2021年のコーヒー飲料の市場は、生産量は前年比100.7%と前年をクリアしたが、販売金額は同98.6%の8,054億円で着地した。前年割れではあったが、2020年の販売金額が同9.7%減であったことを考えると、回復傾向がみられる(全国清涼飲料連合会)。
今回は、当社が任意に選んだコーヒー飲料24ブランドについて、「知っている(認知)」「3ヶ月以内に店頭などで見た(店頭接触)」「買って飲んだことがある(購入経験)」「最近3ヶ月以内に買って飲んだ(3ヶ月以内購入)」、さらに「今後(も)飲みたい(今後意向)」と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」という6項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回の調査でも、前回(2022年2月版)と同様サントリーの「BOSS」と「ジョージア(日本コカ・コーラ)」の2強状態という構図が続いている。「BOSS」は、ほぼ8割という高い認知率に加え、購入経験も4割を超える。3ヶ月内購入も2割、再購入意向以外の6項目で首位とトップブランドらしい強さをみせた。
また、「BOSS」のエクステンションである「CRAFT BOSS(クラフトボス)(サントリー)」が、3ヶ月内購入と今後の購入意向で「ジョージア」を小差ながら上回り2位にランクイン、「BOSS ラテベース」も3ヶ月内購入と今後の購入意向でで6位に入るなど、「BOSS」ブランド全体としてのポテンシャルも高い。
一方、「BOSS」を追う「ジョージア」は、認知率が7割弱、購入経験は3割、3項目で2位だが、前回(2022年2月版)は2.5ポイント差まで肉薄した購入経験が、今回は10.4ポイント差に拡大、同じく3ヶ月内購入も3.1ポイント差から6.6ポイント差に拡大している。
再購入意向をみると、トップは母数が少ないものの「みなさまのお墨付きのコーヒー(西友)」が唯一7割台を獲得しての首位となった。2位から7位までは6割台で、そのなかにはチルドカップやペットボトルなど缶以外で展開するのブランドも目立つ。
コーヒー飲料は、オフィスや外出先での飲用比率が高いことから、コロナ禍の影響を大きく受けた市場のひとつであるが、メーカー各社はペットボトルや割り材で割るタイプなど在宅勤務に対応した商品の発売や、冬場のホット専用商品など新たなシーンを創造する商品を発売、需要拡大に努めてきた。コロナ禍による行動制限も緩和され、街やオフィスに人が戻ってきた2023年、どのようなトレンドが生まれるかが注目される。
- 注目ランキング
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- 3ヶ月内購入
- BOSS(ボス)缶コーヒー(サントリー) 22.5%
- CRAFT BOSS(クラフトボス)(サントリー) 15.9%
- ジョージア(日本コカ・コーラ) 14.1%
- 再購入意向
- みなさまのお墨付きのコーヒー(西友) 70.8%
- マウントレーニア(森永乳業) 64.2%
- CRAFT BOSS(クラフトボス)(サントリー) 62.5%
- 3ヶ月内購入
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ調査概要
提示24ブランド
- BOSS(ボス) 缶コーヒー(サントリー)
- CRAFT BOSS(クラフトボス)(サントリー)
- BOSS(ボス) ラテベース(サントリー)
- ジョージア(日本コカ・コーラ)
- ジョージア ジャパンクラフトマン(日本コカ・コーラ)
- ジョージア カフェボトルコーヒー(日本コカ・コーラ)
- キリンファイア(キリンビバレッジ)
- キリンファイア ワンデイ(キリンビバレッジ)
- タリーズコーヒー(缶)(伊藤園)
- ワンダ(アサヒ飲料)
- ドトール カフェ・オ・レ(アサヒ飲料)
- ポッカコーヒー(ポッカサッポロF & B)
- UCC ミルクコーヒー(UCC 上島珈琲)
- UCC THE COFFEE(UCC 上島珈琲)
- UCC BLACK 無糖(UCC 上島珈琲)
- UCC BLACK COLD BREW(UCC 上島珈琲)
- BEANS & ROASTERS(UCC 上島珈琲)
- ブレンディ ボトルコーヒー(味の素AGF)
- ダイドーブレンドコーヒー(ダイドードリンコ)
- スターバックス チルドカップ(スターバックス)
- マウントレーニア(森永乳業)
- ドトールチルドカップ(メイトー)
- みなさまのお墨付きのコーヒー(西友)
- トップバリュのコーヒー(イオン)
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2023年03月10日(金)~03月13日(月)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,078サンプル
サンプル構成(%)
参照コンテンツ
- 企画に使えるデータ・事実 成長市場を探せ 衣料用液体洗剤(2020年版)
- 戦略ケース 増えるコインランドリーと減少するクリーニング店~変化する市場への対応から需要創造へ~(2017年)
- 戦略ケース 「花王」 × 「P&G」 取引条件透明化で値下げ圧力克服(2007年)
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