
2021年はどんな1年だったのか。「トピックス」「人物」「歌」「商品」、「流行語」の切り口から、J-marketing的に整理する。なお、回答はすべて「自由記述(各問1回答ずつ)」である。
印象に残った出来事
2021年、印象に残った出来事の首位は、昨年に引き続き「新型コロナウイルス感染拡大」だった。しかし、昨年は88.1%と圧倒的だったのに対し、今年は36.2%にとどまった。調査時点では国内の感染状況が落ち着いてきていたことや、良くも悪くも発生2年目での"コロナ慣れ"、2位の「東京オリンピック・パラリンピック」の開催や、3位の「小室眞子・圭夫妻の結婚」などがあり、関心が分散したと考えられる。
印象に残った人物
首位は25.8%で「大谷翔平選手」だ。投打に活躍する二刀流でMVPを受賞、コロナ下で暗い話題が多いなか、明るいニュースで人々を湧き立たせた。2位は24.0%の「小室眞子・圭夫妻」、3位以下は大きく落ちて5%の「菅元総理大臣」、「岸田総理大臣」、将棋の「藤井聡太」などが続いた。例年、印象に残った人物のランキングには、アメリカ大統領や外国人アスリートなどがランクインすることが多かったが、今年は日本人が上位を占めた。
印象に残った歌
首位はAdoの「うっせぇわ」で28.8%、2位は優里の「ドライフラワー」23.1%、3位はYOASOBIの「夜に駆ける」。すべて配信限定のシングルとしてリリースされた曲で、SNSや動画配信サイトで話題となったことがヒットのきっかけとなった。4位から6位はタイアップソングが入った。NHK TOKYO2020オフィシャルソングの「カイト(嵐)」、「鬼滅の刃」関連の「炎」「紅蓮華」(ともにLiSA)だ。
印象に残ったヒット商品
首位はイタリアのスイーツ「マリトッツォ」だ。2020年11月にカルディコーヒーファームで販売されたものがSNSで話題となり、コンビニ各社やパンメーカー、スーパーなども発売。シンプルな食材ながらフルーツを飾ることもでき、SNS映えすることもあって大きなブームとなった。2位は「マスク」。昨年の52.1%から18.9%に下がったものの、コロナ下の生活必需品として確固たる地位を築いた。
印象に残った流行語
昨年に引き続き、「新型コロナ関連」が首位だ。内訳は、三密やコロナ禍など感染拡大一色だった昨年とはやや異なり、「第〇波」や「デルタ株」など感染拡大に関するものが16.3%、「副反応」や「ワクチンパスポート」などを含む「ワクチン関連」が11.2%となっている。2位は「ショータイム」「二刀流」など「大谷翔平選手関連」、3位は「SDGs」となっている。
今年もコロナは大きな焦点ではあったものの、コロナとの共存やコロナ下での生活様式、在宅での楽しみに寄与するものが多くランクインしている。2022年には、北京冬期オリンピック・パラリンピックやFIFAワールドカップカタール大会といった大型のスポーツイベントも予定されている。変異株の発生などでコロナ禍は予断を許さないが、明るい話題が多いことを祈ろう。
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2021年10月22日(金)~10月27日(水)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,013サンプル
サンプル構成(%)


今年のヒット商品 バックナンバー
- 「コロナ禍」「マスク」「鬼滅の刃」――。2020年、印象に残ったもの
- 改元、ラグビー、タピオカ――。2019年、印象に残ったもの
- サッカーワールドカップ、安室奈美恵、そだね~――。2018年、印象に残ったもの
- ブルゾンちえみ、逃げ恥、ニンテンドー スイッチ――。2017年、印象に残ったもの
- 米大統領選、ピコ太郎、ポケモンGO――。2016年、印象に残ったもの
- IS、五郎丸、iPhone6――。2015年、印象に残ったもの
参照コンテンツ
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第138号
一歩進んだオーラルケア コロナで拡がる衛生行動 - 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第137号
成長続けるペット市場 コロナ前後でどう変わった? - MNEXT 2022年の消費の読み方-価値拡張マーケティング(2021年)
- MNEXT 凍結した消費マインドを溶解させるマーケティング―解除後の消費増加シナリオ(2021年)
- MNEXT 静かに激変する「当たり前の日常」と解凍消費(2021年)
- MNEXT 眼のつけどころ 市場脱皮期の富裕層開拓マーケティング―価格差別化戦略(2021年)
- オリジナルレポート コロナ下とコロナ後の消費の展望(2021年)
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