
LINEとは、韓国最大のIT企業「NHN」の日本法人「LINE株式会社」が提供しているスマートフォン、フィーチャーフォン(携帯電話=ガラケー)、パソコンに対応したコミュニケーションアプリケーション(アプリ)である。2011年6月にサービスが開始されたこのアプリはユーザー同士であれば国内・海外、さらには通信キャリア問わず、無料で音声通話・メールが楽しめる。2014年2月末時点では世界230カ国、3億7千万人以上のユーザーが登録しており、2014年中には5億人に達すると予測されている。ちなみに日本のユーザー数は2013年8月時点で世界一の4,700万人と発表されており、5,000万人前後と推測される。
LINEの拡大の背景には、シンプルな設定と適度な閉鎖的コミュニケーションという特徴がある。現在、LINEと並ぶ日本の3大SNSとして「Twitter」「Facebook」があげられるが、そのふたつと比較するともっとも閉塞的である。匿名登録が可能で、友達登録も承認不要のため自由にフォローできる(または、される)「Twitter」、実名登録のため友達登録の承認など公開範囲の設定に悩まされる「facebook」は、いずれもオープンな世界で不特定多数の人とつながる可能性がある。対して「LINE」は、電話やメールの登録済みの人のみに限定でき、交流も原則1対1で他者の目にさらされることがなく、クローズドな環境で利用することができる。オープンさでいえば「Twitter」>「Facebook」>「LINE」ということで、オープンなSNSに疲れた、または馴染めないユーザーにとっては、もっとも適度なツールといえる。
2014年2月には、LINEアプリ上から国内外の固定電話・携帯電話に低料金で電話がかけられる「LINE電話」、LINEユーザーが自分でスタンプを作成して販売できる「LINE Creators Market」、LINE公式アカウントの機能をAPIとして提供し、企業がカスタマイズして活用できる「LINEビジネスコネクト」、の三つの新サービスが発表された。
ユーザーからすると、前者のふたつは魅力的なサービスである。「LINE電話」は、初期費用や月額基本料などが不要で、ケータイやスマホへは1分6.5円、固定電話への通話料が1分2円など、業界最低水準の料金を実現するだけに、既存の通信キャリアにとっての脅威となっている。また、ユーザーなら作製したスタンプを誰でも自由に販売できる「LINE Creators Market」のプラットフォームもさらなるユーザー拡大とビジネス規模拡大が期待される。
「LINE株式会社」の売上高は2013年通期(2013年1-12月期)で518億円。LINE事業は343億円で全体の67%を占めている。売上構成比は、ゲーム課金が約60%、スタンプ課金が約20%。そのほか公式アカウントやスポンサードスタンプとなっているが、新サービス導入により、2014年度は売上高拡大と構成比の大きな変動が予想される。
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