
ペイオフ(pay off)とはもともと「支払う、清算する」という意味です。ここから、ペイオフはふたつの意味を持っています。ひとつは「預金を預けている金融機関が破綻した場合に、預金者に預金保険金を支払う」という預金者を保護する意味で用いられます。もうひとつは「金融機関が破綻した場合、保険対象となる預金を一定限度まで預金者に払い戻して、そのうえで金融機関を清算すること」というを破綻処理方法のひとつを意味します。
この制度は1970年代に作られましたが、一度も実施されたことはありません。90年代の信用組合破綻などを期に金融危機が発生することを危惧した政府が緊急措置として95年6月に凍結しました。そして96年に2001年3月までの特例として預金の全額保護を決定しました。
「ペイオフ解禁」「ペイオフの凍結解除」とは全額保護の特例措置をやめて、1金融機関につき預金者1人当り1,000万円までの元本とその元本に係る利息額が保護されることに戻すことを言います。(1,000万円を超える部分とその利息については、破綻した金融機関に残された財産に応じて払い戻されます。まったく保護されないという訳ではありません。)
解禁延期や部分的な措置を経て、2005年4月1日に解禁となりました。
そもそも預金は「預金保険制度」によって守られています。これは昭和初期の金融恐慌の教訓から金融不安が起きないよう、預金者を保護する制度です。昭和46年に預金保険法に基づき、政府、日本銀行、民間金融機関の出資によって設立された預金保険機構によって運営され、日本国内に本店を置く全ての金融機関が加入しています。金融機関が破綻した場合に預金者に支払われる保険金は、この預金保険機構から支払われます。
この預金保険制度により、預金者は安心して金融機関に預金ができ、金融機関も預金者からの信用を得てきました。もし破綻しても、この制度により、損失は国がカバーしてくれたからです。
しかし、こうした保護のもとでは金融機関は経営努力を怠ることがあります。預金者も金融機関の経営状態を見定めずに預金をするようになり、両者ともリスクに対しての意識が低くなります。また金融不安が起こらぬように、国が税金を投入して金融機関を何度も援助していたことが、さらにリスクに対する意識を低下させるという指摘もあります。
ペイオフ解禁は、預金者にリスクを取らせることにより、預金者の金融機関に対する目を厳しくさせます。金融機関は預金者に、より良いサービス、情報提供をするなどの経営努力、経営の健全化をすることが必要になります。
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