
コロナ禍で一気に市場拡大したデリバリーサービス。市場規模はコロナ以前の1,700億円から、2022年度には3,300億円、2025年度には4,100億円に達するという予測もある(日本能率協会総合研究所)。
今回は、当社が任意に選んだフードデリバリー28サービスについて、「知っている(認知率)」「自宅が配達エリアにある(利用可能)」「利用したことがある(利用経験)」「昨年に比べ利用が増えた(利用増加)」「最近3ヶ月以内に利用した(3ヶ月以内利用)」「今後(も)利用したい(利用意向)」と「利用経験者における今後の利用意向(再購入意向)」という7項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回の調査結果を、前回(2021年4月版)と比較すると、上位のサービスでは認知が上昇しているほか、サービスエリアの拡大などを受けて利用可能サービスや利用経験も上昇傾向がみられた。フードデリバリーサービスのすそ野が広がったことがわかる結果である。
しかし、上位サービスの3ヶ月以内利用をみると
2020年 2021年 2022年(今回)(%)- 出前館 2.6 7.6 6.7
- Uber Eats 1.7 3.7 3.7
- ドミノ・ピザ 2.9 5.9 7.0
となっており、昨年に比べて拡大トレンドは鈍っている。
また、今後の利用意向を見ても、
2020年 2021年 2022年(今回)(%)- 出前館 8.9 12.1 12.1
- Uber Eats 4.8 6.4 6.3
- ドミノ・ピザ 14.8 16.3 20.5
となり、「出前館」と「Uber Eats」の上昇は頭打ちだ。
さらに再利用意向では、「出前館」が前回の69.7%から66.3%と微減、「Uber Eats」は同じく53.2%から43.3%と大きく下がっている。利用者のすそ野は拡大したものの、固定ファンの獲得はまだ途上といえるだろう。
成長が見込まれる分野なだけに、フードデリバリーサービスの競争は激しい。昨年はNTTドコモの「dデリバリー」がサービスを終了し、2020年に日本上陸した「フードパンダ」は2年を待たずして撤退した。また昨年11月には「ドアダッシュ」が「ウォルト」の買収を発表した。一方、新規参入も相次ぎ、フードデリバリーに加えて日用品も運んでくれるサービスなど、より付加価値の高いサービスも登場している。競争激化が続くフードデリバリー業界の今後に注目が集まっている。
- 注目ランキング
-
- 3ヶ月内利用
- ドミノ・ピザ 7.0%
- 出前館 6.7%
- パルシステムなどの生協の個配 6.5%
- Uber Eats 3.7%
- 再利用意向
- パルシステムなどの生協の個配 72.9%
- 楽天ぐるなびデリバリー 70.0%
- 出前館 66.3%
- 3ヶ月内利用
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ
調査概要
提示28ブランド
- 出前館
- Uber Eats
- 楽天ぐるなびデリバリー
- ウォルト
- menu(メニュー)
- DoorDash(ドアダッシュ)
- シャショクル
- ドミノ・ピザ
- ピザーラ
- ナポリの窯
- 銀のさら
- 柿家鮨
- 釜寅
- 宅配御膳菱膳
- マックデリバリー(日本マクドナルド)
- モスバーガーのお届けサービス
- お届けケンタッキー(ケンタッキーフライドチキン)
- すかいらーくグループの宅配
- セブンミール(セブン-イレブン)
- ワタミの宅食
- オイシックス
- ヨシケイ
- らでぃっしゅぼーや
- イオンネットスーパー
- アイワイネット(イトーヨーカドー)
- 楽天西友ネットスーパー
- コープネットスーパー、パルシステムなどの生協の個配
- Amazonフレッシュ
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2022年3月3日(木)~3月8日(火)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,022サンプル
サンプル構成(%)


参照コンテンツ
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第122号 働き方の多様化が後押しするデリバリーサービス利用(2020年)
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第119号 "自粛"で変わる購買行動とライフスタイル(2020年)
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第105号 出前館、ウーバー...既存宅配取り込み成長する代行サービス(2019年)
- 戦略ケース プラットフォームビジネスで急拡大するウーバーイーツ(2019年)
- MNEXT 眼のつけどころ 市場脱皮期の富裕層開拓マーケティング―価格差別化戦略(2021年)
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