半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

公開日:2024年01月18日

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第160号
おにぎりブーム到来! おにぎりが選ばれる理由とは


本コンテンツは、食生活についての消費者への独自調査をもとに、その分析結果をまとめたオリジナルコンテンツです。有料会員の方は、調査結果の分析パートと、主要各紙から食生活のトレンドを整理した業界クリップの2部構成でお届けするレポート形式のPDFダウンロードがご利用いただけます。


【1】半数は週1日以上おにぎり購入

 最大6時間待ちのおにぎり専門店もあり、おにぎりブームが加速している。そこで、今や買うのも当たり前となったおにぎりについて調査した。

 おにぎりの購入頻度をみると、半数が月に1回以上おにぎりを購入していた(図表1)。

 おにぎりを家で作った頻度では4割が月に1回以上作っているという結果であり、おにぎりは家で作る率よりも、購入する率が高いということがわかる(図表2)。

 また、「おにぎりが好きである」に対しては、7割が好きであると答える結果であった(図表3)。

 おにぎりの週1日以上購入率と週1日以上作った率を、様々な属性で見ると、性別年代、性別ライフステージ、職業別に差が大きくあらわれた(図表4)。購入率では管理職、男性子育て、女性20代、男性20代が高く、作った率は女性子育て、女性子手離れが高い結果であった。

図表
高画質版の図表はレポートダウンロードをご利用ください


【2】おにぎりは作るよりも買う方が安い!

 ここでは家庭で作られるおにぎりについてまとめる。1年前と比較したおにぎりを作る頻度は、増えた計25.4%で、減った計13.0%を上回った(図表5)。おにぎりを作るためのご飯は、炊きあがったご飯を握った率と炊飯からおこなった率がほぼ同率という結果であった(図表7)。

 おにぎりを作る機会コストと材料費から、家で作るおにぎりのコストを試算した。炊飯を除いたおにぎり完成までの時間は全体平均で7.5分だった(図表8)。個人年収から算出した1分あたりの機会コストは平均30.6円で(図表9)、作ったおにぎり全体の材料費は全体平均183.3円であった(図表10)。

 おにぎりを作った個数が平均2.9個であり(図表11)、勤労者に絞って考えると、おにぎりを作る1個あたりの機会コストは平均93.0円で、1個あたりの材料費は平均71.4円となる。機会コストと材料費を合わせて考えるとおにぎりを作るコストは1個あたり平均164.4円と算出できた。この金額は、おにぎり1個あたりの購入価格である平均140.5円を上回り、購入した方が23.9円安いという結果であった(図表12)。このことからおにぎりは作るよりも購入した方が安く合理的といえる。

図表
高画質版の図表はレポートダウンロードをご利用ください


【3】平日ランチの店頭購入率はおにぎりがNo.1

 おにぎりの購入について整理する。おにぎりは平日の昼食としてもっとも購入されており(図表15)、おにぎりを購入した場所のなかでもっとも高かったのはコンビニであった(図表16)。

 おにぎりを購入した場所を選んだ理由としては、「味がおいしいから」がもっとも多く、「価格が手ごろだから」がこれに次ぐ。購入場所を選んだ理由は年代別で異なり、20代、30代は「味がおいしいから」といった項目が全体と比較して高く、20代は「おにぎりの種類がたくさんあるから」といった選択できるところも購入場所を選ぶ理由になっていることがわかった(図表17)。

 おにぎりを選んだ理由は「おにぎりが好きだから」や、「価格が手ごろだから」といった項目が上位となっていた(図表18) 。おにぎりを選んだ理由は職種による違いが大きく、営業、管理職は「短時間で食べられるから」といった項目も上位となっていた。職種によっては、おにぎりが好きだからという理由で購入しているのはもちろん、手軽に食べられるところも魅力となり購入されていた。

図表
高画質版の図表はレポートダウンロードをご利用ください


【4】広まるおにぎり文化

 最後におにぎりの需要の背景にある意識を探った。「おにぎりは食べ慣れている」「おにぎりは日本の文化である」「おにぎりが話題になっている」「おにぎり専門店が生活圏に増えてきた」といった意識を持つ人は、おにぎりが好きであると回答する傾向があった(図表19)。

 「おにぎりは食べ慣れている」は男性子育て、女性学生・独身社会人が高く、「おにぎりは日本の文化である」は男性子育て、女性既婚子なし、女性学生・独身社会人、女性子独立の割合が高い(図表20)。情報接触の点からみても、「おにぎりが話題になっている」は女性30代、女性60代の割合が高く、「おにぎり専門店が生活圏に増えてきた」は女性20代~30代、女性60代、男性20代で割合が高い。

 ここまでみてきたように、もともとおにぎりは身近なものであり、話題性が高まっていた。そうした意識はおにぎりが好きという感情に繋がり、購入頻度を高めている。おにぎりブームは一過性のものではなく、今後も若い層を中心に需要は牽引され、働く人にとってのおにぎりの有用性からも需要は継続するのではないかと推察される。

