半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net

公開日:2024年09月11日

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第166号
「紅麹サプリ問題」認知率は86%! 消費者の健康食品選びに変化


本コンテンツは、食生活についての消費者への独自調査をもとに、その分析結果をまとめたオリジナルコンテンツです。無料会員の方は、調査結果の分析パートと、主要各紙から食生活のトレンドを整理した業界クリップの2部構成でお届けするレポート形式のPDFダウンロードがご利用いただけます。


【1】健康食品の購入割合は20代が多い

 コロナが明けて需要が戻った健康食品市場だったが、2024年3月に「紅麹サプリ問題」が起こった。そこで、健康食品の利用と、「紅麹サプリ問題」を受けて消費者の行動がどう変化したかを調査した。

 健康食品を利用したことがある人は半数近くを占めており、うち1年内購入者は34%であった。属性別にみると、年代や職業、階層意識により1年間の購入率が異なっている。特に、20代、管理職、生活レベルが高い人の購入率が高かった(図表1)。健康意識別にみると、やはり健康意識が高い人ほど購入していた(図表2)。

 購入経験者の購入理由をみると、「不足している栄養素の補給」が65%と高く、購入率の高い20代男性では、「不足している栄養素の補給」のほか、「免疫力向上」「体力、持久力の維持、向上」「生活習慣病の改善」「美容効果の期待」が高く、20代女性は「不足している栄養素の補給」のほか、「美容効果の期待」「生活習慣病の改善」「ダイエット」が理由としてあがった(図表3)。

図表
高画質版の図表はレポートダウンロードをご利用ください


【2】「紅麹サプリ問題」認知率は86%!

 2024年3月に発覚した「紅麹サプリ問題」についての認知率は8割を超え、非常に高い認知率であった(図表4)。情報接触度別にみると、TV・新聞・Webなどの情報接触率が高い人ほど原因まで認知している割合が高かった(図表5)。また、年代も原因の認知の差に繋がっており、20代は全体に対して原因の認知率が50%と低い一方、60代は81%と高い結果であった(図表6)。

 各メーカーの1年内購入者別にみると、今後の購入意向は小林製薬が他社と比べて低い結果となり、「紅麹サプリ問題」が関係していると考えられる(図表7)。また、健康食品全体に対して不安を感じているのは1年内に健康食品を購入していない人である(図表8)。このことから、健康食品に対して不安を感じている人は、小林製薬だけでなく、健康食品全体に不安を感じていると考えられる。また、健康食品を選ぶ際に、全体では「含まれる成分」を重視していた。問題認知の程度別に重視度変化をみると、特に「製造している企業」「含まれる成分」を重視するようになった人が増加している。「紅麹サプリ問題」を受けて選択重視点が変化したと推察できる(図表9)。

図表
高画質版の図表はレポートダウンロードをご利用ください


【3】「紅麹サプリ問題」報道後の健康食品摂取行動変更率は25%

 問題認知後の行動の変化をみてみる。問題認知者において、健康食品の摂取を中止した人は15%、健康食品の種類を変更して摂取を継続したのは11%であり、4人に1人は問題を受けて、健康食品の摂取行動を変化させていた(図表13)。これは全体でみると8.4%にあたり、小林製薬の1年内購入率の2倍超だった。

 摂取行動の変化は年代による差と、健康食品への依存度による差が大きかった。特に20代の45%が健康食品摂取の中止または摂取している種類を変更していた。

 健康食品依存度は期間(図表10)と数(図表11)から定義して、高・中・低に分けた(図表12)。健康食品の購入経験者が摂取し始めてからの期間は、5年以内が過半数を占めており、10年以上前からも3割以上といった結果であった。健康食品の摂取数は2種類以下が過半数を占めたが、5種類以上も1割以上いるという結果となった。

 健康食品の依存度が低い人に比べて依存度が高い人は「紅麹サプリ問題」を受けて健康食品の摂取を中止しており、依存度が低い人は健康食品の摂取を継続していた(図表14)。

図表
高画質版の図表はレポートダウンロードをご利用ください


【4】問題認知後に健康食品購入者の過半数がおこなった「紅麹」の検索

 問題認知後の行動として、「紅麹サプリ問題について友人や知人と話題にした」「『紅麹』について検索をした」「利用している食品について改めて情報収集をした」人は過半数を超えていた。年代による差が大きく、20代・30代は特に認知後に行動を起こしていた(図表15最上段)。健康食品摂取の代替行動として、4割以上が野菜を食べたり、野菜ジュースを飲んだり、運動量を増やしたりしており、こちらも年代ごとの差が大きい(図表16)。また、問題認知者かつ各メーカー認知者ごとの信頼度では、提示したメーカーのなかで小林製薬はもっとも低い、27%という結果となった(図表17)。

  「紅麹サプリ問題」は86%と非常に認知率が高く、小林製薬に限らず健康食品の中止・ブランドの変更をもたらした。中止・変更者は、小林製薬の購入率の2倍超であった。また、問題を通して、選択重視点が変化していること、代替行動をおこなっている人がいることから、 「紅麹サプリ問題」により健康食品市場が変化したといえる。健康食品の摂取者は健康意識が高く、自ら検索をし、知人と話題にして健康食品の中止などをする。業界全体としてそれぞれの企業が消費者に対して根拠のある情報の提供ができるかどうかがますます重要になっていると考えられる。

図表
高画質版の図表はレポートダウンロードをご利用ください


レポートダウンロード

レポートのPDFダウンロードには無料の会員登録が必要です。


* オリジナル調査結果の分析 構成(全4頁)
  1. 健康食品の購入割合は20代が多い
  2. 「紅麹サプリ問題」認知率は86%!
  3. 「紅麹サプリ問題」報道後の健康食品摂取行動変更率は25%
  4. 問題認知後に健康食品購入者の過半数がおこなった「紅麹」の検索

