2020年のシャンプー市場はコロナ禍で大きく落ち込んだが、2021年は国内の出販売数量が前年比101.9%、出荷金額が同103.0%となった(経済産業省「生産動態統計調査」)。販売数量はコロナ前には及ばないものの、出荷金額はほぼコロナ前の水準に戻った。
今回は、当社が任意に選んだシャンプー35ブランドについて、「知っている(認知率)」、最近3ヶ月以内における「広告・記事を見たことがある(広告接触)」「店頭などで見たことがある(店頭接触)」、「買って使ったことがある(経験率)」、「3ヶ月以内に買って使った(3ヶ月以内購入)」、さらに「今後(も)買って使いたい(今後意向)」と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」という7項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回の調査でも、前回(2021年11月版)と同様、再購入意向を除く6項目で、「パンテーン(P&G)」、「ラックス(ユニリーバ)」、「メリット(花王)」の3ブランドが上位を独占した。「パンテーン」は、広告接触、店頭接触で単独首位、3ヶ月以内購入で「ラックス」と同率首位。「ラックス」は、3ヶ月以内購入で「パンテーン」と同率首位、今後の購入意向で僅差の単独首位となった。「メリット」は、認知、購入経験で首位を獲得した。
4位争いに「TSUBAKI(ファイントゥデイ資生堂)」や「サクセス薬用シャンプー(花王)」、「いち髪(クラシエ)」などが入っているのは前回同様だが、今回は3ヶ月以内購入や購入意向で「h&s(P&G)」や「ボタニスト(I-ne)」などが順位を上げている。
ユーザーのロイヤリティの指標である再購入意向をみると、前回と同様にメンズの商品2品が首位、2位を占めているが、前回12位まで順位を下げた「スカルプD(アンファー)」が2位に返り咲いた。また、3位には前回のランキング外から「& ハニー モイストシャンプー(&honey)」が大きく順位を上げた。
シャンプー市場は多機能化、高付加価値化の動きを強めてきたが、ここ最近、SDGsなどのの観点から、植物性原料や自然志向を訴求した商品が注目を集めてきた。今回の「ボタニスト」や「& ハニー モイストシャンプー」などの躍進もその文脈上にあると考えられる。これまでは専業メーカーの商品が中心だったが、大手メーカーからもオーガニック成分などを訴求した商品が発売されている。パーソナル化、カスタマイズなど新しい動きもみられるシャンプー市場の今後に注目だ。
- 注目ランキング
-
- 3ヶ月以内購入
- パンテーン(P&G) 7.9%
- ラックス(ユニリーバ) 7.9%
- メリット(花王) 6.4%
- 再購入意向
- クリアフォーメン(ユニリーバ) 63.6%
- スカルプD (アンファー) 61.4%
- & ハニー モイストシャンプー(&honey) 58.7%
- 3ヶ月以内購入
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ調査概要
提示35ブランド
- h&&s (P&G)
- ハーバルエッセンス(P&G)
- パンテーン(P&G)
- ダヴ(ユニリーバ)
- モッズヘア(ユニリーバ)
- ティモテ(ユニリーバ)
- ラックス(ユニリーバ)
- クリア(ユニリーバ)
- クリアフォーメン(ユニリーバ)
- アジエンス(花王)
- エッセンシャルダメージケア(花王)
- セグレタ(花王)
- メリット(花王)
- サクセス薬用シャンプー(花王)
- キュレル(花王)
- TSUBAKI (ファイントゥデイ資生堂)
- スーパーマイルド(ファイントゥデイ資生堂)
- マシェリ(ファイントゥデイ資生堂)
- シーブリーズ(ファイントゥデイ資生堂)
- オクト(ライオン)
- 薬用毛髪力(ライオン)
- エルセーヴ(ロレアルパリ)
- サラ(カネボウ化粧品)
- いち髪(クラシエ)
- 海のうるおい藻(クラシエ)
- ルシード薬用シャンプー(マンダム)
- サンスタートニックシャンプー(サンスター)
- スカルプD (アンファー)
- モイストダイアン(ストーリア)
- ボタニスト(I-ne)
- レヴール(ジャパンゲートウェイ)
- ミノン薬用ヘアシャンプー(第一三共ヘルスケア)
- & ハニー モイストシャンプー(&honey)
- ロイド カラーシャンプー(ロイド)
- アミノレスキュー(アクアノア)
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2022年9月1日(金)~9月4日(月)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,058サンプル
サンプル構成(%)
参照コンテンツ
- 戦略ケース 快進撃続くTHREE―「ブルーオーシャンターゲティング」で第3の価値創造(2019年)
- 戦略ケース 高成長を長期維持する業務用ヘアケアNo.1「ミルボン」(2018年)
- 戦略ケース 急成長を続ける化粧品ブランド「THREE」 差別化と脱しがらみで日本発の世界ブランドへ(2018年)
- MNEXT 2022年の消費の読み方-価値拡張マーケティング(2021年)
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調査結果を見ると、「ラックス(ユニリーバ)」と「パンテーン(P&G)」が複数の項目で僅差で首位を競り合う結果となった。コロナ禍以降のセルフケアに対する意識の高まりもあって、シャンプー市場では多様化、高付加価値化が進んでいる。ボタニカルやオーガニック、ハニーやアミノ酸などをキーワードに多様なブランドが競うシャンプー市場の今後が注目される。