No58. 2007年春のビール商戦 -ビール・発泡酒・第三のビール |
||
「キリン・ザ・ゴールド」発売、「スーパードライ」の牙城を崩せるか? | ||
詳細データ(単純集計表・クロス集計表)(LZH形式・有料会員サービス) |
キリンビールが2007年3月20日に新製品「ザ・ゴールド」を発売しました。キリンが定番ビールの新製品を発売するのは17年ぶりです。キリンからアサヒビールへのトップシェア逆転から6年。キリンの創業100周年とアサヒ「スーパードライ」発売20周年という節目の年に、ビール2強が業界リーダーの座を懸けて激突します。 今回は、ビール・発泡酒・第三のビール32ブランドについて、当社のインターネットモニターに行った調査結果を、ランキング形式でお届けします。 ビール系飲料(ビール・発泡酒・第三のビール)それぞれのカテゴリー毎にその浸透状況の特徴を整理する。 【ビール】 飲用経験・3ヶ月内飲用経験・今後飲用意向のランキングで、キリン「一番搾り」「ラガー」とアサヒ「スーパードライ」が上位3位を独占、やや引き離されてサッポロ「エビス」やサントリー「モルツ」が続いている。 注目の「ザ・ゴールド」は、認知63%、飲用経験は2割弱だが、3ヶ月以内に話題ではトップである。しかし、今後飲用意向は14%で全体の8位であるものの、飲用者ベースの今後飲用意向では63%と現在の定番ビールと比較して低い。キリンは初年度販売目標を低めに設定しており、長期的なブランド育成の意図がうかがえる。 【発泡酒】 認知・飲用経験・3ヶ月内飲用経験・話題・今後飲用意向のランキングで、キリンの「淡麗<生>」が他ブランドを引き離してトップとなった。また、「淡麗<生>」に続くのは「淡麗グリーンラベル」であり、アサヒ(贅沢日和)、サッポロ(生搾り)、サントリー(MDゴールデンドライ)が新製品を続々と投入しているにも関わらず、「円熟」と合わせたキリンの独壇場となっている。 【第三のビール】 アサヒ「ぐびなま。」は、3ヶ月内飲用経験・話題でトップを獲得しているものの、今後飲用意向・飲用者ベースの今後飲用意向ではキリン「のどごし<生>」に後れをとった。特に、飲用者ベースの今後飲用意向では、「のどごし<生>」が75%、「ぐびなま。」は61%と、10ポイント以上も水をあけられている。アサヒはシェア確保のため、同カテゴリーで、「極旨(ゴクうま)」「新生3」を展開しているが、資源の分散化が懸念される。 キリンは「ザ・ゴールド」を「ラガー」「一番搾り」とのマルチブランド戦略の一角を担う商品に育成し、18年連続1億ケース超のメガブランド「スーパードライ」の封じ込みを図る狙いだが、今回の調査でその成否を判断するのは早計であろう。 また、今回注目したいのは、「3ヶ月内自宅飲酒者ベース・今後意向者ランキング」で上位に入った、「サントリー・ダイエット生」と「サッポロ・Slims(スリムス)」の発泡酒の2ブランドである。どちらもカロリーや糖質を大幅カットした健康訴求ブランドで、前回調査(2006年)と比べると母数が減少しているが、リピート意向率は上昇している。健康志向者を対象としたニッチ市場で、顧客固定化に成功する可能性を示した。 | ||||||||||
| ||||||||||
| ||||||||||
参照コンテンツ
|