商談のクロージングをあなたはどのように工夫しているだろう。今回は「キュー」を送ることを提案したい。
ここでいう「キュー」とは、テレビ局の番組ディレクターが、出演者に向かって、演技や話、歌などを「開始してください」と指示する時に使われる、あの「キュー!」である。
商談でのキュー出しの仕方は、第33回でご案内した「プロスペクト理論の活用」も有効であり、「買わないことによって生じる損失を強調して伝える」こともクロージングの説得に有効だ。今回は、これに加えて「問題刺激」と「解決刺激」という方法をご案内する。
(1)問題刺激:現実の状態に気づきを与えること
図表.「キュー」を送る
例えば、「洋服が汚れていますが、お気づきですか?」といったもので、ここにプロスペクト理論の活用を加えると「自動車の任意保険に入っていないと、こんなに大変ですよ!」といったものになる。
(2)解決資源:理想的な状態を提示すること
例えば、「新しいスタイルの洋服を買えば、あなたが流行に敏感な人だと思われますよ」といったもの。鰻屋さんの煙も、鰻を食べた後の満腹感、満足感ということを想像させる役割を担っていると捉えることができる
商談クロージングの時のあと一押しの説得話法として、問題刺激や解決刺激といった方法を活用してみてはどうだろうか。
参照コンテンツ
おすすめ新着記事
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 管理職は筋トレ率2倍! 20〜30代の美容・健康意識が市場をけん引
健康意識の高まりや筋トレブームなどを背景に、プロテイン関連市場が成長しており、高たんぱくをうたうお菓子や、レトルト食品なども目にするようになった。今回は、プロテイン食品をどのような人が利用しているのかについて調査した。
成長市場を探せ コロナも値上げも乗り越えて成長するドラッグストア(2025年)
ドラッグストアが伸びている。コロナ禍でも医薬品や消毒薬、マスク、日用品などが好調で成長を続けた。2014年から23年の10年間で、チェーンストアの販売額がほぼ横ばい、コンビニエンスストアでも約1.2倍なのに対して、同期間でのドラッグストアの売上高はほぼ1.7倍に達する。
消費者調査データ キャッシュレス決済 利用経験ついに5割超え 「PayPay」独走態勢なるか
成長著しいキャッシュレス決済サービスのブランドを調査。コード決済の雄、「PayPay」の強さが際立つ結果となった。全項目で首位を獲得したうえに、認知率はほぼ8割、経験率は5割をこえて6割に迫り、全体の半数に利用意向がみられる。