ヒット商品で時代が見えてくる!印象に残ったものランキング バックナンバー
2019年はどんな1年だったのか。「トピックス」「人物」「歌」「商品」「流行語」の切り口から、J-marketing的に整理する。なお、回答はすべて「自由記述(各問1回答ずつ)」である。
印象に残った出来事
1位は「令和への改元/天皇陛下即位」である。元号は時代の区切りとしての側面も大きい上に、10月22日に即位礼正殿の儀、11月10日に即位パレード、祝賀御列の儀と話題となる行事が続いたことなどから、有効回答者の3割を超える人が「もっとも印象に残った」と答えた。
2位は「ラグビーワールドカップ」である。9月20日から11月2日にかけて開催されたワールドカップでは、日本代表が史上初のベスト8に進出、ラグビーブームを巻き起こした。「ラグビーワールドカップ」を1位に挙げた人は20.0%で、そのインパクトの強さがうかがえる。
印象に残った人物
1位は、「天皇陛下/皇后陛下(両陛下及び天皇陛下、皇后陛下の単独回答の合計)」である。5月のご即位以降、伝統の装束や礼装での報道も多く、新しい時代の象徴としてふさわしい結果といえる。
2位は人気グループ「嵐」である。メンバーの結婚などで話題となってのランクインだ。3位は「ラグビー日本代表」だ。個人名では「リーチマイケル」選手や「笑わない男」こと「稲垣啓太」選手の名前が挙がっている。
その他の10位までの内訳をみると、政治家は4位の「安倍晋三」のみ、スポーツ選手は7位の「渋野日向子」で、お笑いも6位の「りんごちゃん」のみだ。改元とラグビーワールドカップが、大きな存在感を放っている。
印象に残った歌
1位は有効回答の4割近くを得た米津玄師の「パプリカ」、2位、3位にも「馬と鹿」「Lemon」が入り、1位から3位までが米津玄師の楽曲となった。Youtubeでの視聴回数やダウンロード販売数などで次々と記録を更新し続けるトップアーティストが、このランキングでも上位を独占した。
4位にはラグビーワールドカップ日本代表応援ソング「兵、走る」(B'z)が、5位には嵐の奉祝曲「Ray of Water」が入り、ここでも改元とラグビーワールドカップへの注目度の高さが目立った。
ヒット商品
ヒット商品については、「タピオカ」が有効回答数の6割強という圧倒的な存在感を示して首位を獲得した。2019年の流行語大賞やヒット商品番付にもノミネートされ、空前の大ブームとなったタピオカ。人気に落ち着きは見られるものの、依然としてSNSなどで大量の投稿がみられる。
ラグビーワールドカップと改元関連の商品はそれぞれ4位と9位に入っているが、ことヒット商品に関しては「タピオカ」の独り勝ち状態だ。
流行語
流行語でも改元、ワールドカップ、タピオカ関連が上位を独占した。1位は、「新語・流行語大賞」も受賞したラグビー日本代表の結束を表した言葉、「ONE TEAM(ワンチーム)」で17.1%。「にわかラグビーファン」「ジャッカル」などのラグビー関連の流行語も11.0%で4位に入っている。2位が「令和」、3位が「タピオカ」「タピ活」などのタピオカドリンク関連だ。2019年の「新語・流行語大賞」にもノミネートされた「キャッシュレス」「上級国民」「闇営業」などがそれに続いている。
2019年は「平成」が終わり新たな時代「令和」の始まりの年として皇室にかつてないほどの注目が集まり、ラグビーワールドカップも地元開催に加えて日本代表の活躍などがあいまってブームを巻き起こした。2020年は一大イベント「東京オリンピック・パラリンピック」が予定されている。すでに歓迎イベントや代表選考、予選、関連商品などのニュースが取り上げられ、ブームが予想される。
調査期間:2019年11月15日~20日
調査対象者:当社インターネットモニター 15歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,023サンプル
サンプル構成(%)
参照コンテンツ
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第114号
ブーム終焉近い?タピオカドリンク、今後の飲用意向伸びず - 企画に使えるデータ・事実 成長市場を探せ タピオカ(2020年版)
- JMRからの提案 キャッシュレス競争の勝者は?―プラットフォーム視点で分析
おすすめ新着記事
消費者調査データ サブスクリプションサービス 広く利用される「プライムビデオ」、音楽サブスクには固定ファンも
調査結果を見ると、「Amazon プライムビデオ」が全項目で首位となった。「プライムビデオ」は認知率で認知率は8割強、利用経験では唯一4割強、今後の利用意向でも3割を超えている。
成長市場を探せ コロナ禍の壊滅的状況からV字回復、売上過去最高のテーマパーク
コロナ下では長期休業や入場制限などを強いられ、壊滅的ともいえる打撃を被ったテーマパーク市場、しかし、コロナが5類移行となった2023年には、売上高は8,000億円の大台を突破、過去最高を記録した。
消費者調査データ シャンプー(2024年11月版) 「ラックス」と「パンテーン」、激しい首位争い
調査結果を見ると、「ラックス(ユニリーバ)」と「パンテーン(P&G)」が複数の項目で僅差で首位を競り合う結果となった。コロナ禍以降のセルフケアに対する意識の高まりもあって、シャンプー市場では多様化、高付加価値化が進んでいる。ボタニカルやオーガニック、ハニーやアミノ酸などをキーワードに多様なブランドが競うシャンプー市場の今後が注目される。