サンケア関連市場は2019年をピークに、2020年、2021年と2年連続で縮小。2022年は数量ベースでは前年比110.7%と回復したが、金額ベースでは同97.5%と前年割れが続いている(経済産業省「生産動態統計」日焼け止め及び日焼け用化粧品 出荷金額、年間補正前)。
今回は、当社が任意に選んだ日焼け止め24ブランドについて、「知っている(認知)」「3ヶ月以内に店頭などで見た(店頭接触)」「買って使ったことがある(購入経験)」「最近3ヶ月以内に買って使った(3ヶ月以内購入)」、さらに「今後(も)使いたい(今後意向)」と「購入経験者における今後の購入意向(再購入意向)」という6項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回の調査では、前回(2022年6月版)も複数の項目で首位を獲得した「ビオレUV 日焼け止め(以降ビオレUV)(花王)」が全項目で首位となった。とくに、3ヶ月内購入では10.5%で、2位の「アネッサ 日焼け止め(以降アネッサ)(資生堂)」の4.9%にダブルスコアの差をつけた。今後の購入意向でも「アネッサ」7.5%に対し14.9%と倍近い差となっている。幅広いアイテムを揃えたトップブランドらしい結果といえる。
2位争いをしているのは「アネッサ」と「ニベアUV日焼け止め(以降ニベアUV)(花王)」だ。「アネッサ」は、購入経験、3ヶ月内購入、今後の購入意向で2位を獲得、認知や店頭接触でも僅差の3位に入った。「ニベアUV」は認知と店頭接触で2位、購入経験、3ヶ月内購入、今後の購入意向で3位に入った。
ユーザーのリピート購入の指標である、再購入意向をみると、首位は「ビオレUV」で75.1%という高い数字をたたき出した。同率2位は「コーセーサンカットと パーフェクトUV(コーセー)」と「オルビス 日焼け止め(オルビス)」と化粧品メーカーのブランドが入ったが、いずれも母数は小さい。4位には「ニベアメン日焼け止め(花王)」が入り、サンケアが男性にも広がっていることがわかる。
コロナ禍による外出制限とインバウンド需要の消失で、日焼け止め市場は大きな打撃を被ったが、2023年に入り、行動制限や渡航制限が緩和、ふたたびの成長が期待されている。実際に2023年1~3月は金額ベースで前年同期比123.4%と高い伸びとなっている(前出「生産動態統計」)。メーカー各社はここ数年続く多機能化、高機能化の商品や、さまざまな使用シーンに合わせた剤型の商品を発売、需要に応えようとしている。3年ぶりの行動制限のない夏を控え、注目すべき市場といえるだろう。
- 注目ランキング
-
- 3ヶ月内購入
- ビオレUV 日焼け止め(花王) 10.5%
- アネッサ日焼け止め(資生堂) 4.1%
- ニベアUV日焼け止め(花王) 3.6%
- 再購入意向
- ビオレUV 日焼け止め(花王) 75.1%
- コーセーサンカット パーフェクトUV(コーセー) 70.0%
- オルビス 日焼け止め(オルビス) 70.0%
- 3ヶ月内購入
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ調査概要
提示24ブランド
- ビオレUV 日焼け止め(花王)
- キュレルUV 日焼け止め(花王)
- ニベアUV日焼け止め(花王)
- ニベアメン日焼け止め(花王)
- アリィー日焼け止め(カネボウ化粧品)
- アネッサ日焼け止め(資生堂)
- SHISEIDOサンケアの日焼け止め(資生堂)
- アクアレーベル日焼け止め(資生堂)
- UVホワイト日焼け止め(資生堂)
- コーセーサンカット パーフェクトUV(コーセー)
- 雪肌精日焼け止め(コーセー)
- オルビス日焼け止め
- DHC 日焼け止め
- ちふれ日焼け止め
- ファンケル日焼け止め
- メンソレータムサンプレイ日焼け止め(ロート製薬)
- スキンアクアトーンアップ日焼け止め(ロート製薬)
- スキンアクアモイスチャージェル日焼け止め(ロート製薬)
- サンキラー日焼け止め(伊勢半)
- マミー UV 日焼け止め(伊勢半)
- コパトーン日焼け止め(大正製薬)
- 近江兄弟社MKB 日焼け止め(近江兄弟社)
- トップバリュの日焼け止め
- 無印良品の日焼け止め
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2023年05月12日(金)~05月16日(火)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:972サンプル
サンプル構成(%)
参照コンテンツ
- 企画に使えるデータ・事実 成長市場を探せ 衣料用液体洗剤(2020年版)
- 企画に使えるデータ・事実 成長市場を探せ 日焼け止め(2020年版)
- 戦略ケース 「花王」 × 「P&G」 取引条件透明化で値下げ圧力克服(2007年)
おすすめ新着記事
消費者調査データ レトルトカレー(2024年11月版) 首位「咖喱屋カレー」、3ヶ月内購入はダブルスコア
調査結果を見ると、「咖喱屋カレー」が、再購入意向を除く5項目で首位を獲得した。店頭接触、購入経験で2位に10ポイント以上の差をつけ、3ヶ月内購入では2位の「ボンカレーゴールド」のほぼ2倍の購入率となった。
「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 伸長するパン市場 背景にある簡便化志向や節約志向
どんな人がパンを食べているのか調べてみた。主食として1年内に食べた頻度をみると、食事パンは週5回以上食べた人が2割で、特に女性50・60代は3割前後と高かった。パン類全体でみると、朝食で食事パンを食べた人は女性を中心に高く、特に女性50代は6割以上であった。
成長市場を探せ コロナ禍の落ち込みから再成長する惣菜食市場
コロナ禍で打撃を受けた市場のひとつに惣菜市場がある。特に外出自粛の影響を受けた百貨店の惣菜などが落ち込んだ。しかし、翌21年には早くも持ち直し、22年、23年と2年連続で過去最高を更新した。