* 業界クリップ 2024年7月(全6頁)
  1. 消費者の動き        【一転して円高の進行】
  2. 売れている食品・メニュー  【ゴディバのチョコかき氷】
  3. 東京市場          【焼肉の名店によるリアル焼肉弁当】
  4. 地産地消          【人気の祭りとコラボしたご当地商品】
  5. 食品企業の経営       【マクドナルドでシステム障害】
  6. 製品開発          【規格外品を活用した商品相次ぐ】
  7. 価格政策          【外食チェーンによるウナギ商戦】
  8. プロモーション       【パリ五輪にちなんだ食提案】
  9. チャネル政策・チャネル動向 【セブン-イレブンが宅配ピザに参入】
  10. ヘッドラインクリップ     7月の動向



最新バックナンバー


参照コンテンツ

調査設計

調査手法:インターネットリサーチ
調査期間:2024年8月9日~8月10日
調査対象者:インターネットモニター 20歳~69歳
        全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,139サンプル



おすすめ新着記事

成長市場を探せ キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。  キャッシュレス市場の雄、クレジットカードは3年連続過去最高更新(2025年)
成長市場を探せ キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。 キャッシュレス市場の雄、クレジットカードは3年連続過去最高更新(2025年)

キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。

消費者調査データ トップは「ドライゼロ」、2位を争う「オールフリー」「のんある気分」
消費者調査データ トップは「ドライゼロ」、2位を争う「オールフリー」「のんある気分」

アップトレンドが続くノンアルコール飲料。調査結果は「アサヒ ドライゼロ」が首位を獲得、上位にはビールテイストが目立つなかで、「のんある気分」が健闘している。再購入意向では10位内にワインテイストやカクテルテイストの商品も食い込み、ジャンルとしての広がりを感じさせる。

消費者調査データ RTD(2025年3月版) 「氷結」、「ほろよい」の競り合い続く アサヒの新顔は高いリピート意向
消費者調査データ RTD(2025年3月版) 「氷結」、「ほろよい」の競り合い続く アサヒの新顔は高いリピート意向

調査で結果は「氷結」が半歩抜け出し、それを「ほろよい」が追う形となった。上位にはロングセラーが目立つが、再購入意向では「アサヒ GINON」が3位に食い込んだ。大ヒットしたレモンサワーに加え、お茶やウメなどのフレーバーの台頭、ベース酒の多様化など新たな競争が生まれている。



J-marketingをもっと活用するために
無料で読める豊富なコンテンツ プレミアム会員サービス 戦略ケースの教科書Online


お知らせ

2025.03.06

クレジットカード決済に関する重要なお知らせ

新着記事

2025.03.27

25年2月の「ファーストフード売上高」は48ヶ月連続のプラスに

2025.03.27

25年2月の「ファミリーレストラン売上高」は36ヶ月連続プラス

2025.03.04

25年1月の「新設住宅着工戸数」は9ヶ月連続のマイナス

2025.03.27

消費からみた景気指標 24年12月は7項目が改善

2025.03.26

25年2月の「コンビニエンスストア売上高」は2ヶ月ぶりのマイナスに

2025.03.26

25年2月の「チェーンストア売上高」は既存店で4ヶ月ぶりのマイナスに

2025.03.26

25年2月の「全国百貨店売上高」は4ヶ月ぶりのマイナスに

 

2025.03.25

25年1月の「商業動態統計調査」は10ヶ月連続のプラス

2025.03.24

中国メーカーの多様化戦略への対応―垂直差別化では勝てない

 

2025.03.24

提言論文 高収入層がけん引するアメリカ消費 - 日本はどうなのか

2025.03.24

企業活動分析 トヨタの24年3月期は営業利益5兆3,529億円、大幅な増収増益を達成

2025.03.24

企業活動分析 マツダの24年3月期は北米好調で売上利益とも過去最高を達成

2025.03.21

消費者調査データ トップは「ドライゼロ」、2位を争う「オールフリー」「のんある気分」

2025.03.19

25年1月の「旅行業者取扱高」は19年比で72%に

  

2025.03.18

25年2月の「景気の先行き判断」は6ヶ月連続の50ポイント割れに

2025.03.18

25年2月の「景気の現状判断」は12ヶ月連続で50ポイント割れに

2025.03.17

なぜ、「外国人」社長が大手企業で多くなるのか - コーポレートガバナンスの罠

2025.03.17

企業活動分析 ファーストリテイリング24年8月期は売上・営業利益ともに4期連続で過去最高を達成

2025.03.14

日本のブランド危機と再生戦略 - トライアドマーケティング

2025.03.13

25年1月の「消費支出」は3ヶ月連続のプラスに

2025.03.12

25年1月の「家計収入」は4ヶ月ぶりのマイナス

2025.03.11

25年1月の「現金給与総額」は37ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

週間アクセスランキング

1位 2024.06.19

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 縮小する野菜ジュース市場 値上げ下でブランド継続は4割

2位 2025.03.14

日本のブランド危機と再生戦略 - トライアドマーケティング

3位 2025.03.17

なぜ、「外国人」社長が大手企業で多くなるのか - コーポレートガバナンスの罠

4位 2024.05.10

消費者調査データ エナジードリンク(2024年5月版)首位は「モンエナ」、2位争いは三つ巴、再購入意向上位にPBがランクイン

5位 2024.06.21

消費者調査データ ビール系飲料(2024年6月版) 首位「スーパードライ」、キリンの新ビール「晴れ風」にも注目

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area