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公開日:2023年11月15日

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第158号
食卓に浸透する市販の惣菜 4割弱が週1回以上惣菜を購入


本コンテンツは、食生活についての消費者への独自調査をもとに、その分析結果をまとめたオリジナルコンテンツです。有料会員の方は、調査結果の分析パートと、主要各紙から食生活のトレンドを整理した業界クリップの2部構成でお届けするレポート形式のPDFダウンロードがご利用いただけます。


【1】惣菜の今後購入意向が7割超

 近年、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどの小売業にとって、惣菜の重要性が増しているようだ。そこで、惣菜が誰にどの程度利用されているのかを調査した。

 まず、惣菜の購入頻度をみると、37.0%が週1回以上惣菜を購入していた(図表1)。

 惣菜の購入頻度の増減をみると、増えた計が18.2%、減った計が13.2%であり、増えた計が減った計を上回った(図表2)。また、「変わらない」は7割弱ともっとも多かった。

 惣菜の今後購入意向をみると、今後購入意向がある人が7割以上と大半であった(図表3)。

 惣菜メニュー別では、1ヶ月以内にもっとも買われたものは「からあげ」、次いで「コロッケ」「ポテトサラダ」となった(図表4)。1年前から買う頻度が増えたものでは、「野菜炒め」「野菜のお浸し」「きんぴらごぼう」など、野菜を使用したメニューが上位となった。今後も買いたいものの上位は、「からあげ」「コロッケ」「エビやアジなどのフライ」など、揚げ物メニューだった。

 惣菜は、ふだんの食卓に浸透してきていることがわかる。

図表
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【2】今後購入意向が高いのは年代が上の層

 次に、どのような層が購入しているかをみてみる(図表5)。週1回以上惣菜を購入する率は、さまざまな属性の中で性別ライフステージ別と性別年代別による差が大きかった。全体では37.0%であるのに対し、性別ライフステージ別では、男性学生・独身者、男性既婚子どもなしが特に高かった。また、性別年代別では男性50代が49.1%と特に高かった。

 1年前から買う頻度が増えた計では、全体が18.2%であるのに対し、性別年代別では男女20代、女性60代が特に高かった。性別ライフステージ別では、女性既婚子育てが特に高かった。

 惣菜の今後購入意向は、全体では73.9%であるのに対し、男性よりも女性が高く、性別年代別では女性40代、男女50~60代といった、年齢が比較的高い層が特に高かった。性別ライフステージ別では、頻度が増えた計と同じく、女性既婚子育てが特に高かった。

 高齢化に伴って惣菜の購入が増加しており、特に女性層において拡大していることがわかる。

図表
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【3】惣菜購入理由でもっとも高いのは「調理をする手間を省きたかったため」

 もっとも最近のケースについて、具体的な購入の仕方を整理した。まず惣菜を買うときに参考にしたパッケージ表示についてみていく(図表6)。表示を確認してから買う人は全体の7割以上だった。具体的にみていくと、「価格」「消費期限」「内容量」などが上位となった。この3項目以外の項目を確認する人も過半数を超えている。夕食で惣菜を食べた人が買った惣菜の種類数は、平均で2.1品だった(図表7)。回答でもっとも多かったのは「2種類」、次いで「1種類」だった。惣菜の購入金額では、「200~400円未満」が最多、「400~600円未満」「600~800円未満」と続く(図表9)。

 その惣菜メニューを買った理由では、「惣菜がおいしそうだったため」「値引きされていたため」「安かったため」が上位となった(図表10)。そのとき惣菜を買った理由では、「調理をする手間を省きたかったため」がもっとも高く、「自分で作るよりおいしいため」「食事をすぐにとりたかったため」がこれに次ぐ(図表11)。

 惣菜の総合満足度では、満足している計が8割弱(図表12)、惣菜の味の評価では、おいしかった計が8割以上と高かった(図表13)。

図表
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【4】 惣菜の購入がチャネルの今後利用意向に影響を与える

 もっとも今後購入意向と関連が強い背景の意識は、「食材を無駄にしたくない」であり、意識している人の9割弱で今後購入意向がある(図表14)。「食事の準備に時間をかけたくない」「野菜を意識してとるようにしている」ではどちらも、意識している人の8割強で今後購入意向がある。こうした意識の高まりが今後も続くとすると、惣菜の今後購入意向も高まっていくと考えられる。もっとも関連が強い「食材を無駄にしたくない」という意識を属性別でみると、性別では女性が、性別年代別では男性60代、女性40~60代が、性別ライフステージ別では女性既婚子育て、女性既婚子独立が、全体よりも5%以上高かった(図表15)。惣菜の今後購入意向の高い層と比較すると、ある程度一致していそうだ。

 1ヶ月以内に惣菜を買った個別のチャネルは、GMSでは「イオン」、SMでは「マックスバリュ」、コンビニでは「セブン-イレブン」がもっとも高かった(図表16)。直近で惣菜を購入したチャネルの今後利用意向をみると、いずれも9割を超えており、1年内に利用しているが1ヶ月以内で惣菜を購入していない人と比較すると、今後利用意向は大幅に超えている(図表17)。惣菜の購入がチャネルの今後利用意向に影響を与えていそうだ。

図表
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* オリジナル調査結果の分析 構成(全4頁)
  1. 惣菜の今後購入意向が7割超
  2. 今後購入意向が高いのは年代が上の層
  3. 惣菜購入理由でもっとも高いのは「調理をする手間を省きたかったため」
  4. 惣菜の購入がチャネルの今後利用意向に影響を与える

* 業界クリップ 2023年8月(全6頁)
  1. 消費者の動き        【消費心理の踊り場続く】
  2. 売れている食品・メニュー  【日清の「完全メシ」が販売好調】
  3. 東京市場          【渋谷区がハロウィーン規制を強化】
  4. 地産地消          【「燕三条鉄」シリーズの展開】
  5. 食品企業の経営       【日本大豆ミート協会が発足】
  6. 製品開発          【イクラ風の商品「みらいくら」】
  7. 価格政策          【「値上げ疲れ」が続く】
  8. プロモーション       【伊藤園がAIタレントを活用】
  9. チャネル政策・チャネル動向 【物価高でPBが好調】
  10. ヘッドラインクリップ    10月の動向



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