サンケア関連市場は10年連続で拡大を続けていたが、コロナ禍による外出機会の減少やインバウンド需要の消失などにより2020年は前年比80.3%と大幅減、2021年も93.0%と2桁の減少が続いている(経済産業省「生産動態統計」日焼け止め及び日焼け用化粧品 出荷金額、年間補正前)。
今回は、当社が任意に選んだ日焼け止め30ブランドについて、「知っている(認知率)」「3ヶ月以内に広告をみた(広告接触)」「3ヶ月以内に店頭でみた(店頭接触)」「買って使ったことがある(購入経験)」「3ヶ月以内に買って使った(3ヶ月以内購入)」「今後(も)買って使いたい(購入意向)」「購入経験者ベースの今後の購入意向(再購入意向)」などの項目についてインターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回の調査でも、前回(2021年6月版)と同様、再購入意向を除く6項目で花王の「ビオレUV 日焼け止め(以下、ビオレ)」が首位を獲得した。「ビオレ」は、購入経験で2位の資生堂「アネッサ」に6.2ポイント差、3ヶ月以内購入でも同じく「アネッサ」に4.1ポイント差をつけ、数量、金額ベースでシェアトップの強さをみせた。
「ビオレ」を追う「アネッサ」は6項目で2位、「ニベアUV日焼け止め」(花王)も6項目で3位と続く。そのほか、「アリィー」(カネボウ化粧品)、「キュレルUV日焼け止め」(花王)などが続くが、上位3ブランドからはやや離されている。
再購入意向は前回(2021年6月版)と同様、「スキンアクアモイスチャージェル日焼け止め」(ロート製薬)が首位。前回80.4%だった再購入意向は、今回87.5%とさらに上昇。母数は40と少ないが、堅い固定ファンをつかんでいるブランドといえる。また今回は同じロート製薬の「スキンアクアトーンアップ日焼け止め」も再購入意向で7位にランクイン。長らく化粧品メーカーの独壇場だった日焼け止め市場で存在感を示している。
日焼け止め市場は、厳しい状況が続いているが、国内のニーズは堅調とみられている。日焼け止め使用の通年化に加え、屋内での紫外線やブルーライト対策として在宅でも日焼け止めを使用する人が増えたことなどが背景にある。日焼け止め自体も、ホワイトニング効果のあるものや、トーンアップ効果を前面に出したもの、大気汚染や花粉をブロックする機能をもったものなど、多様なニーズにあわせた製品が発売されている。需要の最盛期を控え、コロナ禍の規制緩和などで人出も回復しつつあることも追い風に、再びの成長が期待される。
- 注目ランキング
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- 3ヶ月以内購入
- ビオレUV 日焼け止め(花王) 7.8%
- アネッサ 日焼け止め(資生堂) 3.7%
- ニベアUV 日焼け止め(花王) 3.5%
- 再購入意向
- スキンアクアモイスチャージェル日焼け止め(ロート製薬) 87.5%
- ビオレUV 日焼け止め(花王) 72.9%
- ニベアUV 日焼け止め(花王) 62.9%
- 3ヶ月以内購入
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ調査概要
提示30ブランド
- ビオレUV 日焼け止め(花王)
- キュレルUV 日焼け止め(花王)
- ニベアUV日焼け止め(花王)
- ニベアメン日焼け止め(花王)
- ソフィーナUVレジスト(花王)
- アリィー日焼け止め(カネボウ化粧品)
- アネッサ日焼け止め(資生堂)
- SHISEIDOサンケアの日焼け止め(資生堂)
- アクアレーベル日焼け止め(資生堂)
- UVホワイト日焼け止め(資生堂)
- コーセーサンカット パーフェクトUV(コーセー)
- コーセーサンカット トーンアップ(コーセー)
- 雪肌精日焼け止め(コーセー)
- ポーラ ホワイトショットの日焼け止め(ポーラ)
- オルビス日焼け止め
- DHC 日焼け止め
- ちふれ日焼け止め
- ファンケル日焼け止め
- メンソレータムサンプレイ日焼け止め(ロート製薬)
- スキンアクアトーンアップ日焼け止め(ロート製薬)
- スキンアクアモイスチャージェル日焼け止め(ロート製薬)
- サンキラー日焼け止め(伊勢半)
- マミー UV 日焼け止め(伊勢半)
- コパトーン日焼け止め(大正製薬)
- 近江兄弟社MKB 日焼け止め(近江兄弟社)
- UVイデアの日焼け止め(ラ ロッシュ ポゼ)
- トップバリュの日焼け止め
- 無印良品の日焼け止め
- ユースキンの日焼け止め(ユースキン製薬)
- &beの日焼け止め(Clue)
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2022年5月13日(金)~5月18日(水)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,049サンプル
サンプル構成(%)
特集:2022年、値上げをどう乗り切るか
特集1.値上げの価格戦略
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- 戦略ケース 値上げと小売業の競争 物価上昇で小売とメーカーは新競争時代に突入(2022年)
- 戦略ケース 値上げの現場 花王―戦略的値上げで収益性向上なるか(2022年)
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- 戦略ケース 値上げか値下げか-消費低迷下の価格戦略(2008年)
- マーケティングFAQ 「需要の価格弾力性」とは
特集2.値上げが企業の収益に与えるインパクトを分析
特集3.消費者は値上げをどう受け止めたのか?
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 2019春の食品値上げラッシュ!値上げ方法で明暗(2019年)
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