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公開日:2024年08月20日

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第165号
急伸するPB化 高まるPB品質評価とNBの割高感


本コンテンツは、食生活についての消費者への独自調査をもとに、その分析結果をまとめたオリジナルコンテンツです。無料会員の方は、調査結果の分析パートと、主要各紙から食生活のトレンドを整理した業界クリップの2部構成でお届けするレポート形式のPDFダウンロードがご利用いただけます。


【1】PBの購入率は7割越え、再購入意向も約7割

 イオンのPB(プライベートブランド)「トップバリュ」の売上が伸長し1兆円の大台を突破した。近年、食品NB(ナショナルブランド)が相次いで値上げしているなかで、PBの位置づけが大きく変わっている。PBの購入状況やPBの選択にどのような変化が起こっているのか調査をおこなった。

 PBの1年内の購入経験率は72%となった。7割以上が1年以内にPBを購入、約7割がPBを今後も購入したいと考え、PBが定着していることがうかがえる(図表1)。PBの購入率が高いカテゴリーをみると、「お茶」「食パン」「ミネラルウォーター」が上位三つとなっている。1年内に購入しているカテゴリーのなかでいつも買っているPBがある「いつもPB購入率」は「シリアル」「野菜飲料」「米」が高く、PBへの代替が進んでいることがわかる。また1年前と比較してPBの購入が「増えた計」をみると、28カテゴリー中、約半数の13カテゴリーで50%を超えた(図表2)。

 このことから、PB化が最近急速に進んでいることがわかる。

図表
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【2】PBの品質評価とNBの割高感がPB購入を促進

 次に、誰がPBを購入しているか確認してみる。基本属性のなかで1年内PB購入経験率の差が大きいのは、ライフステージ、階層意識であった。ライフステージでは「子育て」「子手離れ」、階層意識では「中の上」層でPBの購入が高いことがわかる。

 さらにPBとNBの品質意識とNBの割高感ではPBの購入経験率に大きな差がみられた。当然ながら「PBの方が品質が良い」人ほど、「NBに割高感を感じている」人ほど購入率が高い(図表3)。PBの品質評価と値上げが続いているNBの割高感がPB購入を促進していることがうかがえる。

 近年PBを買い始めた人を確認してみる。2年内にPBを買い始めた人は38%いる。子育て、PBの品質が高いと感じている層、NBに割高感がある層で高い。一方で「子手離れ」「子独立」で低くなっている(図表4)。

 近年のPBは子育て層、NBに割高感がある層を取り込んで伸長していると思われる。

図表
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【3】PBをNBと同等以上に品質を評価している人は約60%

 前に確認したPBとNBの品質評価とNBの割高感についてみてみる。「PB・NB品質評価」では「PBをNBと同等以上に品質評価している」人が約60%となっている。子育て層でPBの評価が高く、NBに割高感を持っている(図表5)。

 NBは今やPBとの品質差がなくなり、さらに相次ぐ値上げにより割高感を持たれてしまい、苦しい状況に陥っていると推測できる。

 PB購入理由の上位は「安い」だけでなく、「コストパフォーマンスが良い」「味が良い」があげられる。特に子育て層では「大手メーカーが製造しているから」が高い。NBメーカーがPBを製造していることを知り、それによりNBとの品質差がないと判断していると推測される(図表6)。直近PB購入者のうちNBからPBにスイッチした人が58%いる。切り替えた理由は「コストパフォーマンが良かったから」「PBを試して品質が良かったから」「NBの商品の値段が上がったから」となっていた。ここでも直接的にNBの値上げとPBの高品質化がPB化の理由になっていた(図表7)。

図表
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【4】今後もさらにPB化が進む

 PBの満足度は「満足している計」が81%と高く、PBの継続購入意向は78%が「継続したい計」となっている。特に子育て層で満足度が高く、継続購入意向をもっていることがわかる(図表8)。さらに、PBの品質評価が高い層、NBの割高感の高い層でPBの高い満足度と継続意向が持たれている(図表9)。

 PBにロイヤリティが形成され、今後もこの層を中心にPB化が進むと考えられる。

 参考までにNBへスイッチする可能性をたずねたところ、今後NBが値下げした時、NBとPBの価格差が縮小した時があげられた(図表10)。

 PBは子育て層を中心とした新しい顧客層を取り込み、今後も継続すると思われる。苦戦するNBメーカーは、PBよりも圧倒的に高い品質を実現し、NBの価値を高めていかなければ、NBは生き残れない。

図表
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* オリジナル調査結果の分析 構成(全4頁)
  1. PBの購入率は7割越え、再購入意向も約7割
  2. PBの品質評価とNBの割高感がPB購入を促進
  3. PBをNBと同等以上に品質を評価している人は約60%
  4. 今後もさらにPB化が進む

* 業界クリップ 2024年6月(全6頁)
  1. 消費者の動き        【消費の弱さ続く】
  2. 売れている食品・メニュー  【夏場に向けた商品が早くも人気】
  3. 東京市場          【「スプリングバレーブルワリー東京」を刷新】
  4. 地産地消          【食育月間に合わせた減塩提案】
  5. 食品企業の経営       【国産食材への切り替えの動き】
  6. 製品開発          【アサヒが「未来のレモンサワー」発売】
  7. 価格政策          【円安を理由とした値上げ増える】
  8. プロモーション       【ファミレスによるポイントプログラム】
  9. チャネル政策・チャネル動向 【イオンの定額減税キャンペーン】
  10. ヘッドラインクリップ     6月の動向



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参照コンテンツ

調査設計

調査手法:インターネットリサーチ
調査期間:2024年6月20日~6月21日
調査対象者:インターネットモニター 20歳~69歳
        全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,123サンプル



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