2023年のレトルトパウチ(レンジ非対応の不透明の中袋入り)のカレーの生産量は、箱数ベースで前年比95.6%で着地した(日本缶詰びん詰レトルト食品協会)。カレーの消費量の減少というよりも、近年急速に普及が進むレンジ対応カレーへの置き換えの結果とみられる。
今回は、当社が任意に選んだレトルトカレー(レンジ対応商品も含む)24ブランドについて、「知っている(認知)」「3ヶ月以内に店頭などで見た(店頭接触)」「買って食べたことがある(購入経験)」「最近3ヶ月以内に買って食べた(3ヶ月以内購入)」、さらに「今後(も)食べたい(今後意向)」と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」という6項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
調査結果を見ると、1999年発売のロングセラー、「咖喱屋カレー(ハウス食品)」が、再購入意向を除く5項目で首位を獲得した。「咖喱屋カレー」は店頭接触、購入経験で2位に10ポイント以上の差をつけ、3ヶ月内購入では2位の「ボンカレーゴールド(大塚食品)」のほぼ2倍の購入率となり、前回(2023年11月版)と同様、トップメーカーの主力ブランドらしい強さをみせた。
「咖喱屋カレー」を追うのは、こちらもロングセラーの「ボンカレーゴールド」で、店頭接触、購入経験、3ヶ月内購入、今後の購入意向の5項目で2位を獲得した。また、「プロクオリティ ビーフカレー(ハウス食品)」は、認知や購入経験では10位内に入っていないにも関わらず、3ヶ月内購入では3位、再購入意向では5位に入っている。ユーザー層の広がりではロングセラーブランドには及ばないものの、固定ファンの存在するブランドといえる。
再購入意向をみると、首位は「噂の名店(S&B食品)」、2位は「選ばれし人気店(ハウス食品)」、3位は「セブンプレミアムのレトルトカレー(セブン&アイ)」、4位は「無印良品のレトルトカレー(良品計画)」と続く。いずれも「家庭のカレー」というよりも、欧風やエスニックなど専門店のようなラインナップが目立つブランドだ。手軽に外食気分が味わえるレトルトカレーには、固定ファンが育っているといえる。
従来のレトルトパウチのカレー市場は縮小しているが、レンジ対応レトルトの商品を含めると、レトルトカレー市場は堅調とみられている。強いロングセラーの一方で、相次ぐ食品値上げなどで節約志向が強まったことで、1食あたりの単価の安い複数パックのソースタイプの商品や、外食に比べればコストパフォーマンスに優れる名店系の商品などレトルトカレーの多様化はますます進み、個食や簡便化志向などを背景にアップトレンドは続いていくとみられている。
「消費社会白書2025」のご案内
30年の長いトンネルを抜けて、そこは「灼熱の真冬」だった。2024年の消費は、経済史において消費転換の年だったと明記されるかもしれない。
- 注目ランキング
-
- 3ヶ月内購入
- 咖喱屋カレー(ハウス食品) 16.6%
- ボンカレーゴールド(大塚食品) 8.4%
- プロクオリティ ビーフカレー(ハウス食品) 6.7%
- 無印良品のレトルトカレー(良品計画) 6.0%
- 再購入意向
- 噂の名店(S&B食品) 64.3%
- 選ばれし人気店(ハウス食品) 61.1%
- セブンプレミアムのレトルトカレー(セブン&アイ) 59.1%
- 無印良品のレトルトカレー(良品計画) 59.0%
- 3ヶ月内購入
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ調査概要
提示24ブランド
- 咖喱屋カレー(ハウス食品)
- プロクオリティ ビーフカレー(ハウス食品)
- ククレカレー(ハウス食品)
- カレーマルシェ(ハウス食品)
- レトルト ザ・ホテル・カレー(ハウス食品)
- 選ばれし人気店(ハウス食品)
- レトルト ジャワカレー(ハウス食品)
- カレー曜日(S&B食品)
- ディナーカレー レトルト(S&B食品)
- ホテルシェフ仕様 欧風ビーフカレー(S&B食品)
- 噂の名店(S&B食品)
- ボンカレーゴールド(大塚食品)
- ボンカレーネオ(大塚食品)
- 銀座カリー(明治)
- インドカリー(新宿中村屋)
- LEE(江崎グリコ)
- カレー職人(江崎グリコ)
- ヤマモリ タイカレー(ヤマモリ)
- 無印良品のレトルトカレー(良品計画)
- みなさまのお墨付きのレトルトカレー(西友)
- セブンプレミアムのレトルトカレー(セブン&アイ)
- Easy to Useのレトルトカレー(イオン)
- ローソンセレクトビーフカレー
- ファミリーマートコレクションのレトルトカレー
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2024年9月27日(金)~9月30日(月)
調査対象者:インターネットモニター 20歳~69歳 全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,012サンプル
サンプル構成(%)
参照コンテンツ
おすすめ新着記事
消費者調査データ サブスクリプションサービス 広く利用される「プライムビデオ」、音楽サブスクには固定ファンも
調査結果を見ると、「Amazon プライムビデオ」が全項目で首位となった。「プライムビデオ」は認知率で認知率は8割強、利用経験では唯一4割強、今後の利用意向でも3割を超えている。
成長市場を探せ コロナ禍の壊滅的状況からV字回復、売上過去最高のテーマパーク
コロナ下では長期休業や入場制限などを強いられ、壊滅的ともいえる打撃を被ったテーマパーク市場、しかし、コロナが5類移行となった2023年には、売上高は8,000億円の大台を突破、過去最高を記録した。
消費者調査データ シャンプー(2024年11月版) 「ラックス」と「パンテーン」、激しい首位争い
調査結果を見ると、「ラックス(ユニリーバ)」と「パンテーン(P&G)」が複数の項目で僅差で首位を競り合う結果となった。コロナ禍以降のセルフケアに対する意識の高まりもあって、シャンプー市場では多様化、高付加価値化が進んでいる。ボタニカルやオーガニック、ハニーやアミノ酸などをキーワードに多様なブランドが競うシャンプー市場の今後が注目される。