ライフステージは、出生から、学校卒業、就職、結婚、出産、子育て、リタイアなどの人生の節目によって変わる生活(ライフサイクル)に着目した区分です。ライフステージによって生活条件が変わり、新たな生活がはじまることが多いので、支出が拡大しますし、その時々特有の消費が生まれます。家電製品や家庭用品などはその典型でした。
80年代、市場セグメンテーションの議論が賑わっていたとき、多様な価値観に基づいた多様なライフスタイルが形成されていくという予想から、さまざまなライフスタイル分析が行われ提案されてきましたが、その結果わかったことは、長らく日本人の主流を占めてきた生活は、ライフステージに基づく、中流生活のスタイルであったということです。
核家族、郊外持ち家、職住分離を基本とするものです。前提条件には、大多数のサラリーマンには終身雇用と年功賃金体系により年齢とともに保証された給与と退職金制度がありました。
21世紀、前提条件がくずれ、住宅ローンを支払いながら通勤に片道1時間以上かける郊外持ち家のいわゆる「中流生活」が魅力を失っています。ライフステージと年齢の関係もくずれつつあり、標準的ライフステージを逸脱する人も増えています。21世紀の日本人の生活は「中流生活」に代わる新しい生活様式が模索されています。基本的な生活のセグメントとしてライフステージの重要性は失われないものの、ライフステージ以上にライフスタイルが有効性を持つ時代になってきたといえそうです。
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