半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

公開日:2023年07月03日

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第155号
約3割が利用する「免疫力」商品 20~30代に広がる美容・健康飲料の可能性


本コンテンツは、食生活についての消費者への独自調査をもとに、その分析結果をまとめたオリジナルコンテンツです。有料会員の方は、調査結果の分析パートと、主要各紙から食生活のトレンドを整理した業界クリップの2部構成でお届けするレポート形式のPDFダウンロードがご利用いただけます。


【1】「免疫力向上・維持」商品を牽引する男性20代・40代

 近年、「プラズマ乳酸菌」や「L-92乳酸菌」などを使用した、「免疫力向上・維持」効果が期待できる様々な種類の商品が販売されるようになった。こうした商品が、誰にどの程度利用されているかを調査した。

 まず、免疫力への関心の程度をみていくと、44.4%が免疫力について関心があると答えた(図表1)。

 免疫力への関心の程度を属性別にみてみると、性別年代別と生活レベル別による影響が大きかった(図表3)。性別年代別では、女性40~60代が関心を持っている。また、男性の中では20代がもっとも関心を持っており、30代以上とは考え方が異なることがわかる。生活レベル別では、「下」から「中の上以上」まで、上がるにつれて関心度が高まっている。

 「免疫力向上・維持」商品にも様々なカテゴリーがあるが、認知率・利用経験率・1ヶ月内利用率がもっとも高かったのは、飲料、次いで固形ヨーグルトだった(図表2)。いずれかのカテゴリーの1ヶ月内利用率は全体で約3割で、特に高いのは男性20・40代だった(図表4)。また、生活レベル別では「中の上以上」が特に高い。

図表
高画質版の図表はレポートダウンロードをご利用ください


【2】1ヶ月内利用率でもっとも高いのは「R-1ドリンクタイプ」

 次に、31の具体的なブランドについての認知浸透状況をみると、いずれかを認知している人が全体の約7割、利用したことがある人が5割以上、1ヶ月内利用者が約3割だった(図表5)。

 カテゴリー別では、飲料が認知率・利用経験率・1ヶ月内利用率でもっとも高く、固形ヨーグルトがこれに次ぐ。

 飲料の中では、「ヤクルト1000」の認知率がもっとも高く、「iMUSE(イミューズ)ヨーグルトテイスト」「R-1ドリンクタイプ」などがこれに次ぐ。一方で、利用経験率・1ヶ月内利用率では、 「R-1ドリンクタイプ」がもっとも高い。

 固形ヨーグルトでは、「R-1ヨーグルト」の認知率・利用経験率・1ヶ月内利用率が高い。

 1ヶ月内利用者のうちで今後利用意向(歩留まり)をみると、 おしなべてどのブランドも高い。特に「R-1ドリンクタイプ」「R-1ヨーグルト」「ヤクルト1000」「iMUSE ヨーグルトテイスト」「おいしい免疫ケア」は、利用者が多いなかで8~9割と非常に高いことがわかる。

図表
高画質版の図表はレポートダウンロードをご利用ください


【3】「免疫力向上・維持」商品利用の背景にある健康意識・美容意識

 次に、もっともよく利用している商品の選択理由をみていく(図表6)。もっとも多かったのは「気軽に飲んだり食べたりできる」、次いで「免疫力アップが期待できそう」だった。

 1ヶ月内でもっともよく利用された商品の上位四つについて、それぞれが選ばれた理由をみると、「R-1ドリンクタイプ」では特に「気軽に飲んだり食べたりできる」「免疫力アップが期待できそう」「体によさそう」が高かった(図表7)。

 「免疫力向上・維持」商品を利用する背景の意識についてみていく(図表8)。ここでは、17の意識項目の中で特に関連性がある九つを示した。もっとも利用率と関連が高いのが、「トクホや機能表示食品の利用」であり、意識している人の6割以上が利用している。また、「美容関連食品の利用」「美容投資」「美容情報への感度」といった意識項目についても、これらを意識している人ほど1ヶ月内利用率が高い。健康意識・美容意識による差は、性別年代別による差や生活レベル別による差よりも大きく、意識の差が商品を利用するかを左右することがわかる。

図表
高画質版の図表はレポートダウンロードをご利用ください


【4】20~30代の健康意識・美容意識の高さ

 健康意識・美容意識について、性別年代別・生活レベル別で詳しくみていく(図表9)。

 生活レベル別では、「美容情報への感度」「生活リズムの乱れ」「美容関連食品の利用」「美容投資」「トクホや機能表示食品の利用」について、中の上以上がもっとも高い。

 また性別年代別では、女性20~30代と男性20代の若い層において、「美容情報への感度」「生活リズムの乱れ」「美容関連食品の利用」「美容投資」といった意識が高く持たれている。男性に限ってみてみると、20代は上記四つの意識のいずれも30代以上と大きな差があり、考え方が異なることがわかる。また、男性20代は「トクホや機能性表示食品の利用」でも際立って高い。女性においては、免疫力への関心が40~60代において特に高い一方、20~30代においては上記のような意識が高いことから、20代30代は注目すべき潜在需要層であるといえる。

