近年、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどの小売業にとって、惣菜の重要性が増しているようだ。そこで、惣菜が誰にどの程度利用されているのかを調査した。
まず、惣菜の購入頻度をみると、37.0%が週1回以上惣菜を購入していた(図表1)。
惣菜の購入頻度の増減をみると、増えた計が18.2%、減った計が13.2%であり、増えた計が減った計を上回った(図表2)。また、「変わらない」は7割弱ともっとも多かった。
惣菜の今後購入意向をみると、今後購入意向がある人が7割以上と大半であった(図表3)。
惣菜メニュー別では、1ヶ月以内にもっとも買われたものは「からあげ」、次いで「コロッケ」「ポテトサラダ」となった(図表4)。1年前から買う頻度が増えたものでは、「野菜炒め」「野菜のお浸し」「きんぴらごぼう」など、野菜を使用したメニューが上位となった。今後も買いたいものの上位は、「からあげ」「コロッケ」「エビやアジなどのフライ」など、揚げ物メニューだった。
惣菜は、ふだんの食卓に浸透してきていることがわかる。
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次に、どのような層が購入しているかをみてみる(図表5)。週1回以上惣菜を購入する率は、さまざまな属性の中で性別ライフステージ別と性別年代別による差が大きかった。全体では37.0%であるのに対し、性別ライフステージ別では、男性学生・独身者、男性既婚子どもなしが特に高かった。また、性別年代別では男性50代が49.1%と特に高かった。
1年前から買う頻度が増えた計では、全体が18.2%であるのに対し、性別年代別では男女20代、女性60代が特に高かった。性別ライフステージ別では、女性既婚子育てが特に高かった。
惣菜の今後購入意向は、全体では73.9%であるのに対し、男性よりも女性が高く、性別年代別では女性40代、男女50~60代といった、年齢が比較的高い層が特に高かった。性別ライフステージ別では、頻度が増えた計と同じく、女性既婚子育てが特に高かった。
高齢化に伴って惣菜の購入が増加しており、特に女性層において拡大していることがわかる。
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もっとも最近のケースについて、具体的な購入の仕方を整理した。まず惣菜を買うときに参考にしたパッケージ表示についてみていく(図表6)。表示を確認してから買う人は全体の7割以上だった。具体的にみていくと、「価格」「消費期限」「内容量」などが上位となった。この3項目以外の項目を確認する人も過半数を超えている。夕食で惣菜を食べた人が買った惣菜の種類数は、平均で2.1品だった(図表7)。回答でもっとも多かったのは「2種類」、次いで「1種類」だった。惣菜の購入金額では、「200~400円未満」が最多、「400~600円未満」「600~800円未満」と続く(図表9)。
その惣菜メニューを買った理由では、「惣菜がおいしそうだったため」「値引きされていたため」「安かったため」が上位となった(図表10)。そのとき惣菜を買った理由では、「調理をする手間を省きたかったため」がもっとも高く、「自分で作るよりおいしいため」「食事をすぐにとりたかったため」がこれに次ぐ(図表11)。
惣菜の総合満足度では、満足している計が8割弱(図表12)、惣菜の味の評価では、おいしかった計が8割以上と高かった(図表13)。
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もっとも今後購入意向と関連が強い背景の意識は、「食材を無駄にしたくない」であり、意識している人の9割弱で今後購入意向がある(図表14)。「食事の準備に時間をかけたくない」「野菜を意識してとるようにしている」ではどちらも、意識している人の8割強で今後購入意向がある。こうした意識の高まりが今後も続くとすると、惣菜の今後購入意向も高まっていくと考えられる。もっとも関連が強い「食材を無駄にしたくない」という意識を属性別でみると、性別では女性が、性別年代別では男性60代、女性40~60代が、性別ライフステージ別では女性既婚子育て、女性既婚子独立が、全体よりも5%以上高かった(図表15)。惣菜の今後購入意向の高い層と比較すると、ある程度一致していそうだ。
1ヶ月以内に惣菜を買った個別のチャネルは、GMSでは「イオン」、SMでは「マックスバリュ」、コンビニでは「セブン-イレブン」がもっとも高かった(図表16)。直近で惣菜を購入したチャネルの今後利用意向をみると、いずれも9割を超えており、1年内に利用しているが1ヶ月以内で惣菜を購入していない人と比較すると、今後利用意向は大幅に超えている(図表17)。惣菜の購入がチャネルの今後利用意向に影響を与えていそうだ。
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- 惣菜の今後購入意向が7割超
- 今後購入意向が高いのは年代が上の層
- 惣菜購入理由でもっとも高いのは「調理をする手間を省きたかったため」
- 惣菜の購入がチャネルの今後利用意向に影響を与える
* 業界クリップ 2023年8月(全6頁)
- 消費者の動き 【消費心理の踊り場続く】
- 売れている食品・メニュー 【日清の「完全メシ」が販売好調】
- 東京市場 【渋谷区がハロウィーン規制を強化】
- 地産地消 【「燕三条鉄」シリーズの展開】
- 食品企業の経営 【日本大豆ミート協会が発足】
- 製品開発 【イクラ風の商品「みらいくら」】
- 価格政策 【「値上げ疲れ」が続く】
- プロモーション 【伊藤園がAIタレントを活用】
- チャネル政策・チャネル動向 【物価高でPBが好調】
- ヘッドラインクリップ 10月の動向
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参照コンテンツ
- 成長市場を探せ テイクアウトやデリバリーに活路。復活の回転寿司、各社業績好調(2022年)
- 成長市場を探せ 中食(2019年版)
- 「食」のマンスリー・ニュースレター 手ごろさで選択される中食 軽減税率の追い風受けず
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