2021年のノンアルコール飲料市場は、6年連続で拡大、対前年111%の2,570万ケースに達したと推計されている(サントリー)。
今回は、当社が任意に選んだノンアルコール飲料29ブランドについて、「知っている(認知)」「3ヶ月以内に広告などを見た(広告接触)」「3ヶ月以内に店頭などで見た(店頭接触)」「買って飲んだことがある(購入経験)」「最近3ヶ月以内に買って飲んだ(3ヶ月以内購入)」、さらに「今後(も)飲みい(今後意向)」と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」という7項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回の調査でも、前回(2021年7月版)と同様、サントリーの「オールフリー」、アサヒビールの「アサヒ ドライゼロ」が複数項目で首位を争う結果となった。認知や広告接触では「オールフリー」がリードしているが、3ヶ月内購入と今後の購入意向では、「オールフリー」と「アサヒ ドライゼロ」はともに同率首位である。
この2ブランドを前回と比べてみると、3ヶ月以内購入は微増程度だが、認知は「オールフリー」が45.8%から57.2%、「アサヒ ドライゼロ」が41.6%から45.8%に、購入経験は「オールフリー」が16.0%から23.3%、「アサヒ ドライゼロ」が14.0%から19.1%にそれぞれ増加した。
3位争いはサントリーの「のんある気分」、キリンビールの「零ICHI(ゼロイチ)」チョーヤ梅酒の「酔わないウメッシュ」が入っている。
また、新しいカテゴリーとして注目されている"微アルコール"のアサヒビール「ビアリー」(アルコール度数0.5%)は、広告接触が12.9%で首位、購入経験が6.8%で6位、3ヶ月以内購入が5.1%で3位、購入意向は4.9%で6位だった。前回は広告接触以外はベスト10外だったことを考えると、広告をフックにして急速に浸透していることがうかがえる。
再購入意向の10位までを見ると、上位2ブランドが梅酒テイスト、3位がラインナップにレモンサワーを含むチューハイテイスト、4~6位がビールテイストとなっている。うち半数は母数が40人未満で、残りも80人に届かない。固定ファン層はまだ小さく、今後が注目されるブランド群がひしめいているといえる。
コロナ禍で強まる健康志向を背景に、ノンアルコール飲料市場は拡大を続けている。メーカー各社は商品の拡充に注力し、主流のビールテイストからバラエティ化の動きを加速している。日本コカ・コーラは、ヒット商品となった「檸檬堂」のノンアルタイプ、「よわない檸檬堂」を2月21日に発売、サントリーも、缶入りでワインテイストの「ノンアルでワインの休日」を3月1日に発売する。あえてアルコールを飲まない「ソバーキュリアス」と呼ばれるライフスタイルも注目を集め始めるなか、今後も拡大が期待される市場の動向から目が離せない。
- 注目ランキング
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- 購入経験
- オールフリー(サントリー) 23.3%
- アサヒ ドライゼロ(アサヒビール) 19.1%
- のんある気分(サントリー) 13.0%
- 3ヶ月以内購入
- アサヒ ドライゼロ(アサヒビール) 9.9%
- オールフリー(サントリー) 9.9%
- ビアリー(アサヒビール) 5.1%
- 購入経験
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ調査概要
提示29ブランド
- アサヒ ドライゼロ(アサヒビール)
- アサヒ ドライゼロ フリー(アサヒビール)
- アサヒ ヘルシースタイル(アサヒビール)
- キリン グリーンズフリー(キリン)
- キリンカラダフリー(キリン)
- キリン零ICHI(ゼロイチ)(キリン)
- キリンパーフェクトフリー(キリン)
- オールフリー(サントリー)
- サッポロ プレミアムアルコールフリー(サッポロビール)
- サッポロ うまみ搾り(サッポロビール)
- ホッピー(ホッピービバレッジ)
- 龍馬1865(日本ビール)
- バーリアル3つのフリー(イオン)
- ゼロカク(アサヒビール)
- スタイルバランス(アサヒビール)
- ゼロハイ氷零(キリンビール)
- ノンアルコールチューハイ氷零カロリミット(キリンビール)
- モクバル(キリン)
- のんある気分(サントリー)
- のんある晩酌 レモンサワー ノンアルコール(サントリー)
- サッポロ 国産レモンの檸檬サワーテイスト(サッポロビール)
- 小鶴ZERO(小正醸造)
- 零の雫(福光屋)
- 月桂冠フリー(月桂冠)
- 酔わないウメッシュ(チョーヤ梅酒)
- まるで梅酒なノンアルコール(サントリー)
- メルシャン スパークリングアルコールゼロ(メルシャン)
- ビアリー(アサヒビール)
- ザ・ドラフティ(サッポロビール)
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2022年1月12日(水)~1月19日(水)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,041サンプル
サンプル構成(%)
参照コンテンツ
- 企画に使えるデータ・事実 成長市場を探せ 衣料用液体洗剤(2020年版)
- 戦略ケース 増えるコインランドリーと減少するクリーニング店~変化する市場への対応から需要創造へ~(2017年)
- 戦略ケース 「花王」 × 「P&G」 取引条件透明化で値下げ圧力克服(2007年)
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