
サンケア関連市場は10年連続で拡大を続けてきたが、2020年は外出機会の減少やインバウンド需要の消失などにより前年比80.3%と大きく落ち込んだ(経済産業省「生産動態統計」日焼け止め及び日焼け用化粧品 出荷金額)。
今回は、当社が任意に選んだ日焼け止め28ブランドについて、「知っている(認知率)」「3ヶ月以内に広告をみた(広告接触)」「3ヶ月以内に店頭でみた(店頭接触)」「買って使ったことがある(購入経験)」「3ヶ月以内に買って使った(3ヶ月以内購入)」「今後(も)買って使いたい(購入意向)」「購入経験者ベースの今後の購入意向(再購入意向)」などの項目についてインターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回の調査でも、前回(2020年6月版)と同様、複数の項目で花王の「ビオレUV 日焼け止め(以下、ビオレ)」が首位を獲得した。「ビオレ」は、前回は広告接触で資生堂の「アネッサの日焼け止め(以下、アネッサ)」に首位を譲ったが、今回は再購入意向を除く6項目で首位を獲得した。「ビオレ」は、数量ベースでは2006年からシェアトップ、金額ベースでも2020年にシェアトップを獲得しており、トップブランドらしい強さをみせた。
「ビオレ」に続くのは、「アネッサ」と「ニベアサンの日焼け止め(花王。以下、ニベアサン)」が項目ごとに順位を変えながら競っている。4位には広告接触や購入経験ではカネボウ化粧品の「アリィーの日焼け止め」があがってくるが、3ヶ月以内購入と今後の意向ではロート製薬の「スキンアクアモイスチャージェル日焼け止め(以下、スキンアクアモイスチャージェル)」が入った。この「スキンアクアモイスチャージェル」は、再購入意向では80.4%を得て首位となった。
コロナ禍で化粧品市場全体が縮むなか、「マスク焼け」などを気にする人は多く、日焼け止めへのニーズは堅調とみられる。実際に、コロナ前との比較のために2018年8月版と比較してみても、上位ブランドの3ヶ月以内購入や今後の購入意向に大きな差はみられない。今年は、大気汚染や花粉などの外的刺激からのガードや保湿などの機能を備えた新製品が多くみられた。コロナによる健康志向の高まりや、常時マスクを使うことによる肌荒れ対策へのニーズに応えたラインナップだ。マスク移りやマスク擦れ対策も、コロナ下で生まれた新たなニーズだ。日焼け止めは、例年なら需要の最盛期を迎えている時期だが、レジャーやイベント、外出の自粛要請などの逆風は続いている。新常態下でのニーズを取り込みながら、競争は厳しさを増している。
- 注目ランキング
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- 3ヶ月内購入
- ビオレUV 日焼け止め(花王) 8.6%
- ニベアサン日焼け止め(花王) 3.1%
- アネッサ日焼け止め(資生堂) 2.8%
- 再購入意向
- スキンアクアモイスチャージェル日焼け止め(ロート製薬) 80.4%
- ビオレUV 日焼け止め(花王) 71.1%
- ニベアサン日焼け止め(花王) 66.0%
- 3ヶ月内購入
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ
調査概要
提示28ブランド
- ビオレUV 日焼け止め(花王)
- キュレルUV 日焼け止め(花王)
- ニベアサン日焼け止め(花王)
- ニベアメン日焼け止め(花王)
- ソフィーナ日焼け止め(花王)
- アリィー日焼け止め(カネボウ化粧品)
- アネッサ日焼け止め(資生堂)
- SHISEIDOサンケアの日焼け止め(資生堂)
- ベネフィーク日焼け止め(資生堂)
- シーブリーズ日焼け止め(資生堂)
- UVホワイト日焼け止め(資生堂)
- コーセーサンカット日焼け止め(コーセー)
- 雪肌精日焼け止め(コーセー)
- ポーラ ホワイトショットの日焼け止め(ポーラ)
- オルビス日焼け止め
- DHC 日焼け止め
- ちふれ日焼け止め
- ファンケル日焼け止め
- メンソレータムサンプレイ日焼け止め(ロート製薬)
- スキンアクアトーンアップ日焼け止め(ロート製薬)
- スキンアクアモイスチャージェル日焼け止め(ロート製薬)
- サンキラー日焼け止め(伊勢半)
- コパトーン日焼け止め(大正製薬)
- 近江兄弟社MKB 日焼け止め(近江兄弟社)
- UVイデアの日焼け止め(ラ ロッシュ ポゼ)
- トップバリュの日焼け止め
- 無印良品の日焼け止め
- ユースキンの日焼け止め(ユースキン製薬)
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2021年5月14日(金)~5月19日(水)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,016サンプル
サンプル構成(%)


参照コンテンツ
- MNEXT 眼のつけどころ 市場脱皮期の富裕層開拓マーケティング―価格差別化戦略(2021年)
- MNEXT 眼のつけどころ コロナの出口シナリオ(2月版)の更新―2ヶ月遅れのV回復の予兆(2021年)
- MNEXT 眼のつけどころ コロナの出口シナリオとV字回復戦略―日本の「隔離人口」は約39%(2021年)
- オリジナルレポート コロナ下とコロナ後の消費の展望(2021年)
- JMRからの提案 消費動向速報 選択的耐久財や健康・美容関連が牽引、盛り返すネット購買(2021年)
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