
TOBとは、「Take Over Bid」又は「Tender Offer Bid」の略語で、「株式公開買い付け」と訳されます。不特定かつ多数の人に対して、買取株数、株価、買取期間を公告し、有価証券市場外で株主から直接株式の買い付けを行うことをいいます。証券取引法に定められた制度で、有価証券報告書を提出している会社の総株主の議決権の1/3を超える株式の買い付けを行う場合、原則的に公開買い付けによらなければならないとされています。
TOBは主として企業の経営権取得を目的として行われ、米国では企業買収の手段として広く利用されています。株式買い付けの期間や条件を事前に公表することでインサイダー取引を回避できることから、日本では企業が自社株買いを行う際に多く使われてきました。近年では、上場しているグループ会社を完全子会社化する際や、グループ外企業を傘下に収めるための手段として使われる例が増えています。
1)メリット
TOBを利用するメリットはふたつあります。ひとつは、株式を一定の公表価格で購入できるため、大量買い付けを行うと株価の上昇を招く株式市場での取引に比べて、買収資金計画がたてやすいことです。もうひとつは、株式が買い付け予定数集まらなかった場合に、株式を返却することでキャンセルが可能になるため、買い付けに失敗したときのリスクを抱えないということです。
2)デメリット
デメリットとしては、企業買収の意志が明らかになってしまうということがあげられます。株式買い付けを行うことを公告しているため、買収を仕掛けられた企業や、他の投資家に買収を阻止する機会を与えることになります。
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