炭酸飲料の市場は、2019年は冷夏の影響で微減となったものの、ここ15年ほどアップトレンドが続いている(全国清涼飲料連合会)。
今回は、当社が任意に選んだ炭酸飲料35ブランドについて、「知っている(認知率)」、「買って飲んだことがある(経験率)」、最近3ヶ月以内における「広告・記事を見たことがある(広告接触)」「店頭などで見たことがある(店頭接触)」、「3ヶ月以内に買って飲んだ(3ヶ月内購入)」、さらに「今後(も)買って飲みたい(今後意向)」と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」という7項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回の調査でも、前回(2019年8月版)、前々回(2018年6月版)と同様、再購入意向を除く6項目で「コカ・コーラ(日本コカ・コーラ)」が首位を獲得した。2位以下には、「三ツ矢サイダー(アサヒ飲料)」、「キリンレモン(キリンビバレッジ)」、「カルピスソーダ(アサヒ飲料)」、「ファンタ(日本コカ・コーラ)」、「オランジーナ/レモンジーナ(サントリー)」などが、項目ごとに順位を入れ替えながら僅差でひしめいている。
ユーザーのロイヤリティの指標である再購入意向では、母数は少ないながら、イオンと西友のプライベートブランドがワンツー・フィニッシュとなった。また、3位に機能性表示食品の「キリンメッツプラス(キリンビバレッジ)」、5位にはトクホの「三ツ矢サイダーW(アサヒ飲料)」が入った。コストパフォーマンスや機能性などが、リピート意向につながったとみられる。
今年上半期、炭酸飲料は新型コロナウイルスの影響で業務用需要が大きく減少したが、家庭用需要については拡大、特に大容量サイズと無糖炭酸水が好調である。無糖炭酸水は、外出自粛などで外出が減り宅飲みが増えたことから、割り材としても利用されている。AmazonやネットスーパーなどのECチャネルでの販売が伸びているという。一方、自動販売機やコンビニでの売り上げは苦戦が伝えられる。特に、コンビニは新商品の浸透に大きな役割を果たすチャネルだ。清涼飲料全体でみても、4月は2割近い落ち込みだった。いまだに新型コロナウイルスの感染は終息の見込みが立っていない。イベントの自粛や規模縮小、リモートワークなどが続いており、最需要期を迎えても飲料への逆風は続く。底力の試される夏となりそうだ。
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ- コカ・コーラ(日本コカ・コーラ)
- コカ・コーラ ゼロ(日本コカ・コーラ)
- コカ・コーラ プラス(日本コカ・コーラ)
- コカ・コーラ ゼロカフェイン(日本コカ・コーラ)
- ファンタ(日本コカ・コーラ)
- スプライト(日本コカ・コーラ)
- カナダドライ(日本コカ・コーラ)
- カナダドライ ザ・タンサン(日本コカ・コーラ)
- ペプシ ジャパン コーラ(サントリー)
- ペプシコーラ(サントリー)
- ペプシスペシャルゼロ(サントリー)
- オランジーナ / レモンジーナ(サントリー)
- C.C.レモン(サントリー)
- デカビタC(サントリー)
- 天然水スパークリング(サントリー)
- サントリー天然水 サイダー(サントリー)
- キリンメッツ(キリンビバレッジ)
- キリンメッツ 超刺激クリア(キリンビバレッジ)
- キリンメッツプラス(キリンビバレッジ)
- メッツ コーラ(キリンビバレッジ)
- キリンレモン(キリンビバレッジ)
- 三ツ矢サイダー(アサヒ飲料)
- 三ツ矢サイダーW(アサヒ飲料)
- ウィルキンソン タンサン(アサヒ飲料)
- アサヒ ドデカミン(アサヒ飲料)
- カルピスソーダ(アサヒ飲料)
- リボンシトロン / リボンナポリン(ポッカサッポロ)
- キレートレモン(ポッカサッポロ)
- おいしい炭酸水(ポッカサッポロ)
- ヘルシアスパークリング(花王)
- セブンプレミアム 強炭酸水
- セブンプレミアムのサイダー
- トップバリュベストプライス コーラ / サイダー
- トップバリュ炭酸水
- みなさまのお墨付き 強炭酸水(西友)
調査期間:2020年6月11日(木)~6月15日(月)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,050サンプル
サンプル構成(%)
参照コンテンツ
特集:コロナ禍の消費を読む
- MNEXT 眼のつけどころ 市場「アップダウン」期のマーケティング戦略―コロナ後、消費の反発力はどこへ向かう?(2021年)
- MNEXT 眼のつけどころ コロナの出口シナリオとV字回復戦略―日本の「隔離人口」は約39%(2021年)
- MNEXT 眼のつけどころ 2021年「消費社会白書」の中間総括 「きちんとした」私と「ヒトとの結縁」を守る価値へ転換―id消費へ
- MNEXT 眼のつけどころ 新型コロナ禍で消費はどう変わるか-シンクロ消費と欲望の姿態変容
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第125号 認知率100%!ウィズコロナ時代を楽しむ「GoToキャンペーン」
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第122号 働き方の多様化が後押しするデリバリーサービス利用
- 企画に使えるデータ・事実 消費支出
- 企画に使えるデータ・事実 旅行業者取扱高
- 消費からみた景気指標
おすすめ新着記事
消費者調査データ レトルトカレー(2024年11月版) 首位「咖喱屋カレー」、3ヶ月内購入はダブルスコア
調査結果を見ると、「咖喱屋カレー」が、再購入意向を除く5項目で首位を獲得した。店頭接触、購入経験で2位に10ポイント以上の差をつけ、3ヶ月内購入では2位の「ボンカレーゴールド」のほぼ2倍の購入率となった。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 伸長するパン市場 背景にある簡便化志向や節約志向
どんな人がパンを食べているのか調べてみた。主食として1年内に食べた頻度をみると、食事パンは週5回以上食べた人が2割で、特に女性50・60代は3割前後と高かった。パン類全体でみると、朝食で食事パンを食べた人は女性を中心に高く、特に女性50代は6割以上であった。
成長市場を探せ コロナ禍の落ち込みから再成長する惣菜食市場
コロナ禍で打撃を受けた市場のひとつに惣菜市場がある。特に外出自粛の影響を受けた百貨店の惣菜などが落ち込んだ。しかし、翌21年には早くも持ち直し、22年、23年と2年連続で過去最高を更新した。