2020年のキャッシュレス決済比率は29.7%と、2015年の18.2%から一貫して拡大している(経済産業省)。
今回は、当社が任意に選んだキャッシュレス決済31ブランドについて、「知っている(認知率)」、「3ヶ月以内に広告などを見た(広告接触)」「利用したことがある(経験率)」、「最近3ヶ月以内に利用した(3ヶ月以内利用)」「昨年に比べ利用が増加した(利用増加)」、さらに「今後(も)使いたい(今後意向)」と「利用経験者における今後の利用意向(再利用意向)」という7項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。
今回の調査では、「PayPay」が再利用意向を除く6項目で首位を獲得、再購入意向でも首位の「楽天Pay」との差はわずか0.3ポイントだ。前回(2020年10月版)以前と比較しても、
前々回 前回 今回- 認知 58.2% 6位 66.1% 4位 72.6% 1位
- 広告接触 34.3% 1位 32.9% 1位 43.6% 1位
- 利用経験 7.0% 9位 32.1% 3位 36.9% 1位
- 3ヶ月内利用 6.7% 7位 27.3% 1位 32.7% 1位
- 今後意向 7.0% 7位 26.4% 1位 32.1% 1位
- 再利用意向 73.6% 5位 80.3% 2位 84.4% 1位
となり、広告接触は一貫して1位、認知や利用経験などその他の項目も上昇基調となっている。とくに利用経験は2年間で約30ポイント、3ヶ月内利用は約25ポイントも上昇。昨年と比べての利用増の項目でも、「PayPay」のみが22.7%と2桁となっており、急速なユーザー層の広がりがうかがえる。
2位以下には「楽天ペイ」「Suica」「d払い」などが並んでいるが、3ヶ月以内利用や利用増などの項目では「PayPay」に大きく水をあけられている。また、どのブランドも前回(2020年10月版)と比較して利用経験や3ヶ月以内利用の大きな変化はみられない。
再利用意向をみると、「楽天ペイ」「PayPay」が8割台、「アップルペイ」「Suica」「d払い」が7割台で、9ブランドが6割台で続く。各社が激しい顧客囲い込み競争でしのぎを削っている。
還元キャンペーンで顧客をふやす一方、中小加盟店には手数料無料で加盟店を拡大、スマートフォン決済の最大手となった「PayPay」だが、この10月からは決済手数料を有料化。一方「楽天ペイ」やドコモの「d払い」は無料を継続。加盟店の囲い込みは新たな局面を迎える。コロナ禍による清潔意識の上昇なども追風になっており、今後の伸びしろも大きいとみられるキャッシュレス決済。激戦の成長市場から目が離せない。
- 注目ランキング
-
- 3ヶ月内利用
- PayPay 22.7%
- WAON 8.7%
- 楽天ペイ 8.5%
- 今後の利用意向
- 楽天ペイ 84.7%
- PayPay 84.3%
- ApplePay(アップルペイ) 75.0%
- 3ヶ月内利用
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ調査概要
提示33ブランド
- 楽天Edy
- Kitaca
- Suica
- PASMO
- TOICA
- manaca
- ICOCA
- PiTaPa
- SUGOCA
- WAON
- nanaco
- ウェブマネー
- BitCash(ビットキャッシュ)
- iTunesカード
- GooglePlayカード
- Amazonギフトカード
- デビットカード
- PayPay
- 楽天ペイ
- LINEペイ
- d払い
- auPay
- ゆうちょPay
- FamiPay
- メルペイ
- ApplePay(アップルペイ)
- GooglePay(グーグルペイ)
- Alipay(アリペイ)
- AmazonPay
- ドコモiD
- auWALLET
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2021年9月10日(金)~9月15日(水)
調査対象者:当社インターネットモニター 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,042サンプル
サンプル構成(%)
参照コンテンツ
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第124号 キャッシュレス化で促進されるセルフレジ利用
- 「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 第106号 QRコード決済、一過性のブームに終わるのか?
- JMRからの提案 キャッシュレス競争の勝者は?―プラットフォーム視点で分析(2019年)
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