IoTとは「Internet of Things(モノのインターネット)」の略で、"インターネットに接続できるのはパソコンのみ"という状態から、あらゆるモノがネットに接続可能になる状態を指す。IoTという概念自体は1980年代から存在し、繰り返し議論されてきたが、技術の発展により実用に向けての動きが活発となっている。
IoTでは、モノに各種センサーを付けて、その状態をネットを介してモニタリングしたりコントロールしたりすることにより、安全で快適な生活を実現しようとしている。また、ネットを介して計測データ、センサーデータ、制御データの交換をし、様々な課題解決が実現される。
現在、以下のようなパターンが実現されている。
- 環境モニタリング:温度、湿度、気圧、照度、騒音等環境に関するもの
- モーションモニタリング:モノや動物・人の動き(衝撃、振動、傾斜、転倒、落下、移動等)に関するもの
- モノの位置を知る:モノの位置(存在検知、近接検知、通過検知)を知ることができる
- モノの開閉を知る:ドア、窓、戸棚、引き出しなどの開閉を知ることができる
- 離れたモノを操作する:エアコンの電源を入切する、照明の制御などができる
ドイツの「インダストリー4.0」にみられるスマートファクトリー、アメリカの「インダストリアル・インターネット・コンソーシアム」でGEが開発したIoTプラットフォーム「Predix」、コマツの「コムトラックス」などBtoB分野で大々的にすすめられており、ビジネスが活発になってきている。
アメリカのNest「Nest Learning Thermostat」は家屋の温度調節をする機器で、温度センサーとヒーターやエアコンのコントローラーが合体したようなものである。部屋の温度をセンサーで常に監視していて、ユーザーが設定した快適な温度になるようにエアコンやヒーターを随時動かして調節する。初期こそ手動で操作する必要があるが、人工知能が搭載されているため、使っていくうちに"学習"し、慣れてくると時間帯ごとの適切な温度を察して自動で調整するようになる。米国の家電量販店・ホームセンターでは、サーモスタットカテゴリで販売台数1位になり、すでに100万台近く売れているという。
この他、リストバンドを付けるだけで歩数・消費カロリー・睡眠状態・心拍数などが計測でき、結果をスマートフォンで確認できる「Fitbit」、歯磨き状態のセンシングから正しい歯磨きの指導をしてくれるサンスターの「G・U・M PLAY」等、BtoC向けサービスが続々登場している。
IoT事例:サンスター「G・U・M PLAY」
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