-marketing.net的に整理する。なお、回答はすべて「自由記述(各問1回答ずつ)」である。
印象に残った出来事
1位は「座間9遺体事件」である。SNSを利用して自殺願望を持つ若い男女を殺害した残忍な手口や、調査日時が容疑者逮捕から半月程度と近いことなどから、有効回答数の20.7%が「もっとも印象に残ったできごと」としてこの事件を挙げた。
2位から5位までは、政治・国際関連の話題が並んだ。2位は10月の「衆議院総選挙」、3位は「北朝鮮のミサイル問題」で、「大統領就任/来日」「森友・加計問題」と続く。さらに、6位の「安室奈美恵引退表明」をはさんで、7位「希望の党設立・小池知事誕生」、8位の「豊田真由子元議員の暴言問題」と、今度は政治家に関する話題が続いた。ベスト10のうち7点までが政治にかかわる話題で占められたのが特徴だ。
印象に残った人物
1位は、「キャリアウーマン」ネタで一気にブレイクを果たした「ブルゾンちえみ」で、有効回答の18.8%を獲得、ネタを演じる時にかかる「ダーティ・ワーク」は、印象に残った歌で4位となった。お笑い芸人が1位となったのは、2012年の「スギちゃん」以来である。
2位は「小池百合子都知事」、3位は「ドナルド・トランプ大統領」で、このふたりは、2016年もそれぞれ3位と1位を獲得している。小池都知事については、2016年は圧勝の都知事選、今年は希望の党設立と、2年続けて「話題の人」となった。4位は引退を表明した「安室奈美恵」、5位には「このハゲーー!」の録音音声の強烈なインパクトの「豊田真由子元議員」が入った。ベスト10のうち5人、しかも1位と2位を女性が占め、良くも悪くもインパクトのある女性が話題となった1年といえる。
印象に残った歌
1位は、ドラマ「逃げる恥だが役に立つ」のエンディングテーマ「恋(星野源)」、2位は大旋風を巻き起こした「Pen-Pineapple-Apple-Pen(PPAP)(ピコ太郎)」がランクインしたが、5位の「前前前世(映画「君の名は。」主題歌)」とともにブレイクしたのは2016年である。
7位の「ダンシング・ヒーロー(荻野目洋子)」は1986年のヒット曲だが、今年の「日本高校ダンス部選手権」で準優勝した大阪・登美丘高校の「バブリーダンス」の音楽に使われ、その動画が、YouTubeなどで大ブレイクしたことから、ランクインした。
今年の「歌」については、有効回答も3割を切っており、1位の「恋」を挙げた人も辛うじて10%強。大型のヒット曲には恵まれなかった年だったといえるかもしれない。
ヒット商品
1位は、任天堂のハイブリッドゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドー スイッチ)(任天堂)」である。発売は3月だが、年末に至っても品薄感の続くヒット商品となった。
2位は、今年10月の「消費者調査(携帯電話)」でも1位を独占した「iPhone(アップル)」シリーズである。9月に発売された「iPhone8」の出足は鈍いといわれていたが、11月発売の「iPhone X」は好調が伝えられている。
3位以下は「ハンドスピナー」「AI関連商品」「うんこ漢字ドリル」「明治ザ・チョコレート」と続き、7位には今年の新語大賞にも選ばれた「インスタグラム(インスタ映え)」が入った。しかし、同様に有効回答率は半数以下で首位の「Nintendo Switch」で14.0%、2位以下は10%を切るなど、「歌」と同様に、「今年」を代表するヒット商品不在の結果となった。
2017年は、大型イベントも少なく、昨年の「PPAP」や「ポケモンGO」のような大型ヒットには恵まれなかったが、「インスタグラム(ヒット商品7位)」などのSNSを起点としたヒット商品やヒット曲がランクインしてきている。2018年はFIFAワールドカップロシア大会や平昌オリンピックの開催や、ソニーの犬型ロボット「aibo」の発売などが控えている。どのようなトレンド、ヒット商品が生まれるのか、注目される。
調査期間:2017年11月16日~21日
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:990サンプル
サンプル構成(%)