数ある冷凍食品の中で圧倒的1位の生産量を誇る冷凍餃子は誰がなぜどのように購入しているのか調べてみた。
まず、餃子の好意度をみると、好き計は8割を超えていた。様々な基本的属性のなかで性別年代で好意度の差が大きく、特に「非常に好き」をみると全体が4割半ばに対し、男性20代で約6割、女性20代で6割強と他の年代と比べ、餃子が好きであるとわかった。
冷凍餃子の購入頻度では全体で週1回以上の購入が1割に満たないのに対し、男性20代では約3割と突出し、冷凍餃子を購入していた。
冷凍餃子の購入頻度増減をみると、1年前と比較し増えた計は約2割。性別年代別でみると男性20代で約5割購入頻度が増えている。また女性20代でも増えた計が4割弱と、20代で冷凍餃子の購入頻度が増えた人が特に多かった(図表1)。
もともと餃子好きが多く、なかでも冷凍餃子は若い年代が牽引して、拡大してきていることがわかる。
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次にどのようなブランドが購入されているかみてみる。
大手ブランドでは「味の素 ギョーザ 12個」は3人に1人が1ヶ月以内に購入しており、他のブランドと比べても突出している。今後の購入意向も6割超であり、特に高かった(図表2)。
「冷凍餃子を購入することを事前に決めてお店にいった」という計画購買は男性20代で9割弱と多く、事前に購入ブランドまで決めている人も3割超であった。ブランドが選択の手がかりとして重要であることがうかがえる(図表3)。
最近目にすることが増えた無人販売の冷凍餃子では「購入したことがある」という人が全体で2割弱であるのに対し、男性20代が4割半ばと牽引。「今後購入したい」という人も全体が3割半ばであるのに対し、男性20代が過半数以上と特に高かった(図表4)。
無人販売の冷凍餃子の購入者では味については「スーパー等の冷凍餃子よりおいしい」と思う人も、「町中華の餃子よりおいしい」と思う人も過半数以上と、味についての評価も高かった(図表5)。
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接触情報源や具体的な話題の認知状況をみてみる。
冷凍餃子についての情報をTVCMから得ている人は全体で半数以上であった。インターネットから得ている人は全体で2割弱なのに対し、20~30代男性で3割強と特に高い(図表6)。
近年の冷凍餃子の話題認知では、男性20代で東京オリンピック選手村の話題が3割半ば、手抜きの話題は3割強、商品改良のためにフライパン回収の話題では2割強と、全体に対して特に高く、こういった冷凍餃子の話題が男性20代の冷凍餃子の購入に影響を与えていそうだ(図表7)。
接触した情報に対する評価では、「冷凍餃子のCMには食欲をそそられる」で「非常にそう思う」という人は全体と比べて20代男女でともに突出している。また「店で目に入ることが増えた」も「非常にそう思う」という人が20代男女ともに特に高かった(図表8)。一般的にTVをあまり見ないと考えられる20代でも、冷凍餃子のCMについては他の年代と同程度視聴し、CMに対して好意的な反応を見せていることがわかった。
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これまでみてきたように、20代が牽引してきた冷凍餃子がなぜ購入されているのか探ってみた。
冷凍餃子の購入理由では、「おいしいから」が突出し、「品質がいいから」「自分では作れない味を楽しめるから」も高くなっており、味や品質を理由に購入されていた(図表9)。
購入頻度を高める要因として「内食頻度増加意向」 「体にいいと言われている食品を意識してとる」「夕食のおかずの種類を増やしたい」「料理が得意だ」といった意識があることがわかった。内食を増やしたい人ほど、冷凍餃子の週1回以上の購入率が高く、 「体にいいと言われている食品をとる」 「夕食のおかずの種類を増やしたい」 という人ほど週1回以上購入している。 「自分は料理が得意だ」 という人も購入頻度が高い(図表10)。
これらの意識を性別年代別にみると、いずれも20代男性が特に高くなっていた(図表11)。
冷凍餃子は夕食時の内食で料理をするときに食卓を充実させるものとして購入されており、20代男性が冷凍餃子を習慣的に購入している背景には内食充実志向の高まりがあるのではないかと考えられる。
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- 「餃子が好き」な人は8割超
- 3割超の人が「味の素 ギョーザ」を1ヶ月以内に購入
- 20代男女の3割超が冷凍餃子CMに関心
- 冷凍餃子拡大の背景に内食充実志向
- 消費者の動き 【消費心理がやや改善】
- 売れている食品・メニュー 【海外で日本式ラーメンの人気】
- 東京市場 【くら寿司が銀座に「グローバル旗艦店」】
- 地産地消 【「愛媛フェア」に秋田県知事が訪問】
- 食品企業の経営 【能登半島地震への対応】
- 製品開発 【AIを活用した商品開発】
- 価格政策 【2023年の消費者物価の総括】
- プロモーション 【体験型施設のリニューアル相次ぐ】
- チャネル政策・チャネル動向 【恵方巻商戦が活況】
- ヘッドラインクリップ 1月の動向
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調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2024年2月29日(木)~3月4日(月)
調査対象者:当社インターネットモニター木 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,019サンプル
サンプル構成(%)
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