2020年のチョコレートの小売金額は、インバウンド需要の減少などで前年比2.8%減の5,470億円となった(全日本菓子協会)。
今回は、当社が任意に選んだチョコレート31ブランドについて、「知っている(認知)」「3ヶ月以内に広告などを見た(広告接触)」「3ヶ月以内に店頭などで見た(店頭接触)」「買って食べたことがある(購入経験)」「最近3ヶ月以内に買って食べた(3ヶ月以内購入)」、さらに「今後(も)食べたい(今後意向)」と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」という7項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回の調査では、前回(2021年1月版)5項目で首位を獲得した明治の「チョコレート効果」が3項目で首位、前回は2項目で2位となった「明治ミルクチョコレート(明治)」が2項目で首位と、明治のチョコレートの強さが目立った。続くのはロッテの「ガーナチョコレート」で、認知で首位、購入経験で2位、3ヶ月以内購入や購入意向で3位となった。
高カカオポリフェノール含有商品として1998年に発売された「チョコレート効果」は、広告接触、店頭接触では首位を獲得したが、購入経験では7位であった。しかし3ヶ月以内購入は首位、再購入意向も68.4%と3位に入っている。認知や購入経験では、1926年発売の「明治ミルクチョコレート」や1964年発売の「ガーナチョコレート」に及ばないものの、普段から購入されており、固定ファンもついていると考えられる。
再購入意向のトップ10を見ると、首位にリンツの「エクセレンス」、4位にフェレロの「ロシェ」と高級輸入チョコレートが入る一方、明治の「明治TANPACT(タンパクト)」「チョコレート効果」といった機能面を訴求するチョコレートや、「みなさまのお墨付き(西友)」や「トップバリュのチョコレート(イオン)」などのPBもランクインしている。また、上位7割までが再購入意向60%以上と高く、多様なチョコレートがファンを獲得していることが分かる。
チョコレート市場は、コロナ禍でインバウンド需要は激減したものの、巣ごもり需要で家庭用の大袋や板チョコなどは好調だったという。メーカー各社は、ロングセラーブランドを中心に、健康やプレミアム感、大容量などを訴求したアイテムを充実させた。年間の一大イベントであるバレンタインも、2021年は前年割れだったものの、今年はプラスが予想されており、メーカー各社は、主力ブランドを軸に「おうち時間」を楽しむバレンタインの訴求に注力している。競争力のあるブランドがひしめくチョコレート市場の今後が注目される。
- 注目ランキング
-
- 3ヶ月以内購入
- チョコレート効果(明治) 16.9%
- 明治ミルクチョコレート(明治) 11.8%
- ガーナチョコレート(ロッテ) 10.2%
- 再購入意向
- エクセレンス(リンツ) 75.4%
- 明治TANPACT(タンパクト)(明治) 71.7%
- チョコレート効果(明治) 68.4%
- 3ヶ月以内購入
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ調査概要
提示31ブランド
- チョコレート効果(明治)
- 明治ザ・チョコレート(明治)
- 明治ミルクチョコレート(明治)
- 明治ブラックチョコレート(明治)
- メルティーキッス(明治)
- ガルボ(明治)
- オリゴスマート(明治)
- 明治TANPACT(タンパクト)(明治)
- ガーナ(ロッテ)
- クランキー(ロッテ)
- 紗々(ロッテ)
- ZERO(ロッテ)
- 乳酸菌ショコラ(ロッテ)
- バッカス/ラミー(ロッテ)
- 神戸ショコラ(江崎グリコ)
- リベラ(江崎グリコ)
- GABA(江崎グリコ)
- ダース(森永製菓)
- 森永チョコレート(森永製菓)
- カレ・ド・ショコラ(森永製菓)
- シールド乳酸菌チョコレート(森永製菓)
- ルックチョコレート(不二家)
- ハイショコラ(ブルボン)
- ボノボン(ヤマキン)
- チロルチョコ(チロル)
- ロシェ(フェレロ)
- エクセレンス(リンツ)
- キスチョコ(ハーシー)
- セブンプレミアムのチョコレート
- トップバリュのチョコレート
- みなさまのお墨付きのチョコレート(西友)
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2021年12月10日(金)~12月15日(水)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,042サンプル
サンプル構成(%)
参照コンテンツ
- 企画に使えるデータ・事実 成長市場を探せ チョコレート(2019年版)
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第81号 変わるバレンタインデー ~"恋する日"から"感謝の日"へ
- 戦略ケース スイーツのジレンマ 欲望と罪悪感の狭間で成長するチョコレート市場(2017年)
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 広く浸透する食品PB、高まる品質評価(2022年)
- MNEXT 眼のつけどころ ブランドのロングセラー化の鍵は「うまいマンネリ」づくり―市場溶解期のブランド再構築(2017年)
- MNEXT 2022年の消費の読み方-価値拡張マーケティング(2021年)
- JMRからの提案 コロナからの、KAITOU ターゲットスライド、40代女性、食生活(2022年)
- JMRからの提案 コロナからの、KAITOU 経験財化、ブランド選択、チャネル(2022年)
おすすめ新着記事
消費者調査データ レトルトカレー(2024年11月版) 首位「咖喱屋カレー」、3ヶ月内購入はダブルスコア
調査結果を見ると、「咖喱屋カレー」が、再購入意向を除く5項目で首位を獲得した。店頭接触、購入経験で2位に10ポイント以上の差をつけ、3ヶ月内購入では2位の「ボンカレーゴールド」のほぼ2倍の購入率となった。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 伸長するパン市場 背景にある簡便化志向や節約志向
どんな人がパンを食べているのか調べてみた。主食として1年内に食べた頻度をみると、食事パンは週5回以上食べた人が2割で、特に女性50・60代は3割前後と高かった。パン類全体でみると、朝食で食事パンを食べた人は女性を中心に高く、特に女性50代は6割以上であった。
成長市場を探せ コロナ禍の落ち込みから再成長する惣菜食市場
コロナ禍で打撃を受けた市場のひとつに惣菜市場がある。特に外出自粛の影響を受けた百貨店の惣菜などが落ち込んだ。しかし、翌21年には早くも持ち直し、22年、23年と2年連続で過去最高を更新した。