 今回は「免疫力維持向上」を訴求した商品をとりあげたが、「免疫力」に限らず、20代30代の美容健康によいものを体に取り入れたいニーズは高く、彼らの悩みを深堀した食品飲料の拡大可能性は大きいと推察される。

図表
高画質版の図表はレポートダウンロードをご利用ください


レポートダウンロード

レポートのPDFダウンロードには有料の会員登録が必要です。


* オリジナル調査結果の分析 構成(全4頁)
  1. 「免疫力向上・維持」商品を牽引する男性20代・40代
  2. 1ヶ月内利用率でもっとも高いのは「R-1ドリンクタイプ」
  3. 「免疫力向上・維持」商品利用の背景にある健康意識・美容意識
  4. 20~30代女性における「免疫力向上・維持」商品の拡大可能性

* 業界クリップ 2023年5月(全6頁)
  1. 消費者の動き        【コロナ後の反動消費の鮮明化】
  2. 売れている食品・メニュー  【「サントリー生ビール」が好発進】
  3. 東京市場          【オーケーが銀座に出店】
  4. 地産地消          【くら寿司が地域別メニューを展開】
  5. 食品企業の経営       【2023年3月期の決算】
  6. 製品開発          【免疫機能の機能性表示食品】
  7. 価格政策          【国産食材への切り替えの動き】
  8. プロモーション       【体験イベントの復活】
  9. チャネル政策・チャネル動向 【大丸松坂屋の冷凍食品のサブスク】
  10. ヘッドラインクリップ    2023年5月の動向



最新バックナンバー


参照コンテンツ


おすすめ新着記事

消費者調査データ カップめん(2025年4月版)別次元の強さ「カップヌードル」、2位争いは和風麺
消費者調査データ カップめん(2025年4月版)別次元の強さ「カップヌードル」、2位争いは和風麺

調査結果をみると、「カップヌードル」が、ほぼ全員に認知があり、4分の3に購入経験があり、半数弱が3ヶ月以内に購入、と圧倒的な強さをみせるなど、ロングセラーブランドへの上位集中が鮮明な結果となった。背景には、昨今の値上げ続きで強まる消費者の節約志向があると考えられる。「失敗したくない」という意識が安心感のあるブランドに向かっているのだ。

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター チョコレートの今後購入意向は80%以上! 意外にも男性20~30代と管理職が市場を牽引
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター チョコレートの今後購入意向は80%以上! 意外にも男性20~30代と管理職が市場を牽引

チョコレート商品の値上げが続くなか、成分や機能を訴求したチョコレートが伸びている。今回はどのような人がどんな理由でチョコレートを食べているのか調査した。

成長市場を探せ キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。  キャッシュレス市場の雄、クレジットカードは3年連続過去最高更新(2025年)
成長市場を探せ キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。 キャッシュレス市場の雄、クレジットカードは3年連続過去最高更新(2025年)

キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。



J-marketingをもっと活用するために
無料で読める豊富なコンテンツ プレミアム会員サービス 戦略ケースの教科書Online


お知らせ

2025.03.06

クレジットカード決済に関する重要なお知らせ

2025.04.17

JMR生活総合研究所 ゴールデンウイーク期間中の営業のお知らせ

新着記事

2025.04.23

25年3月の「コンビニエンスストア売上高」は2ヶ月ぶりのプラスに

2025.04.22

トランプ関税の正義、賢愚、そして帰結 - ポストグロ-バル経済と自由貿易体制(上編)

 

2025.04.22

25年2月の「旅行業者取扱高」は19年比で78%に

2025.04.21

ポートフォリオ戦略からダイナミック・ポートフォリオ分析で統合経営へ

2025.04.21

企業活動分析 2024年12月期のアルファベット(Google)は、検索、AIとも2桁増で過去最高更新

2025.04.18

消費者調査データ カップめん(2025年4月版)別次元の強さ「カップヌードル」、2位争いは和風麺

2025.04.17

25年2月の「商業動態統計調査」は11ヶ月連続のプラス

2025.04.16

25年3月の「景気の現状判断」は13ヶ月連続で50ポイント割れに

2025.04.16

25年3月の「景気の先行き判断」は7ヶ月連続の50ポイント割れに

2025.04.15

25年2月の「消費支出」は4ヶ月ぶりのマイナスに

2025.04.14

提言論文 ブランド価値ランキング - 価値実現率の低い選択的耐久財

2025.04.14

企業活動分析 アップルの2024年9月期は、サービス事業過去最高で増収増益

2025.04.11

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター チョコレートの今後購入意向は80%以上! 意外にも男性20~30代と管理職が市場を牽引

 

2025.04.10

25年2月の「家計収入」は2ヶ月連続のマイナス

週間アクセスランキング

1位 2024.05.10

消費者調査データ エナジードリンク(2024年5月版)首位は「モンエナ」、2位争いは三つ巴、再購入意向上位にPBがランクイン

2位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

3位 2025.04.11

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター チョコレートの今後購入意向は80%以上! 意外にも男性20~30代と管理職が市場を牽引

4位 2024.10.24

MNEXT 日本を揺るがす「雪崩現象」―「岩盤保守」の正体

5位 2024.11.06

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 伸長するパン市場  背景にある簡便化志向や節約志向

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area