
2022年キャッシュレス決済比率は、前年から3.5ポイント上昇し36.1%、金額は111兆円と初の100兆円超えとなった(経済産業省)。ボリュームとして大きいのはクレジットカードだが、コード決済の比率上昇が目立っている。
今回は、当社が任意に選んだキャッシュレス決済24ブランドについて、「知っている(認知率)」、「利用したことがある(経験率)」、「最近3ヶ月以内に利用したことがある(3ヶ月内利用)」、「昨年に比べて利用が増加した(利用増加)」、さらに「今後(も)利用したい(今後意向)」と「利用経験者における今後の利用意向(再利用意向)」という6項目について、インターネットモニターに対して行った調査結果をランキング形式でお届けする。今回の調査では、前回(2022年11月版)同様、全項目でコード決済の「PayPay」が首位を獲得した。「PayPay」の前回と今回の主要な指標を比較すると、
認知率 | 経験率 | 増加率 | |
前回(22年10月調査) | 58.9% | 36.0% | 22.6% |
今回(23年11月調査) | 68.3% | 48.1% | 27.5% |
となり、認知率と経験率は約10ポイント、増加率は5ポイント増えており、成長に勢いがある。
他のキャッシュレス決済と比べても、利用経験では2位の「Suica」に、3ヶ月以内利用でも、2位の「楽天ペイ」にそれぞれ20ポイント近い大差をつけている。今後の利用意向をみても、全体で約4割、利用経験者に限れば(再利用意向)約8割という高さだ。
2位には、認知や利用意向では「Suica」が、3ヶ月内利用や利用増加、今後の利用意向で「楽天ペイ」がつけている。そのほか、「d払い」、「WAON」、「nanaco」、「auPay」などがランクインしている。このうち、「楽天ペイ」、「d払い」、「auPay」はコード決済で、「PayPay」を含め、コード決済系の健闘が目立つ。
さらに、再利用意向をみると、首位の「PayPay」をはじめとして、「楽天ペイ」、「d払い」、「FamiPay」、「auPay」と続く。1位から5位までがすべてコード決済系だ。コード決済系のサービスは、急速に拡大する利用可能店舗や、ポイント還元サービスなどに支えられてキャッシュレス決済拡大の牽引車となっている。
拡大を続けるキャッシュレス決済。政府の「2025年までにキャッシュレス決済比率を4割に」という目標も実現がみえてきたが、海外でのキャッシュレス比率は韓国の9割超、中国の8割超を筆頭に、軒並み日本より高くなっている(一般社団法人キャッシュレス推進協議会)。キャッシュレス決済最大の「PayPay」の利用者は6,000万人を超え(PayPay株式会社 2023年10月4日現在)たが、諸外国と比較すればまだ成長の余地はあるといえる。手軽さとお得感を武器に、今後もキャッシュレス比率は拡大していくとみられているが、「PayPay」独走が続くのかが注目される。
- 注目ランキング
-
- 3ヶ月内購入
- PayPay 27.5%
- 楽天ペイ 15.3%
- d払い 10.1%
- 再購入意向
- PayPay 81.6%
- 楽天ペイ 76.6%
- d払い 66.2%
- FamiPay 64.0%
- auPay 62.9%
- 3ヶ月内購入
詳細データのダウンロード
クロス集計表 サンプルイメージ
調査概要
提示24ブランド
- 楽天Edy
- Suica
- PASMO
- TOICA
- manaca
- ICOCA
- PiTaPa
- WAON
- nanaco
- iTunesカード
- GooglePlayカード
- デビットカード
- QUICPay(クイックペイ)
- PayPay
- 楽天ペイ
- LINEペイ
- d払い
- auPay
- ゆうちょPay
- FamiPay
- メルペイ
- ApplePay(アップルペイ)
- GooglePay(グーグルペイ)
- iD
調査設計
調査手法:インターネットリサーチ調査期間:2023年11月14日(火)~11月16日(木)
調査対象者:当社インターネットモニター木 20歳~69歳
全国の男女個人
有効回収サンプル数:1,060サンプル
サンプル構成(%)


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