2019年のRTD(Ready to Drink:そのまますぐ飲める缶入りのチューハイやハイボールなどのアルコール飲料)市場は、前年比12%増の2億2,975万ケースと12年連続で拡大を続けている(サントリー)。
今回は、当社が任意に選んだRTD36ブランドについて、「知っている(認知)」、「3ヶ月以内に広告などを見た(広告接触)」「3ヶ月以内に店頭などで見た(店頭接触)」「買って飲んだことがある(購入経験)」、「最近3ヶ月以内に買って飲んだ(3ヶ月以内購入)」、さらに「今後(も)飲みたい(今後意向)」と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」という7項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回のランキングでも、前回(2020年1月版)と同様、キリンの「キリン 氷結(以下氷結)」が複数の項目で首位を獲得した。「氷結」は、認知、店頭接触、購入経験、今後の意向で首位を獲得した。3ヶ月内購入ではサントリーの「ほろよい」に首位を譲ったが、その差は0.8ポイントとほぼ横並びだ。
「氷結」とデッドヒートを演じているのが「ほろよい(サントリー)」だ。「ほろよい」は、3ヶ月内購入で単独首位、今後の意向で「氷結」と同率首位、認知、店頭接触、購入経験で2位につけている。
今回の注目ポイントのひとつが「檸檬堂(日本コカ・コーラ)」の躍進だ。前回(2020年1月版)は3ヶ月内購入では11位、再購入意向は3位に入ったが、認知や購入経験は20位圏外だった。今回は広告接触で首位を獲得したほか、店頭接触で4位、購入経験で9位、3ヶ月内購入と今後の意向では「氷結」「ほろよい」に続く3位につけた。再購入意向でも4位に入っている。大量の広告投入や店頭陳列で新規ユーザーを獲得、維持していることが分かる。
「檸檬堂」に代表されるレモンサワーだが、再購入意向ではベスト10内に「レモン」をブランド名に冠した5ブランドがランクインしており、ブームが続いていることが見てとれる。
収束の見えないコロナ禍で外飲みに代わって家飲みが増加、それに伴ってRTDの好調が伝えられる。2020年上半期は前年同期比で2割近い伸びとみられている。メーカー各社もブームのレモンサワーをはじめとして、高級感や本格感を訴求した新商品や、健康志向を打ち出した新商品などで市場の一層の拡大を図っている。アルコール市場での数少ない成長分野であるRTDの今後が注目される。
- 注目ランキング
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- 3ヶ月以内購入
- ほろよい(サントリー) 13.9%
- キリン 氷結(キリン) : 13.1%
- 檸檬堂(日本コカ・コーラ) 8.6%
- 今後の意向
- キリン 氷結(キリン) : 19.0%
- ほろよい(サントリー) 19.0%
- 檸檬堂(日本コカ・コーラ) 11.2%
- 3ヶ月以内購入
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ調査概要
提示36ブランド
- 贅沢搾り(アサヒビール)
- THE 檸檬 CRAFT(アサヒビール)
- もぎたてSTRONG(アサヒビール)
- ウィルキンソンRTD(アサヒビール)
- 端麗辛口ハイボール(アサヒビール)
- カクテルパートナー(アサヒビール)
- Slat(すらっと)(アサヒビール)
- カルピスサワー(アサヒビール)
- キリン 氷結(キリン)
- キリン 氷結ストロング(キリン)
- キリン・ザ・ストロング(キリン)
- 麒麟特製(キリン)
- キリン ベジバル(キリン)
- キリン 麹レモンサワー(キリン)
- キリン 本搾りチューハイ(キリン)
- -196℃ ストロング・ゼロ(サントリー)
- ほろよい(サントリー)
- カロリ。(サントリー)
- こくしぼり(サントリー)
- サントリー角ハイボール(サントリー)
- サントリーこだわり酒場のレモンサワー(サントリー)
- サッポロチューハイ99.99(サッポロビール)
- サッポロ レモン・ザ・リッチ(サッポロビール)
- サッポロキレートレモンサワー(サッポロビール)
- サッポロ男梅サワー(サッポロビール)
- 檸檬堂(日本コカ・コーラ)
- タカラcan チューハイ(宝酒造)
- タカラ焼酎ハイボール(宝酒造)
- 寶 極上レモンサワー(宝酒造)
- ウメッシュ(チョーヤ)
- さらりとした梅酒(チョーヤ)
- ザ・チョーヤ 梅プレッソ(チョーヤ)
- ギュギュっと搾ったサングリア(メルシャン)
- トップバリュのチューハイ/ハイボール(イオン)
- セブンプレミアムのチューハイ/ハイボール(セブン&アイ)
- みなさまのお墨付きチューハイ/ハイボール(西友)
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2021年1月8日(金)~1月13日(水)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,011サンプル
サンプル構成(%)
参照コンテンツ
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