図表
高画質版の図表はレポートダウンロードをご利用ください


レポートダウンロード

レポートのPDFダウンロードには有料の会員登録が必要です。


* オリジナル調査結果の分析 構成(全4頁)
  1. 半数は週1日以上おにぎり購入
  2. おにぎりは作るよりも買う方が安い!
  3. 平日ランチの店頭購入率はおにぎりがNo.1
  4. 広まるおにぎり文化

* 業界クリップ 2023年11月(全6頁)
  1. 消費者の動き        【消費の弱さが続く】
  2. 売れている食品・メニュー  【酒税改正後のビール販売好調】
  3. 東京市場          【麻布台ヒルズがオープン】
  4. 地産地消          【「ラーほー」の知名度向上策】
  5. 食品企業の経営       【食品各社の9月中間業績】
  6. 製品開発          【高級バーガーの新商品】
  7. 価格政策          【「響30年」が36万円に値上げ】
  8. プロモーション       【ブラックフライデー商戦】
  9. チャネル政策・チャネル動向 【セブン-イレブンが「みらいデリ」拡充】
  10. ヘッドラインクリップ    11月の動向



最新バックナンバー


参照コンテンツ


おすすめ新着記事

消費者調査データ カップめん(2025年4月版)別次元の強さ「カップヌードル」、2位争いは和風麺
消費者調査データ カップめん(2025年4月版)別次元の強さ「カップヌードル」、2位争いは和風麺

調査結果をみると、「カップヌードル」が、ほぼ全員に認知があり、4分の3に購入経験があり、半数弱が3ヶ月以内に購入、と圧倒的な強さをみせるなど、ロングセラーブランドへの上位集中が鮮明な結果となった。背景には、昨今の値上げ続きで強まる消費者の節約志向があると考えられる。「失敗したくない」という意識が安心感のあるブランドに向かっているのだ。

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター チョコレートの今後購入意向は80%以上! 意外にも男性20~30代と管理職が市場を牽引
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター チョコレートの今後購入意向は80%以上! 意外にも男性20~30代と管理職が市場を牽引

チョコレート商品の値上げが続くなか、成分や機能を訴求したチョコレートが伸びている。今回はどのような人がどんな理由でチョコレートを食べているのか調査した。

成長市場を探せ キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。  キャッシュレス市場の雄、クレジットカードは3年連続過去最高更新(2025年)
成長市場を探せ キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。 キャッシュレス市場の雄、クレジットカードは3年連続過去最高更新(2025年)

キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。



J-marketingをもっと活用するために
無料で読める豊富なコンテンツ プレミアム会員サービス 戦略ケースの教科書Online


お知らせ

2025.03.06

クレジットカード決済に関する重要なお知らせ

2025.04.17

JMR生活総合研究所 ゴールデンウイーク期間中の営業のお知らせ

新着記事

2025.04.23

25年3月の「コンビニエンスストア売上高」は2ヶ月ぶりのプラスに

2025.04.22

トランプ関税の正義、賢愚、そして帰結 - ポストグロ-バル経済と自由貿易体制(上編)

 

2025.04.22

25年2月の「旅行業者取扱高」は19年比で78%に

2025.04.21

ポートフォリオ戦略からダイナミック・ポートフォリオ分析で統合経営へ

2025.04.21

企業活動分析 2024年12月期のアルファベット(Google)は、検索、AIとも2桁増で過去最高更新

2025.04.18

消費者調査データ カップめん(2025年4月版)別次元の強さ「カップヌードル」、2位争いは和風麺

2025.04.17

25年2月の「商業動態統計調査」は11ヶ月連続のプラス

2025.04.16

25年3月の「景気の現状判断」は13ヶ月連続で50ポイント割れに

2025.04.16

25年3月の「景気の先行き判断」は7ヶ月連続の50ポイント割れに

2025.04.15

25年2月の「消費支出」は4ヶ月ぶりのマイナスに

2025.04.14

提言論文 ブランド価値ランキング - 価値実現率の低い選択的耐久財

2025.04.14

企業活動分析 アップルの2024年9月期は、サービス事業過去最高で増収増益

2025.04.11

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター チョコレートの今後購入意向は80%以上! 意外にも男性20~30代と管理職が市場を牽引

 

2025.04.10

25年2月の「家計収入」は2ヶ月連続のマイナス

週間アクセスランキング

1位 2024.05.10

消費者調査データ エナジードリンク(2024年5月版)首位は「モンエナ」、2位争いは三つ巴、再購入意向上位にPBがランクイン

2位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

3位 2025.04.11

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター チョコレートの今後購入意向は80%以上! 意外にも男性20~30代と管理職が市場を牽引

4位 2024.10.24

MNEXT 日本を揺るがす「雪崩現象」―「岩盤保守」の正体

5位 2024.11.06

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 伸長するパン市場  背景にある簡便化志向や節約志向

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area