ISOとは、「International Organization for Standardization」の略称です。
世界で初めて「管理技術」を対象にした世界共通の規格であり、「民間が民間のために作った民間規格」です。業種横断的に適用できる企業の管理システムの規格で、品質管理に関する規格(ISO9000シリーズ)と環境管理に関する規格(ISO14000シリーズ)があります。
規格を策定している組織もISO、国際標準化機構と呼ばれ、民間自身が民間のために民間規格を作る機関として、1947年に設立されました。設立の目的は、「商品とサービスの国際的な交換を容易にし、知識、科学、技術、経済に関する活動において、国際的な交流を助長するため、国際的な規模の標準化とこれに関するさまざまな活動を発展、促進すること」です。
IEC(国際電気標準会議)、ITU(国際電気通信連合)と並んで世界3大標準化機関のひとつであり、それぞれの国家を代表する機関が会員となっています。ただし、これらの規約を国家規格として採用するか否かは、国家の自由です。
ISO規格は電気・電子工学を除いた全ての技術分野をカバーしています。最近良く名前を聞くISO9001やISO14001はそのうちのごく一部の規格です。
ISO9000シリーズとは、国際間の取引で各国の規格にバラツキがないように、品質保証の規格を統一するため策定された「品質システム」に関する国際規格です。
ISO9000規格は、顧客の要求する製品あるいは、サービスを、提供するための、システムあるいは手順についての要求事項です。一定で安定した、製品あるいは、サービスを提供するには、きちんとしたシステムが必要で、そのシステムを国際標準で定めたものが、ISO9000規格シリーズです。
ヨーロッパで生まれたこのシステムは、日本でも輸出企業を中心に急速に広まり、 製造業以外に建設・食品、さらにサービス業でも関心を高め、今や企業規模にかかわらずビジネス展開に不可欠なものになっています。
元来、製造業の品質管理を前提に制定されたものでありますが、近年ソフトウェア業界においてもこれを適用し、認証を得る企業が増えてきました。
9000シリーズは五つの規格から構成されており、大手メーカーの取得が目立つISO9001は、生産者が設計・開発、製造、据え付け、および付帯サービスまでのすべての業務を実施している場合に適用する規格で、最も完全なモデルです。
ISO14000シリーズは1996年9月に国際規格として発効された「環境保全に関する規格」の総称で、環境パフォーマンスの継続的改善を目的とする規格です。
シリーズの中のISO14001は大気汚染・地球温暖化など環境に影響を与える企業、自治体などが、法の遵守は当然のこと組織として自主的・積極的に環境保全に取り組むシステムのあり方を決めた規格です。
14000シリーズはまだ一部が決定されただけですが、地球環境問題への関心の高まりに加え、企業にとっては「環境に優しい」というイメージ戦略もあいまって、大変な人気です。
最近では、ソニーが環境目標への対応度合いによって取引先である部品メーカー各社を選別しようという動きもみられ、消費者の環境配慮型製品の選考が強まるなかで、企業活動上、今後ますます不可欠なものとなっていくと思われます。
当該企業が規格に適合しているか否かの審査を行うのが、民間の機関であるというのもこの制度の大きな特色です。適正に使用していることを他者に提示する方法として考え出されたのが第三者認証システムというもので、審査自体が新しいビジネスともなりつつあります。
第三者とは顧客(ユーザー)と供給者(企業)のどちらにも属さない立場ということです。そのような立場にあり、企業に出かけてISO9000やISO14000の運営を審査する企業が「審査機関」といわれている組織です。いずれかの規格(または両者同時にということもありますが)を運用している企業は、この審査機関に審査を依頼し、適正な運用を証明してもらいます。審査機関はその証拠として証明書を発行します(これを認証といいます)。この証明書は通常6ヶ月ごとに繰り返される審査を受けて、維持することができます。
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