2020年のシャンプー市場は国内の出荷数量が前年比7.0%減、出荷金額が同7.4%減となった(経済産業省「生産動態統計調査」)。
今回は、当社が任意に選んだシャンプー33ブランドについて、「知っている(認知率)」、最近3ヶ月以内における「広告・記事を見たことがある(広告接触)」「店頭などで見たことがある(店頭接触)」、「買って使ったことがある(経験率)」、「3ヶ月以内に買って使った(3ヶ月内購入)」、さらに「今後(も)買って使いたい(今後意向)」と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」という7項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回の調査でも、前回(2020年11月版)と同様、再購入意向を除く6項目で、「パンテーン(P&G)」、「ラックス(ユニリーバ)」、「メリット(花王)」の3ブランドが上位を独占した。「メリット」は認知と購入経験で首位、「パンテーン」は広告接触、店頭接触、3ヶ月内購入、今後の購入意向で首位、「ラックス」は6項目で2位である。今回も3ブランド間の差は小さく、4位争いに「TSUBAKI(ファイントゥデイ資生堂)」や「サクセス薬用シャンプー(花王)」、「いち髪(クラシエ)」などがランクインしているが、こちらも項目ごとに順位が入れ替わる激戦だ。
ユーザーのロイヤリティの指標である再購入意向をみると、前回と同様にメンズの商品2品が首位、2位を占め、3位も前回と同様「ボタニスト(I-ne)」が入った。その一方、前回52.0%で4位だった「スカルプD(アンファー)」は30.0%で12位に、前回50.0%で5位の「ルシード薬用シャンプー」は、母数が規定数に届かず参考値ながら21.4%となった。代わりに4位、5位に入ったのは「パンテーン」「ラックス」である。再購入意向でも定番の強さが目立つ結果となった。
シャンプー市場では、ここ数年、オーガニック、エイジング、オイルなどのキーワードが、最近になってSDGsの観点から注目されてきたのが、粉末や固形のシャンプーだ。原材料や製造のために使用される膨大な水を減らせるうえに、液体でないことからプラスチックボトルが不要なためプラスチックの削減にも結び付く。海外では見た目も鮮やかな固形のシャンプーバーや紙容器の粉末シャンプーが発売され、国内でもエコフレンドリーをうたう化粧品メーカーなどから固形シャンプーが発売され始めている。次のトレンドとなるかが注目される動きである。
- 注目ランキング
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- 3ヶ月内購入
- パンテーン(P&G) 10.1%
- ラックス(ユニリーバ) 9.5%
- メリット(花王) 8.6%
- 今後の購入意向
- パンテーン(P&G) 14.3%
- ラックス(ユニリーバ) 13.5%
- メリット(花王) 10.2%
- 3ヶ月内購入
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ調査概要
提示33ブランド
- h&s (P&G)
- ハーバルエッセンス(P&G)
- パンテーン(P&G)
- ダヴ(ユニリーバ)
- モッズヘア(ユニリーバ)
- ティモテ(ユニリーバ)
- ラックス(ユニリーバ)
- クリア(ユニリーバ)
- クリアフォーメン(ユニリーバ)
- アジエンス(花王)
- エッセンシャルダメージケア(花王)
- セグレタ(花王)
- メリット(花王)
- サクセス薬用シャンプー(花王)
- キュレル(花王)
- TSUBAKI(ファイントゥデイ資生堂)
- スーパーマイルド(ファイントゥデイ資生堂)
- マシェリ(ファイントゥデイ資生堂)
- シーブリーズ(ファイントゥデイ資生堂)
- オクト(ライオン)
- 薬用毛髪力(ライオン)
- エルセーヴ(ロレアルパリ)
- サラ(カネボウ化粧品)
- いち髪(クラシエ)
- 海のうるおい藻(クラシエ)
- ルシード薬用シャンプー(マンダム)
- サンスタートニックシャンプー(サンスター)
- スカルプD (アンファー)
- モイストダイアン(ストーリア)
- ボタニスト(I-ne)
- レヴール(ジャパンゲートウェイ)
- ミノン薬用ヘアシャンプー(第一三共ヘルスケア)
- &ハニー モイストシャンプー(&honey)
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2021年10月22日(金)~10月27日(水)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,017サンプル
サンプル構成(%)
参照コンテンツ
- 戦略ケース 快進撃続くTHREE―「ブルーオーシャンターゲティング」で第3の価値創造(2019年)
- 戦略ケース 高成長を長期維持する業務用ヘアケアNo.1「ミルボン」(2018年)
- 戦略ケース 急成長を続ける化粧品ブランド「THREE」 差別化と脱しがらみで日本発の世界ブランドへ(2018年)
- MNEXT 2022年の消費の読み方-価値拡張マーケティング(2021年)
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調査結果を見ると、「ラックス(ユニリーバ)」と「パンテーン(P&G)」が複数の項目で僅差で首位を競り合う結果となった。コロナ禍以降のセルフケアに対する意識の高まりもあって、シャンプー市場では多様化、高付加価値化が進んでいる。ボタニカルやオーガニック、ハニーやアミノ酸などをキーワードに多様なブランドが競うシャンプー市場の今後が注目される。