TQCとは Total Quality Control の略です。文字どおり全社的な品質管理の推進を行うもので、品質管理に関するさまざまな手法を総合的に、かつ、全社的に展開して適用し、従業員の総力を結集してその企業の実力向上を目指すものです。
TQCは1960年頃から、製品やサービスの品質を維持し、不良品をなくすための管理活動として導入され、日本製品の品質向上に貢献してきました。TQCは具体的にはQCサークル(数名からなる小集団)による活動として展開されます。
1990年代に入って、奇跡的復活を遂げた米国産業界の変貌は、ひとえにTQM(Total Quality Management)によるといわれました。TQMとは、TQCを発展させた、業務・経営全体の質向上管理ということになります。その成果は日本でも研究され、日本企業にも導入されました。
1996年4月、TQCの総本山である(財)日本科学技術連盟も、世の中の情勢に呼応するかたちで、従来のTQCをTQMに変更することを表明しました(21世紀を目指すTQM-TQCからTQMへ)。TQMは、製品の品質はもとよりサービス業務の質、経営の質など品質の向上を追求する「品質管理」の方法と定義されています。
TQC、TQMとは、基本的には、企業の内部において適用されるもので、顧客からはその企業の品質管理手法や品質保証体制がどのようなものであるかは分からないし、どの程度の水準であるのかも分かりません。言い替えれば、企業から見た企業のためのツールです。
それに対して、ISO9000シリーズ(マーケティング用語集「ISO」参照)は、企業の品質システムを、国際的に定められた基準によって客観的に評価するものです。製品やサービスの品質の保証を、どのような方針の下で、どのような管理体制によって行なっているのかを客観的に評価するものであり、企業から見た顧客のためのツールといえます。
TQC、TQMは品質システムを向上させるためのツールであり、ISO9000シリーズは品質システムを一定に維持していくためのツールです。従って、両者を組み合わせて実践することで、より強力な品質管理体制ができあがるものと考えられます。
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