これまでの消費者購買行動をめぐる理論研究において主流をなしてきたのは、合理的個人を前提にした個人選択モデルです。これは、商品を選択するとき、消費者個人が商品を機能の集合体として捉え、個別機能の評価をつみあげた商品への評価と価格とのバランスによって選択を行う、というものです。
代表格は多属性態度モデルといわれるものです。このモデルに基づいて、これまでのブランドマーケティングでは、消費者個人をターゲットに商品属性の差別化によるポジショニングを行うという米国流のブランドマーケティングが採られてきました。
インポートブランドブームやいわゆる流行現象について考えてみる時、消費の欲望が、自分自身の内面からだけ湧き出てくるものではないことは明らかです。「自分らしさ」を求めるという価値意識が強まっています。「自分らしさ」という言葉の背後にある「他者の目」からみた「自分らしい」ということを満たすかどうかによって、欲望が喚起され、選択が行われるという他者依存性、相互依存性を無視して消費行動を理解することはできません。
こうした選択の相互依存効果については、古くはヴェブレンの顕示消費の理論に始まり、その後「消費の外部性」という形でデュゼンベリー、ライベンシュタインなどが論じています。ライベンシュタインは「バンドワゴン効果」「スノッブ効果」「ヴェブレン(顕示)効果」という三つの概念を提示しています。
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参照コンテンツ
- JMRからの提案 準拠集団アプローチによるブランド再構築戦略
- マーケティング用語集 準拠集団(リファレンスグループ(RG))
- マーケティング用語集 インポートブランドブーム
- マーケティング用語集 バンドワゴン効果、スノッブ効果、ヴェブレン効果
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